フランクフルト学派と実証主義論争とは? わかりやすく解説

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フランクフルト学派と実証主義論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 02:29 UTC 版)

ドイツ現代思想」の記事における「フランクフルト学派と実証主義論争」の解説

.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} (画像左から)カール・ポパーユルゲン・ハーバーマス 第二次世界大戦後世界は、アメリカ合衆国中心とする西側世界と、ソビエト連邦共和国中心とする東側世界対立する冷戦時代入っていった。このことは、西ドイツ東ドイツ分裂余儀なくされたドイツ思想界に決定的な影響与えた西欧マルクス主義者は、ソ連型のマルクス主義マルクス・レーニン主義その後としてのスターリン主義に対して異論批判的立場を持つ者も少なくなかったが、フランクフルト学派呼ばれるマルクス主義者たちは、アドルノホルクハイマー筆頭に、ソ連マルクス主義のみならず西洋文明における伝統的理論批判し、かかる理論生み出した全体主義批判する批判理論」と呼ばれる新しマルクス主義展開した。これは、ヘーゲルの弁証法基礎に、マルクス主義哲学科学統合し非合理的社会からの人間解放目指すというものであり、フロイト精神分析応用する批判理論は、まず、デカルト的な主観客観二項対立前提としている伝統的理論批判するこのような対立図式支配される客体としての自然を分析して観念する。そのため、学問分析される対象ごとに分断され専門家技術化していくが、諸学問は、人間解放目指すという目的のため統合されなければならないのであるまた、伝統理論世界支配される客体として自然の総体とみるため、現状追認のためのイデオロギーとして機能する。ゆえに、世界は、マルクス主義的な観点から、具体的な自然に対して労働加えて作られたところの歴史的社会的なものの総体として把握されなければならない。さらに、批判理論マルクス主義批判する魔術からの解放合理化目指し近代的な啓蒙の弁証法起源は、マルクス主張したような階級対立ではなく人間自然と生存賭けた闘争である。したがって伝統的な理論信頼してきた理性生に従属する道具的なものにすぎない。ゆえに、近代的な理性伝統社会全体主義導いた真の犯人のであるとする。 1961年ドイツのチューピングンで行われた社会学学会においてカール・ポパー自然科学社会科学共通する方法論に関するテーゼについて報告すると、これに対しアドルノが「社会科学論理によせて」と題する論文批判した。これをきっかけに、いわゆるドイツ社会学における実証主義論争」が始まる。ポパーは、科学疑似科学区別問題にして、どのような現象自己の理論正当化できる材料することができる精神分析マルクス主義批判し、これを疑似科学であるとする立場とっていた。アドルノは、ポパー批判的合理主義実証主義的であるとして、「実証主義」はその理論の「公壊に立ちいって考えることがなければ論理的な時限爆弾抱えることになるとし批判する彼によれば、自身批判する視点なければ実証主義現状追認イデオロギーになってしまうのである。この批判射程には、ウィトゲンシュタイン論理実証主義者分析哲学者含まれる。これに対しポパーは、論理実証主義批判する批判的合理主義をそれと同一に扱い、これを実証主義と呼ぶこと自体反論しアドルノこそ未来ユートピアにおける権力正当性前提現状権力批判すべきと主張しているだけで、実証主義であることに変わりがないと批判した。 この討論について、1963年ハーバーマスが『分析的科学論弁証法』を発表彼によれば、分析的科学論、つまりポパー批判的合理主義批判理論同様に批判という契機含んでいるだけ論理実証主義よりは可能性があるが、命題態度との区別前提にするなどまだ十分でない点が見受けられるのである。これに対しは、ポパー批判的合理主義ドイツ承継したハンス・アルバートが『全体的理性神話』を発表してハーバーマス批判すると、ハーバーマスは更に『実証主義二分された合理主義』を発表して反論した1970年代に入ると、ハンス・アルバートいかなる基礎付けミュンヒハウゼンのトリレンマに陥らざるを得ないとしてカール=オットー・アーペル批判すると、アーペルそのようなトリレンマ論理的演繹によってのみ論証をしたことに基づくもので超越論的遂行論による基礎づけは可能であると反論アルバートは、アーペル基礎付け超越論夢想にすぎない批判し、これにまたもやハーバーマス加わり議論再燃する

※この「フランクフルト学派と実証主義論争」の解説は、「ドイツ現代思想」の解説の一部です。
「フランクフルト学派と実証主義論争」を含む「ドイツ現代思想」の記事については、「ドイツ現代思想」の概要を参照ください。

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