共同親権制度導入検討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:52 UTC 版)
「子どもの貧困」の記事における「共同親権制度導入検討」の解説
国際的には、共同親権などの制度があり、必ずしも母側だけがその費用も含め、養育責任を担っているわけではない。離婚後には、日本のように子供の単独親権ではなく、フランスのように離婚後の共同親権の原則を導入している国もあり、ドイツ・スイス・イギリスも原則として離婚後も両親監護または養育義務を課している。なお、韓国では選択的共同親権制度を採用している。韓国では単独親権が原則化されていないため、離婚の届け出時に協議書に親権者を明示する手法を取っており、2011年研究インタビューではある判事の見解では20%程度が共同親権を選択している。また、親権者とは別に養育者も定める。EUの欧州議会本会議は2020年7月8日、日本に対する批判的な決議を採決し、裁判の判決を必ず執行すること、日本が署名したハーグ条約をきちんと守ることを日本政府に迫っている。日本では実子誘拐をした片親に実質的に監護権が与えられることがあり、かつ裁判所で返還命令を取っても執行されない場合があることが問題となっている。2010年に起こった大阪2児餓死事件では、被疑者である母が離婚を言い渡された理由は借金と自らの不倫が原因だったものの、離婚を決める家族会議で「借金はしっかり返す」「家族には甘えません」「しっかり働きます」などの誓約書を書かされた。22歳で幼い2児を抱えるひとり親は養育費もない状態で家族を頼れず孤立した子育てを強いられる状況となり、かつ児童扶養手当も子ども手当も受給しなかった。この被疑者もまた幼少期に実母からネグレクトを受けていたうえ、中学生で輪姦体験での性被害もあり解離性障害の傾向もあったという。公的機関に一度子どもを預ける相談をしたが実施には至らなかった。子ども共々セーフティネットから零れ落ちてしまった。2016年6月、母親の精神疾患により指導養護施設に預けられていた9歳の女児が一時帰宅時に母親に殺害された。父親は母にDV被害届を出されたことがあり、それゆえ施設は母の主張通り連絡を取ってはいけない相手だと思っていた。しかしながら、DVは父に親権を渡すことを忌避した母の狂言だったようだとも報道され、共同親権が実施されていれば防げた事件である。父親は母子を担当した秋田県中央児童相談所(秋田市)と女児が入所していた児童養護施設(同)の対応に落ち度があったとして県に損害賠償を求める訴えを秋田地裁に起こすと報道されている。大阪2児餓死事件でも子どもの養育責任と親権が母親一人負わされた結果、幼児2人が育児放棄の末餓死に至っている。このような事件を防ぐためにも、別れた親を含め、多くの目で子供を見守る制度が必要となっている。しかし同時に、オーストラリアでも親子断絶防止法の実施下で親と面会交流中の児童が殺害された反省を生かし、子との面会交流を制限したり、禁止しなければいけないような親、子どもの生命、身体、健全な育成を脅かすような親が子と交流することを制限する必要がある。また、共同親権により面会交流することで養育費を削減することにつながらせる危険性も指摘されている。2017年4月には日本でも元夫との初の面会交流中に4歳の女児が無理心中で死亡した事件も発生している。また、2018年には離婚後に7年ぶりに会った娘(13)に対し、体を触るわいせつ行為をする事件も起こっているため、面会交流時には子どもの安全が確保される必要がある。 離婚要因については、司法統計(平成26年度)第32表によると、全家庭裁判所取り扱いの婚姻関係事件中も申立動機別申し立て人別統計では、夫全562件のうち「性格が合わない」は315件(56%)で妻全1387件中634件(45.7%)で男女共に最多理由だが、そのほかに妻側では「暴力を振るう」が427件(30%)、「精神的に虐待する」が278件(20%)とDVを理由とする離婚が相当数含まれている。ただし、主な理由な3つまでの重複集計全家庭裁判所のため単純合算でDV総数推計はできない。また本件は、家庭裁判所を経たもののみのため、平成26年の年間離婚総数222,107件の離婚理由の内訳を示すものではない。
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