列強による鉄道敷設競争とは? わかりやすく解説

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列強による鉄道敷設競争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 20:26 UTC 版)

満洲国国有鉄道」の記事における「列強による鉄道敷設競争」の解説

中国大陸における列強利権分割は、満洲では主に鉄道利権奪い合いという形で現れた。日清戦争終結後清国負った対日賠償金への借款供与申し出たロシア帝国は、清国見返り求め、これに応じた清国との間で1896年露清密約締結に至る。この露清密約清国は、ロシア軍国内移動容認するとともに黒竜江省吉林省通過してウラジオストクへ至るシベリア鉄道延長敷設東清鉄道)を許可しており、この密約によってロシア帝国満洲における権益拡大清国了承させることに成功した1900年満洲では、アムール川事件などの大虐殺発生するような不穏な情勢となっていた。 しかし、日露戦争後ポーツマス条約並びに日本国清国間で協議され満洲善後条約1905年)によって、南満洲鉄道(以下「満鉄」)の吉林までの延伸日本陸軍常駐、また同鉄道併行する鉄道建設禁止等を清国了承したことで、満洲におけるロシア帝国権益低下し日本側の権益拡大したこうした背景から、1907年以降満洲鉄道利権東清鉄道運営するロシア帝国南満洲鉄道運営する日本二分された。一方で中国資本入った鉄道路線満洲の西隅を走っている北京-山海関-奉天間の京奉鉄路の他、満洲中部にもいくつか存在はしていたものの、前者イギリス系香港上海銀行借款によって建設されていて純粋な中国資本路線ではなく後者至って1913年10月日本中華民国間で結ばれた満蒙五鉄覚書」と1918年路線組み直して改締された「満蒙鉄道覚書」を根拠として、日本借款契約行って敷設したもので、実質的に日本利権路線であったこのように列強清国利権牛耳っている状況対し中華民国成立後1922年頃から、列強排して中国側利権取り戻そうとする政治・軍事活動利権回収運動」が始まった満洲ではこの運動鉄道にも及び、日本に対して満鉄への攻撃となって現れることになった。 これを後押ししたのが、当時満洲実効統治していた奉天軍閥東三省政権東北政権)である。張作霖率いる当軍閥は、当初日本協力的であったものの、この頃には距離を置くようになり始めていたためである。鉄道に関して独立姿勢見せ1924年には東三省遼寧省吉林省黒竜江省)の交通管理するための「東三省交通委員会」を設立して中国資本鉄道敷設し始めた日本側もこれに対抗して1927年にさらに5つ鉄道路線敷設張作霖認めさせたが、奉天軍閥側も負けじと鉄道建設続行する。 ここで出て来たのが、かねてから奉天軍閥離反を何とかしたい思っていた関東軍であった。彼らは1928年6月4日張作霖暗殺張作霖爆殺事件)、奉天軍閥恫喝したが、後を継いだ張学良態度硬化させて南京国民政府合流徹底した反日」を掲げて行動し始めた。 その行動鉄道政策にも現れた。張学良軍閥を継ぐや、東三省交通委員会を「東北交通委員会」に改組するとともに満鉄路線包囲して兵糧攻めとする作戦出た。彼はまず京奉鉄路途中から分岐する葫蘆島支線終点葫蘆島新港建造し、そこを起点満鉄東から西から並行して取り囲むような路線網計画したのである。 これは満鉄にとっては手痛い打撃となった互いに何十キロ離れて並行ではあったが、それまでそこを遠しとしても満鉄運ばれていた貨物が、中国側流れてしまったからである。また、1913年1918年交わした覚書中にある路線まで先を越され作られ現有していた鉄道敷設危機瀕することになる。日本側は、日露戦争終結時に満鉄並行路線作らない」とした「満洲善後条約」に反するとして猛抗議をしたが、並行線の定義がないこともあり、奉天軍閥一切聞く耳を持たず鉄道をめぐる両者の対立深まって行った

※この「列強による鉄道敷設競争」の解説は、「満洲国国有鉄道」の解説の一部です。
「列強による鉄道敷設競争」を含む「満洲国国有鉄道」の記事については、「満洲国国有鉄道」の概要を参照ください。

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