主な仕様上の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 14:21 UTC 版)
「5号機 (パチスロ)」の記事における「主な仕様上の特徴」の解説
リール図柄と条件装置(フラグ) 図柄は一つの機種に対し10種類まで可能。5号機では「1つのフラグと1つの揃う図柄が1対1に対応する」ものとされ、4号機までに存在した同一フラグ(一つのフラグによる他の性能を持つ複数の図柄揃いが可能なフラグ)やリプレイ図柄揃いをジャックインに代用すること等が禁止となった。その代わりにフラグの重複当選が可能となり(複数のボーナス同士及び、小役とリプレイ同士の重複を除く)、小役やリプレイの同一フラグや、ストック機の小役によるRT解除に似た演出効果を持つことができることになった。規制緩和以前は成立フラグによってボーナス絵柄揃いの種類が決められており、4号機までのように赤7と青7どちらでも揃えられるといった事は不可能だったが、規制緩和を受け「一つのフラグに対する同じ性能を持つ複数の図柄の割り当て」が認められた。ただし、払い出し枚数や終了後のRT性能などは同一である必要がある。これを採用している機種も発売されており、例えば『南国育ち』(オリンピア)では、4号機と同様にビッグボーナスが成立すると赤7・青7のいずれの絵柄でも揃えられるようになっている。他には、SINの複数の組み合わせを同一フラグとする(『マジカルハロウインR』)場合もある。 なお、確率を変えることができるフラグ(リプレイなど)と確率を変えられないフラグとの重複の場合、その組み合わせの当選確率は変えることができない。例えば、シングルボーナス中に確率を変えられる小役と確率を変えられないボーナスとのフラグ重複や、リプレイタイム中にリプレイとボーナスのフラグ重複の確率は変えることができない。 リール制御 一つのフラグの組み合わせに対し1本しか制御をもてないため、4号機までのようにサブ抽選により異なる制御をすることが出来なくなった。しかし、取りこぼすことが前提の払い出し数が少ない小役(1枚役)を成立させることで完全ハズレ目とは別の制御を行い、チャンス告知する機種も登場している。また、複数のフラグが同時成立している場合には、その組み合わせによって異なる制御をもたせることが可能である。例えばチェリーが単独で成立している場合は角にしか停止しないが、ボーナスと重複している場合は中段にも止められる、スイカが単独で成立している場合は斜めにテンパイするが、スイカと1枚役が同時成立している場合には平行にテンパイする、等のような制御演出が可能。ただし同時成立しているフラグの対応図柄同士には優先順位があり、「リプレイ>ボーナス>小役」(規制緩和後は「リプレイ>小役>ボーナス」となる優先順位も可能)の順で優先的に揃うようになっている。また、小役同士に関しては、重複しているフラグのうち「獲得枚数が最大のもの」または「対応するフラグが多い図柄」のどちらかを優先させることになる(どちらを優先させるかはリールを停止させた順番により決定することが可能。これにより、押し順ATを実現している)。 成立役は優先順位に沿って最大限引き込まなければならなくなり、揃わない制御によって取りこぼすといったことはできなくなった。特にリプレイは後述の配列規制のためCT中と空回し以外での取りこぼしは不可能である。(小役は取りこぼす配列が可能)なお、自動停止(空回し)した場合にはフラグに対応する図柄が揃うことは禁止されているが、既にプレイヤーが停止させたリールにチェリーが出現し、それのみで小役が成立する場合はどのように停止させてもチェリーの入賞を防ぐことはできないため、入賞禁止の対象とはならない。 小役でも「一つのフラグに対する同じ性能を持つ複数の図柄の割り当て」が認められ、2008年の規制緩和で同時に表示できる場合でも片方のみ引き込めばよくなり、これらを利用して4号機にあった「押し順式アシスト」が可能になるなど、遊技方法の充実に貢献した。ただ結果的に「同じ性能を持つ複数の図柄」が多くなりすぎ、小役の配当表がパネルに収まらず液晶内に表示されたり、とうとう小役構成を確認できない機種まで現れるようになった。 リール配列 当選フラグの対応図柄が揃った際に成立していないフラグの対応図柄が揃ったり、または成立していないチェリー等の対応図柄を有効ラインから外すために当選フラグの対応図柄を有効ラインに引き込まない等になってしまう配列は認められていない。小役とボーナス、リプレイとボーナスが同時に揃うような配列もできない。また、リプレイの取りこぼしが発生する配列も禁止されている。 