世界書誌目録とは? わかりやすく解説

世界書誌目録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/28 21:02 UTC 版)

ポール・オトレ」の記事における「世界書誌目録」の解説

世界書誌目録(Repertoire Bibliographique Universel:RBU)は、1895年にオトレとラ・フォンテーヌブリュッセル設立した国際書誌協会(Institut International de Bibliographie:IIB)の活動一環として作成された。国際書誌協会は、知識体系化ようとする百科事典作成試みや、知識統合通じて世界平和発展させるという思想影響受けて設立された、世界中すべての分野学術文献書誌情報把握することを目的設立され機関である。国際書誌協会書誌活動は、第一次世界大戦始まりブリュッセルドイツ軍侵攻するまで続けられた。 世界書誌目録は3×5インチ四方インデックスカードコレクションで、1895年終わりまでに世界書誌目録に収録されインデックスカードの数は40万枚成長し1942年には1560万枚達したインデックスカードは、当時世界有力な図書館冊子体目録個人学協会図書館刊行した書誌収集し、それらを書誌的な単位分解してカード貼り付けることによって作成されたが、対象はそれらの著者ファイル件名ファイルなどの単なる書誌情報とどまらず1905年には視覚資料扱ったイメージファイル1907年には新聞切り抜きパンフレット国際書誌協会あての手紙などの全文ファイル対象となった。オトレは、文献ページ段落文章などの部分書誌的な単位であると考え、それらの部分索引づけて分類した。このアプローチはMonographic Principle呼ばれている。このオトレのアプローチでは、本を構成するさまざまな構成要素インデックスカード分割されており、結び付きのない状態で存在しているが、探索を行う際には「取り外し可能な留め具連結棒などの方法によってすぐに結び付けることができる」という特徴持っている著者順と分類順の2本立てにより、インデックスカード管理された。インデックスカード分類には、初期デューイ十進分類法が、のちにオトレとラ・フォンテーヌ作成した国際十進分類法用いられた。国際十進分類法は、1904年出版作業開始され最初の版1907年刊行された。オトレとラ・フォンテーヌ独創的な点は、図書館目録書誌編纂という従来技術を「文献」という単位起点にして、国際的な文献システムあるいは情報システム作り上げたことであるが、国際十進分類法は「文献」という情報単位処理するための体系として考案された。現在でも、国際十進分類法は、英語圏以外の多く図書館書誌サービス利用されているほか、BBC Archives英語版記事)などの伝統的な図書館書誌サービス以外のいくつかのサービスでも利用されている。 オトレは1856年に、世界書誌目録を利用して検索質問に対して手紙電話回答したり、質問者に適切なインデックスカードコピー送付する有料質問回答サービス開始した。このサービス利用者には、探索結果50以上になるような検索質問送らないようにという注意促されていた。1912年までに、このサービス年間1,500件以上の検索質問寄せられインデックスカード年間コピー枚数1万超えるようになった研究者Alex Wrightは、このオトレのサービスを「アナログ検索エンジン」であると述べている。 オトレは、ブリュッセル国際書誌協会にある世界書誌目録の複製作成し世界中主要都市閲覧可能にするという構想持っていた。1900年から1914年の間に、世界書誌目録の完全版複製を、パリワシントンD.C.リオデジャネイロなどに寄託する試みなされた。しかし、膨大なインデックスカード複製輸送は困難を極めたため、数十万枚上のインデックスカード寄託できた都市はなく、このオトレの構想実現しなかった。

※この「世界書誌目録」の解説は、「ポール・オトレ」の解説の一部です。
「世界書誌目録」を含む「ポール・オトレ」の記事については、「ポール・オトレ」の概要を参照ください。

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