ホテルの(客室外の)設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 15:01 UTC 版)
ロビー玄関またはフロントに連続する廊下を兼ねた広間で、宿泊客や施設利用客が応接間や休憩所として利用できる開放的な場所である。大規模ホテルでは喫茶コーナーなどが併設されていることも多い。 ビジネスコート漫画喫茶やネットカフェのパーティションのような施設をビジネスコートと称して客室とは別に用意しているホテルもある。ビジネスコートにはパソコンや広い机、プリンタ、LAN、場合によってはドリンクバーや自販機、毛布の貸し出し等がある。また最近では、ごくまれに漫画の貸し出しや、軽食の提供なども行っている場合がある。 空調ホテルの空調は、大半がセントラルヒーティング方式であり、主としてHigh、Medium、Lowと切り替えが出来るが電気のエアコンのように温度、湿度の微調整は難しい。セントラルヒーティング方式では熱源機で発生した空調用のエネルギーを冷温水または蒸気で各室に搬送するため、ホテルによっては冷温水や蒸気が配管内を流れる音が継続的に聞こえることもあり、神経過敏な人にとってはこれが睡眠や作業を妨げる原因になることがある。さらに館内全体で空気を循環させる方式においては、各客室の空気を一括して循環させるために場合によってはインフルエンザ等の集団感染の恐れがある。 部屋ごとに独立したエアコンを用意している場合でも、室外機が独立していない場合には、季節の変わり目に「寒いが暖房が入れられない」あるいは「暑いが冷房が入れられない」というトラブルがしばしば発生する。 このような空調に関連する不便、不快さは、新しいホテルでは改善される傾向にあるが、値段や新旧に関係せず発生するトラブルであり、また、事前に調べることが極めて難しい(フロントが正確に把握していないことがある)項目の一つである。 まれに、一部民宿のように客室のエアコンが有料サービスのホテル(エアアジア系列のチューン・ホテルズ等)がある。 大浴場日本の温泉地などの観光地では必ずある。現在のシティホテルやビジネスホテルの大部分は各部屋で入浴できるが、部屋での入浴はしにくいとして広い入浴施設を好む人もおり、また、みんなで一緒に入浴したいなど大浴場を好む宿泊客もいるため、一部ホテルでは設置されている。また、温泉地では当然だが、大都市でもボーリングして温泉が引かれている例もある。カプセルホテルはサウナと大浴場がセットになっている場合がほとんどである。 コインランドリーコインランドリーを併設するホテルがある(ただし、スペースの関係で、洗濯機・乾燥機とも数台程度しか設置されないのがほとんど)。洗剤については、自動投入されるホテルとコインランドリー内に併設の自販機またはフロントで購入し、洗濯槽に投入するホテルがある。 駐車場別料金で、1泊あたりの計算の場合が多い。大都市・繁華街に立地するホテルでは提携しているタワーパーキング等周辺駐車場の利用も多い。地方やその観光地周辺の宿泊施設では廉価または無料であるのが普通である。 レストラン(ダイニング)宿泊客に食事を提供する目的で設置される。ビジネスホテルでは朝食のみの提供となるのが一般的。シティホテルでは昼食・夕食も提供する場合が多く、また異なる種類の料理を提供する目的で複数の店舗が入居する。 宴会場(バンケット)結婚披露宴や各種宴会・パーティーなどを行うための部屋。「パーティルーム」「ボールルーム」などと呼ばれる場合もある。宴会以外にも大規模な会議・講演会、試験等の会場などとしても使われる。結婚披露宴需要に対応して、施設内に教会(チャペル)や神社を併設するところもある。 シティホテルでは、調理場をレストラン(メインダイニング)と兼用とすることが多い。 自動販売機市場価格(ホテル外のコンビニ・自動販売機での価格)より割高な場合が多いが、ビジネスホテルでは市価と同水準、もしくは市価より安価の所(東横イン等)も多い。アイスディスペンサー(自動製氷器)や電子レンジが併設される場合もある。 ビジネスセンターパソコンやコピー機・電話などが設置されている。会議室が併設される場合が多く、宿泊者は廉価で借用できる。 クラブフロア・専用ラウンジ高級ホテルの会員組織の会員または提携などで利用が認められた者のみ利用可能な施設。飲料サービスや軽食、チェックイン・チェックアウトがその場で行えるものもある。基本的に正規料金での宿泊者に利用が限定され、会員であっても旅行代理店(予約サイト)からの予約や、宿泊プランを用いての宿泊時は利用不可とする施設も多い。 エグゼクティブラウンジ通常客室とは別の特定階(エグゼクティブフロア等)や、スイートルームの宿泊者のみ利用可能なラウンジで、クラブラウンジと同様のサービスが提供されるものが多い。近年はシングルルームから設定されているものの多い。高級ビジネスマンの利用が多いホテルでは会議室が併設されているケースが多い。 プール・フィットネスクラブ・スポーツジム特段リゾートホテルでなくともこのような施設を付帯していることがある。スポーツクラブ運営企業が施設を賃借して運営するケースが多い。 コンビニエンスストア・売店正確には付加サービスと呼ぶべきではないが、施設内、もしくは近隣にコンビニエンスストアが立地するか否かを重要視する客も多い。深夜・早朝に買い物をしたい場合や、ホテル内レストランや冷蔵庫の商品の価格に抵抗ある客がいるためである。売店は手っ取り早く特産品を買う場所として重要視する例があり、また地場産業にしても宣伝になる。なお、コンビニ併設のホテルでは、ホテル利用者専用の出入口と公道に面したホテル利用者以外の出入口を設けているコンビニがある。 病院(または診療所)利用しない部屋室に併設する。患者には利用客に対応。各施設一部地域により設置しないこともある。
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