京都小笠原氏とは? わかりやすく解説

京都小笠原氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 06:24 UTC 版)

小笠原氏」の記事における「京都小笠原氏」の解説

小笠原氏には宗家貞宗の弟の貞長の流れがある。貞長は新田義貞戦って討死し、子の高長は京都住んで足利尊氏弓馬師範であったという(史実疑わしい)。以後幕府奉公衆として仕えた京都住んだ長の系統は、兄貞宗系統信濃小笠原氏とするのに対して、京都小笠原氏と呼ばれる。 京都小笠原氏の一族将軍側近の有力武将として重きをなすとともに幕府初期から的始めなどの幕府儀礼参加している。6代将軍足利義教の頃には将軍家の「弓馬師範としての地位確立し以後的始め、馬始めなど幕府の公式儀礼をしばしば差配し、当時における武家有職故実中心的存在となったこうしたことから奉公衆とはいえ一般番衆とは区別され書札礼では「小笠原殿のことは、弓馬師範たる間、如何にも賞翫にて恐惶謹言と書く事、可然也」(『大舘常興書札抄』)とされた。 なお従来は、将軍家弓馬師範信濃小笠原氏務めたされたり貞宗後醍醐天皇師範、高長が足利尊氏師範務めたなどの説が流布していたが、これらは後世付会過ぎず史料裏付け乏しい。小笠原氏将軍家弓馬師範なる地位を得るのは足利義教の代で、それも信濃小笠原氏ではなく京都小笠原氏である。信濃小笠原氏武家故実関わるのは小笠原長時貞慶父子時代になってからである。ただし、信濃小笠原氏弓馬師範ではなかったものの、乗馬通じていることが広く知られていたことを指摘する正行論文もある。小笠原赤沢)貞経は長時貞慶父子より、元亀3年1572年)には「糾方内儀外儀」(弓馬術礼法)を、天正3年1575年)には「師範」の許状受けたとされる。 なお、小笠原政清は同じ幕臣であった伊勢盛時北条早雲)に娘を嫁がせたとされており、彼女の所生とされる北条氏綱以降後北条氏歴代当主は京都小笠原氏の血を引いていた事になる。 京都小笠原氏の一族は、嫡流幕臣として続いたが、小笠原稙盛が永禄8年1565年)の永禄の変将軍足利義輝とともに討死すると、稙盛の子秀清(少斎)は浪人し、後に細川氏(後の熊本藩主細川氏)に仕えた(稙盛は永禄の変後に足利義栄従ったため、足利義昭の時代所領没収されたとする説もある)。秀清関ヶ原の戦いの際に細川ガラシャ介錯務め殉死し秀清の子孫は江戸時代には熊本藩家老務めたまた、庶流小笠原元続将軍足利義澄死去後幕府離れ縁戚後北条氏頼った。元続の子の康広は北条氏康娘婿となった小田原征伐後北条氏嫡流滅亡すると、康広の子の長房は徳川家康家臣となり、子孫旗本として存続し江戸時代歴代当主縫殿助を称した旗本となった小笠原長房の子孫は家禄780石余、縫殿助を称した当主が多いため縫殿助家とも呼ばれる。長房の曾孫の持広は享保元年1716年)に将軍徳川吉宗の命により家伝書籍91部と源頼朝の鞢(ゆがけ)を台覧供した。これは吉宗射礼犬追物など弓馬古式復興に熱心で諸家記録調べていたためで、「世に稀なる書ゆえ永く秘蔵すべき」旨の言葉があったという。後に吉宗近侍の臣らを持広の弟子として射礼を学ばせている。持広は弓場始的始め)の式に伺候するとともに小的草鹿賭弓円物百手的などを上覧入れるなどした。 子孫同様な役を勤め幕末には小笠原次郎講武所弓術教授勤めたが、この家は維新期に断絶する。つまり、室町幕府以来最も長く礼法伝え家系現代には続いておらず、縫殿助家と共に徳川幕府師範家となっていた旗本小笠原兵衛家(赤沢氏)が、現代では小笠原流弓馬術礼法小笠原教場宗家となっている。

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