第3部『宮古島』編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 07:35 UTC 版)
純と愛はホテル開業に胸を膨らませ、純の母と兄一家と共に宮古島へ戻る。しかし、ホテル開業場所として譲り受けた別荘は、管理は放置された上に不法侵入者に荒らされ、建物内部は廃墟同然であった。地元の業者に工事を依頼するが冷たい対応をされ、開業資金の融資の申し込みに銀行を回るがどこも断られたため、純と愛は牧場でアルバイトをしながら自分たちで別荘の修繕工事をする。開業のコンセプトも曖昧で悠長に構える純に対し、開業準備が一向に進まぬ焦りと自分の力不足を感じた愛は激しくいら立つようになる。そんな中、地元に顔が利く純の母が模合の交渉に回り、近隣住民から資金の協力を得ることが出来る。以来、ホテルのコンセプトも「純から愛(いとし)への愛」に決まり開業準備は着々と進む。 内装工事が一通り終わり、里や勤務時代の同僚二人も開業準備に駆けつけ、両親の離婚で行き場をなくした愛の妹・誠も開業の手伝いの名目でやって来る。愛の誕生日に行われたプレオープンは愛の両親を招待し、待田家は打ち解けて和解し結果は成功。ホテルの名前も祖父が創業したホテルを引き継ぎ、「サザンアイランド」に決定した直後、愛が脳腫瘍を発症して倒れる。手術をしても治る保証はないほど病状は重いために愛は尻込みするが、愛の母・多恵子の説得を受けて手術に臨むことを決意し、手術の結果がどうであろうとホテルをオープン及び運営することを純たちに約束させる。宿泊の予約も入り、手術当日にホテルのオープンを迎えるが、台風でホテルの建物が甚大な被害を受ける。また、手術を終えた愛は、腫瘍が脳幹まで達しているために完全に取りきれなかった結果、目を覚まさなくなる。 ホテルの設備の復旧の目処がたたないこともあり、純は愛の介護に専念し、ホテルのオープンを当面見送ることを決める。様子を見に訪れた元上司や同僚らから説得や懇願されても休業の気持ちは揺るぐことは無かったが、認知症が進行し現状を全く把握できなくなった純の母が、休業中のホテルをかつて自分の父(純の祖父)が経営していたサザンアイランドと思い込んで通い詰めるとともに「まほうのくに」と称して気に入る。これをきっかけに、純は、愛が目覚めなくとも多くの笑顔を作りたい、そして2人の愛の証であるホテルを消してはならないと思い直し、ホテルの復旧に動き出す。 いまだ昏睡状態の愛に対して純は、愛が目覚めるまでに必ずホテルを「まほうのくに」にしてみせると話しかけ、口づけをする。そして愛は目を覚まさぬまま、物語は幕を閉じる。
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