中期の作品とは? わかりやすく解説

中期の作品(1861 – 1883年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 08:09 UTC 版)

ジョヴァンニ・ファットーリ」の記事における「中期の作品(1861 – 1883年)」の解説

ファットーリの円熟期作品は、鮮明かつ堅固な色斑(マッキア)を用いて描く外光派自然の光と、スケッチ元にしてアトリエで大画面作品制作する伝統的手法とを総合したものであった1864年にはPromotrice fiorentina展にさらに4点作品出品している。風景画『パルミエーリのロトンダ円形テラス)』(1866年)では、単純化され幾何学的構成明瞭な色彩とが作品の構成要素となっている。1866年後半には、フィレンツェ市内の新しく大きなアトリエ移った。ファットーリはイタリア統一運動リソルジメント)に関わる戦争画注文引き続き受けており、そうした歴史画用の大型キャンバス収容できるような大きなアトリエ移ったであった。この時期著名な作品として、サン・マルティーノの戦いエピソード扱った『マドンナ・デッラ・スコペルタの攻撃』がある。 1867年3月の妻の死の後、彼は同年の夏を批評家のディエゴ・マルテッリとともにカスティリオンチェッロで過ごしたマルテッリマッキア派理論家である。そこではジュゼッペ・アッバーティとともに野外での風景画田園生活市場で働く農民などのテーマ描いた。これらの作品で彼は単純な幾何学的構成による大胆な構図、そして強烈な光を強調した。この時期作品としては『牛車農夫のいるマレンマでの休息』(1873 – 75年)がある。 ファットーリは、1870年パルマでの展覧会に、戦争画クストーツァにおけるアメデオ・フェリート王子』を出品し入賞した1872年ローマへ旅行途上、『テッラチーナ馬市場』(完成作は失われた)のための習作描き、これによって1873年ウィーン万国博覧会銅メダル、さらに1876年フィラデルフィア万国博覧会でもメダル得た1875年、フランチェスコ・ジオーリ、エジスト・フェローニ、ニコロ・カンニッチとともにパリ訪れ、『サロンでの休息』を出品当時パリ住んでいたディエゴ・マルテッリを通してカミーユ・ピサロイタリア出身フェデリコ・ザンドメーネギなど多くフランス画家接触した。しかし、彼は印象派にはあまり関心示さずバルビゾン派画家たち好みエドゥアール・マネコロー賞賛した。 ファットーリはこの頃から個人的に絵画レッスンをするようになり、1869年からはフィレンツェアカデミーで週2回教えるようになったアメデオ・モディリアーニが後にそこの生徒になっている)。それでも彼は経済的困難に陥っていた。自分の描く戦争画がほとんど売れなくなったためである。彼は税金滞納するようになり、フィレンツェ持っていた不動産差し押さえられた。これに加え膝の皿痛めたことが彼をさらに追い詰めた1878年2枚の絵をパリ万国博覧会送ったものの、彼自身参加するだけの経済的余裕がなかった。1870年代後期以降作品荒々しいリアリズムには、彼の絶望感見てとれる。1880年代には馬や牛など田園生活テーマを主に描いた1881年1882年にはマレンマにあるコルシーニ家の領地訪問した。この時の経験は牛の群れテーマとした一連の作品大きく実を結んでいる。これらの作品1887年ヴェネツィア万国博覧会展示された。

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