ローマ皇帝崇拝における女神ローマとは? わかりやすく解説

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ローマ皇帝崇拝における女神ローマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 17:26 UTC 版)

ローマ (ローマ神話)」の記事における「ローマ皇帝崇拝における女神ローマ」の解説

ユリウス・カエサル暗殺によって神格化されローマおよび東方植民地の守護神として信仰された。カエサル後継者アウグストゥス内戦終結させ、プリンケプスとなった。そして紀元前30年ごろ、アジア属州ブリタンニアからはアウグストゥス生きながら守護神として祀ることの許可求める声が届いた共和政ローマではヘレニズム的な君主制軽蔑していたが、あからさまな拒絶地方民と同盟国怒らせる可能性があった。そこで、「非ローマ人女神ローマと共にならアウグストゥス守護神として信仰してもよい」という注意深い見解示された。このため神殿が2箇所用意された。すなわち女神ローマ最初期の「皇帝崇拝」の形態吸収された。あるいは東方からの観点では、伝統ある女神ローマ信仰の上アウグストゥス信仰接木するように生じたそれ以降女神ローマ皇帝やその配偶者神聖性を引き立てる役を担うことになったが、ギリシア硬貨図案には女神ローマ中央配し皇帝などを従者のように配したものもある。 皇帝崇拝東方独創性対す実用的かつ巧妙な反応として生じた伝統的宗教要素お色直しして共和政政府混合し元首の下での帝国一体感を示す斬新な枠組み生み出し成功収めた西方ガリアゲルマンケルトには君主崇拝伝統ローマ的な管理体制もなかった。ルグドゥヌムには皇帝崇拝センターができ、ローマモデルとした州あるいは自治体単位議会導入され地元の上階級人々皇帝崇拝神職選挙通して市民権利点享受した。その祭壇女神ローマアウグストゥスのものだったその後女神ローマ西方でも貨幣金石文によく登場するようになった女神ローマ言及する文献少ないが、それは無視されたからではなくあまりにも一般化したためではないか推測される初期アウグストゥス時代女神ローマ生きた皇帝配偶者の上称えられと見られるアフリカ属州では、女神ローマアウグストゥス神殿レプティス・マグナとMactarにあったイタリア半島では6箇所神殿が見つかっている。ラティウムには2つあり、そのうち1つ個人建てたのであるティベリウス時代には、オスティア女神ローマアウグストゥス大きな神殿があった。 ローマ市内での初期女神ローマへ信仰は、ハドリアヌス建設したウェヌスとローマ神殿で、ウェヌスへの信仰組み合わせたのだった。これは当時市内最大神殿で、Parilia という祭りを形を変えて復活させる意図だったが、その祭り女神ローマ東方での祭り倣って Romaea と呼ばれるようになった。この神殿にはヘレニズム風の女神ローマ座像があり、その右手にはローマ永遠性象徴したパラディウムがあった。ローマでは、これは斬新な具現化だった。ギリシアローマ威厳のある女神として解釈したことで、軍事支配象徴だったものが帝国庇護厳粛さ象徴へと変わっていった。 女神ローマ地位不確かなのであるクロディウス・アルビヌスセプティミウス・セウェルスにルグドゥヌムで敗北すると、ルグドゥヌムの神殿から女神ローマ信仰排除された。ローマアウグストゥス新たな抑圧され皇帝崇拝対象となった。Fishwickはこのルグドゥヌムにおける儀礼変化奴隷による家長崇拝類したものと解釈したこのような時期どのくらい続いたのかは不明だが、これは他に見られない独自の発展だった。 その後のさらに混乱した時代でも、例えプロブスドミナートゥスの冠を被った姿を硬貨に描かせているが、裏面ウェヌスローマ神殿描いている。プロブス肖像専制君主主権を示すのに対して女神ローマはその主権あくまでもローマ伝統帝国統一裏打ちされたものであることを示している。

※この「ローマ皇帝崇拝における女神ローマ」の解説は、「ローマ (ローマ神話)」の解説の一部です。
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