備前バスとは? わかりやすく解説

日生運輸

(備前バス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/14 17:18 UTC 版)

日生運輸株式会社
Hinase Logistics CO.,LTD.
種類 株式会社
本社所在地 日本
705-8588
岡山県備前市伊里中588番地1[1]
設立 1961年昭和36年)10月10日[1]
業種 陸運業
法人番号 7260001021665
代表者 代表取締役社長 伊賀資耕
資本金 7,500万円[1]
純利益 1億9061万8000円(2018年05月31日時点)[2]
総資産 45億1355万7000円(2018年05月31日時点)[2]
従業員数 200名[1]
外部リンク https://www.hinase-gr.com/
特記事項:バス部門(備前バス)は2015年9月30日廃止[3]
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日生運輸株式会社(ひなせうんゆ)は、岡山県備前市に本社を置く総合運輸事業者である[1]

岡山県和気郡日生町(現・備前市)に、耐火煉瓦製品の貨物運送事業者として設立され、その後に港湾荷役通関業、倉庫業、産業廃棄物収集事業も行うようになった。かつては乗合バス貸切バス事業[3]旅行業タクシー事業も営んでいた。

1971年から44年間にわたり[3]備前バス(びぜんバス)の名称でバス事業を行ってきたが[3]2015年9月末をもってバス事業から撤退した[3][4][5][6]

沿革

本社・事業所

物流・倉庫部門

  • 本社営業所:岡山県備前市伊里中588番地1[1]
  • 伊里中第1物流倉庫:岡山県備前市伊里中581番地[1]
  • 伊里中第2物流倉庫:岡山県備前市伊里中641番地[1]
  • 友延物流倉庫:岡山県備前市友延976番地[1]
  • 穂浪港営業所:岡山県備前市穂浪3651番地6(陸運・港運・通関)[1]
  • 御津ロジックス営業所:岡山県岡山市北区御津高津で、第一輸送・倉庫が120番地10、第二輸・送倉庫が120番地30  両方とも御津工業団地内[1]
  • 大阪営業所:大阪府茨木市大字福井120-52[1]

過去の事業所

  • 備前バス:岡山県備前市伊里中578番地1(バス事業)
  • 備前トラベルネットワーク:岡山県備前市伊里中578番地1(旅行業

グループ会社

  • 株式会社日生運輸:岡山県備前市伊里中588番地1
  • 備前観光サービス株式会社:岡山県備前市伊里中588番地1
  • ヒナセカーサービス株式会社:岡山県備前市閑谷1746番地の1(自動車整備業
  • 日生トーム株式会社:岡山県備前市麻宇那476番地の5

備前バス

備前バスの貸切車
貸切車・路線車とも黄色い車体のバスを使用していた。

2015年平成27年)9月末まで「備前バス」として、乗合バス事業[3][5]および貸切バス事業を行っていた[3][4]

宇野自動車の過疎路線廃止により[3]、沿線自治体(当時の備前町三石町日生町和気町吉永町佐伯町)からの要請を受け[3]廃止代替バス乗合バス)の運行を引き受けたことが同社のバス事業の始まりである[3]1971年5月より[3]、宇野自動車の廃止路線を肩代わりする形で乗合バス事業に参入した[3]

1972年7月には[3]同和鉱業片上鉄道からバス事業を譲受し[3]、同社の廃止路線と貸切バス事業を引き継いだ[3]。その際に公募により決定[3]した「備前バス」の愛称を名乗るようになった[3]

さらに1991年の同和鉱業片上鉄道の廃止を受け、代替バスを運行開始。1993年には両備バスの休止路線の代替運行を行う[3]など、地域の鉄道・バス事業者の廃止代替路線の運行を担ってきた。

しかし過疎化少子化による急激な人口減に伴い、バス利用者が減少。1993年には運賃2倍の値上げを申請したが[3]、その際に備前市から補助金を受け運賃を据え置くこととして[3]、備前市および、旧片上鉄道沿線4市町(備前市・和気町・赤磐市美咲町)で構成する「片上鉄道沿線地域活性化対策協議会」から補助団体指定を受けた[3]

2005年(平成17年)3月22日に備前市、日生町、吉永町が新設合併して(新)備前市が発足。その後、備前市内路線の利用者は、2007年度(平成19年度)の約286,300人から[3]2013年度(平成25年度)には約141,500人と[3]、わずか6年間で半減していた[5]

1993年から2005年までの補助金は年額3,000万円であったが[3]2006年の路線増加と備前市内路線の均一運賃化[3]2014年度からの消費税率引き上げにより補助金額は増大し[3]、2014年度には年額7,200万円に達していた[3]。しかし2007年以降は補助金を受けてもなお、年間2,500万円の赤字を計上している状態にあった[5]

このため同社では、利用者の減少と赤字の増大によりバス事業の継続を断念し[3][4]2015年3月19日、道路運送法第38条第2項の規定に基づく廃止届を国土交通省中国運輸局岡山運輸支局に提出[3][4][5]。同年9月30日をもってバス事業を廃止した[3][4][6]

過去の路線

備前市内路線

2006年12月1日より均一運賃となる。大人200円・小児100円。一日乗車券は大人500円・小児250円。

備前バスの撤退後は、備前市が引き継いで備前市営バスの路線となった[6]。備前市の直接運行と、地元のタクシー会社(吉永タクシー、インベタクシー、日生交通)への委託運行に振り分けられた。