ボーナス 5号機のボーナスは、普通役物(シングルボーナス、以下SIN)、第一種特別役物(レギュラーボーナス、以下RB)、第二種特別役物(チャレンジボーナス、以下CB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(ビッグボーナス、以下BIG)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(チャレンジタイム、以下CT(MBとも呼ばれる))の5種類があり、それ以外のボーナスは認められていない。各ボーナスの抽選はボーナスゲームを参照。 4号機でのボーナスとの主な相違点として、複数のボーナスの同時当選およびボーナスフラグ成立時、ボーナスゲーム中のボーナス当選によるボーナスストックは禁止されている。ボーナスゲーム中にボーナスを抽選できるのはSIN中、またはCB及びCT中のSIN、RBのみであるが、当選した場合は突入中のボーナスが即時終了となるため、ストックすることはできない。 ボーナスの終了契機が、JACゲーム・小役ゲームの回数から払い出し枚数になった。払い出しの上限は、BIGの場合CTを搭載していない機種は480枚、搭載しているものは360枚。CTの場合は268枚となっている。 といった点がある。詳しくはそれぞれの記事を参照されたい。 なお5号機のBIG中のJACゲームは4号機と違って採用されている機種は少ない。これは5号機のBIGの終了条件が払い出し枚数となったため、4号機におけるリプレイはずしが不要となり、JACゲームを搭載する意義が薄れたことが要因と考えられる。採用している機種では複数の性能の異なるJACを抽選し、獲得枚数やART突入抽選確率に差を設けるために使われることもある。 出玉率 4号機の17,500Gで55% - 120%未満に加え、5号機では400Gで300%未満、6000Gで150%未満という制約が追加された。さらにリプレイのOUT枚数0枚、リプレイの次ゲームIN枚数が0枚として計算されるため、出玉率がユーザーの考える出玉率と異なる検査が行われているとされる。 一般的な計算例 IN(3枚) OUT15枚 IN(3枚) OUT 3枚(リプレイ) IN(3枚) OUT 3枚(リプレイ) IN(3枚) OUT15枚 計 IN(12枚) OUT(36枚)=300% 試射試験での計算例 IN(3枚) OUT15枚 IN(3枚) OUT 0枚(リプレイ) IN(0枚) OUT 0枚(リプレイ) IN(0枚) OUT15枚 計 IN(6枚) OUT(30枚)=500% 役物比率 ボーナスによる払出し枚数と非ボーナス時の払出し枚数の比率による規制。CT機能を持たないものは、ボーナスによる払出しが6割以下。CT機能を持つものはボーナスとCTによる払出しが計7割以下。 保通協における出玉試験 従来どおりの実機による任意の打ち方での試射試験に加え、「当選したフラグのうちメダルの獲得枚数が最大となるものを優先して揃える」という前提でのシミュレーション試験が加えられた。双方の結果が上述の出玉率や役物比率の範囲内であることが要求されている(4号機におけるアシストタイム (AT) 等の技術介入による機械割の大幅上昇を防ぐ狙い)。実機による試射試験は機械打ち(ランダムにリールを停止させる打ち方)で行われていたと思われるが、新たにリプパンはずし等の手法が登場したことにより、2007年9月以降に保通協に検定申請を行う特定の性能を持つ機種については、提出する書類に「最も出玉率が高くなる(完全技術介入での)遊技方法」等の記入が必要となった。 設定 設定数は6段階までであればいくつでも設置可能となり、初期のアルゼ系機種では設定1・6のみの2段階設定の機種も存在したほか、山佐・ネット・SANKYO・アルゼ・大都技研などが4段階設定を、山佐の『ハイパーリノ』『ワンダークーちゃん』では1段階(設定Y)のみを導入した実績がある。 アシスト 4号機に見られたアシスト機能(AT)は5号機でも継承されているが、前述の試射試験に抵触するため5号機ではアシスト対象の小役をすべて獲得しても出玉率が上限を超えない範囲でしか認められない。それゆえ純粋なATの搭載は実質的な機械割がAT非搭載機よりも低くなってしまうため、RTと組み合わせてARTとして実装するケースが多く、5号機における出玉の大量獲得の手段として主流となっている。 リール演出 演出面ではリール回転からコイン払い出し終了までの間の消灯と点滅、リール前面での演出が禁止された。一方で5号機登場当初は禁止されていたバウンドストップ、ウエイト中のスルースタートやゲーム中のフリーズ演出は、2008年3月の規制緩和により可能になった。
※この「主な仕様上の特徴」の解説は、「5号機 (パチスロ)」の解説の一部です。
「主な仕様上の特徴」を含む「5号機 (パチスロ)」の記事については、「5号機 (パチスロ)」の概要を参照ください。
- 主な仕様上の特徴のページへのリンク