主体思想の変容期とは? わかりやすく解説

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主体思想の変容期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 06:47 UTC 版)

主体思想」の記事における「主体思想の変容期」の解説

北朝鮮自主独立路線と、マルクス・レーニン主義の独自解釈を打ち出した主体思想は、やがて、首領金日成唯一絶対思想としての地位確立し、これに対す一切批判排除することを通じて金一族絶対的権力正当化するイデオロギーとしての色彩強めていく。そのことは、いずれ訪れ長男金正日への地位の継承準備する意味も持っていた。 1972年主体61年12月27日最高人民会議第5期第1回会議それまで朝鮮民主主義人民共和国憲法全面的に改正した朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法では、主体思想国家指導指針とされた。同時に国家主席ポスト新設されそれまで朝鮮労働党の「首領」とされていた金日成憲法上も最高指導者地位付与された。 さらに、1974年には党の唯一思想体系確立の10大原則成立主体思想目指すところ具体化しつつ簡潔にまとめた、社会主義憲法朝鮮労働党規約上回る北朝鮮公民の最高規範位置付けられた。そして、公民に対して戦前戦中大日本帝国教育勅語にも劣らぬ徹底的な教育が行われた。 詳細は「党の唯一思想体系確立の10大原則#旧条文」および「朝鮮民主主義人民共和国の歴史#1970年代 1972年憲法と金正日の台頭」を参照教育ニ関スル勅語#第二次世界大戦中」も参照 1982年金正日の『チュチェ思想について』によると、国家政策における主体思想適用概要は以下である。 人民は、思想政治的に独立し経済的に自己供給し国防では自己依存してなければならない政策大衆意思願望反映し革命建設の中で彼らを完全に雇用しなければならない革命建設の手法は、国家状況適応されなければならない革命建設最重要作業は、人民思想的共産主義者形成し、彼らを建設作業動員する事である。 「主体」の視点では、革命的な党と指導者へ絶対的な忠誠心要求した北朝鮮では、それらは朝鮮労働党と、最高指揮官たる金日成であったスターリン押し進めた個人崇拝北朝鮮実情合わせて進化させたもので、「領袖は党、党は国家」というスローガンとともに朝鮮社会への浸透推し進めた。そして金日成死後金正日指導の下では先軍思想主体思想同列推されたことにより、事実上領袖は軍、軍は党、党は国家」という軍国主義的要素含んだものへと変質する。 「北朝鮮の個人崇拝#背景」および「先軍政治#概要」も参照 北朝鮮の公式な歴史では、「主体」の最初の適用とされるものの1つ千里馬運動とも呼ばれている1956年から1961年五カ年計画である。この五カ年計画ソビエト連邦中華人民共和国両方からの政治的独立確実にするために、重工業焦点当てた北朝鮮迅速な経済発展目的としたが、1928年ソビエト連邦第一次五カ年計画同様の中央集権的な国家計画の手法を適用し、また毛沢東第一次五カ年計画大躍進政策とも部分的に関連があった。 しかし、経済的自立願望反して北朝鮮は他の諸国からの経済援助依存し続けている。歴史的には、1991年ソビエト連邦の崩壊まではソビエト連邦からの援助に最も依存していた。朝鮮戦争後1953年から1963年「兄弟」諸国からの経済援助資金頼り1953年から1976年はさらにソビエト連邦産業支援強く依存したソ連崩壊により北朝鮮経済危機に陥り、社会基盤運営にも失敗し続けたことから、1990年代半ばには大規模な飢饉発生した詳細は「朝鮮民主主義人民共和国の経済史#大飢餓と深刻な経済難」および「苦難の行軍#概要」を参照 その後中華人民共和国最大援助国となり、人道援助に年4億ドル提供し北朝鮮貿易中国が90.6%も占めている。2005年には北朝鮮2番目に多い国際食糧援助受けており、恒常的な食料不足悩まされている。 詳細は「朝鮮民主主義人民共和国の経済史#混迷続く経済状態」および「朝鮮民主主義人民共和国の国際関係#中華人民共和国」を参照

※この「主体思想の変容期」の解説は、「主体思想」の解説の一部です。
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