片鉄沿線路線

運賃は対距離区間制。同和鉱業片上鉄道線廃止に伴う代替バスで、通称「備前片鉄バス」。全便休日運休。

  • 片上 - 清水 - 中山 - 和気駅前 - 鵜飼谷温泉前 - 益原 - 天瀬 - 河本 - 矢田 - 苦木 - 杖谷 - 塩田 - 福田 - 周匝 - 高下 - 吉ヶ原 - 柵原病院前

2011年9月に沿線の美咲町(旧柵原町)が同路線への補助金を打ち切ったことに伴い、同年9月30日の運行をもって周匝 - 柵原病院前間を廃止。廃止区間は美咲町が運行する「柵原病院 - 周匝」連絡バスで代替されたが、その連絡バスも2014年3月31日の運行を最後に廃止された。

備前バスの撤退後は、和気 - 周匝間は当面の代替措置として、赤磐市和気町が共同運行する赤磐市広域路線バス(赤磐・和気線)が引き継いだ。片上 - 和気間は撤退時に代替バスが設定されず交通空白となっていたが、2019年4月1日より備前市営バス和気町営バスの共同運行路線として復活している。

東備西播定住自立圏 圏域バス

2012年3月5日運行開始。兵庫県と岡山県の県境付近の2市1町(兵庫県赤穂市上郡町、岡山県備前市)が構成する「東備西播定住自立圏形成推進協議会」が運行するコミュニティバスである。

かつては岡山県の東備地区と兵庫県の西播地区を、県境を越えて結ぶ一般路線バスが運行されていたが、路線廃止によりコミュニティバスの運行が開始されるに至った。

備前ルートの運行をウエスト神姫とともに受託していた。備前バスが月曜・水曜・金曜、ウエスト神姫が火曜・木曜・土曜の運行をそれぞれ担当していた。全便日曜運休。備前バスの撤退後は、2015年10月1日からウエスト神姫が全日担当している。

牛神社入口 - 三石間(イオン赤穂店前行)、牛神社入口 - 大橋間(吉永病院前行)、渡瀬 - 福石下間はフリー乗降区間

備前市営バス

備前市営バス80条バス・旧吉永町営バス) の運転業務を受託していた。備前バスの撤退後は、旧吉永町営バス区間は吉永タクシーが担当している。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 会社概要”. 日生運輸株式会社. 2021年1月23日閲覧。
  2. ^ a b 日生運輸株式会社 第57期決算公告
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al 備前バスは平成27年9月末日をもって廃止いたします【乗合路線バス廃止に至る経緯】”. 日生運輸株式会社 備前バス (2015年5月25日). 2021年1月23日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 中国運輸局 (2015年4月22日). “公示”. 日生運輸株式会社. 2021年1月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g “日生運輸が路線バス事業撤退へ 利用低迷、備前市が継承検討”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年3月31日). http://www.sanyonews.jp/article/154507/1/ 2015年10月26日閲覧。 
  6. ^ a b c d e “備前で市営バスが運行スタート 民間撤退で6路線引き継ぐ”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2015年10月1日). http://www.sanyonews.jp/article/237646/1/ 2015年10月26日閲覧。 
  7. ^ a b c d e グループ企業紹介”. 日生運輸株式会社. 2021年1月23日閲覧。

関連項目

外部リンク


備前バス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 19:54 UTC 版)

日生運輸」の記事における「備前バス」の解説

2015年平成27年9月末まで「備前バス」として、乗合バス事業および貸切バス事業行っていた。 宇野自動車過疎路線廃止により、沿線自治体当時備前町三石町日生町和気町吉永町佐伯町)からの要請を受け、廃止代替バス乗合バス)の運行引き受けたことが同社バス事業始まりである。1971年5月より、宇野自動車廃止路線肩代わりする形で乗合バス事業参入した。 翌1972年7月には、同和鉱業片上鉄道からバス事業譲受し、同社廃止路線貸切バス事業引き継いだその際公募により決定した「備前バス」の愛称名乗るようになった。 さらに1991年同和鉱業片上鉄道廃止を受け、代替バス運行開始1993年には両備バス休止路線代替運行を行うなど、地域鉄道バス事業者廃止代替路線運行担ってきた。 しかし過疎化少子化による急激な人口に伴いバス利用者が減少1993年には運賃2倍の値上げ申請したが、その際備前市から補助金を受け運賃据え置くこととして、備前市および、旧片上鉄道沿線4市町備前市和気町赤磐市美咲町)で構成する片上鉄道沿線地域活性化対策協議会」から補助団体指定受けた2005年平成17年3月22日備前市日生町吉永町新設合併して(新)備前市発足その後備前市内路線利用者は、2007年度平成19年度)の約286,300人から、2013年度平成25年度)には約141,500人と、わずか6年間で半減していた。 1993年から2005年まで補助金年額3,000万円であったが、2006年路線増加備前市内路線均一運賃化、2014年度からの消費税率引き上げにより補助金額は増大し2014年度には年額7,200万円達していた。しかし2007年以降補助金受けてもなお、年間2,500万円赤字計上している状態にあったこのため同社では、利用者減少赤字増大によりバス事業継続断念し2015年3月19日道路運送法38条第2項規定に基づく廃止届を国土交通省中国運輸局岡山運輸支局提出同年9月30日をもってバス事業廃止した

※この「備前バス」の解説は、「日生運輸」の解説の一部です。
「備前バス」を含む「日生運輸」の記事については、「日生運輸」の概要を参照ください。

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