ジャスミンの花言葉
ジャスミンの花言葉には、女性的な美しさを称える意味合いの言葉が多い。そのため、ジャスミンの花は女性への贈り物としてもよく選ばれる。とはいえ「肉欲」のように誤解を招きそうな花言葉もある。
ジャスミン花言葉の由来
#(1)見た目から花言葉がつけられたという説一般的に、ジャスミンの花言葉はその見た目からつけられたとされている。白く、美しい花姿はジャスミンの大きな特徴だ。その見た目は、女性的な魅力を連想させる。そのため、ジャスミンは「優美」といった、女性を称賛するときに使われやすい言葉と結び付けられていった。また、ジャスミンの小ぶりで親しみやすい花びらから、「愛想の良い」「愛らしさ」といった花言葉が派生していったとも考えられるだろう。
#(2)クレオパトラに愛されたという説
古代エジプトの女王、クレオパトラとジャスミンは非常に縁が深い。花言葉の成立についても、彼女の存在は重要だ。ジャスミンの原生地域はインド、ヒマラヤ、カシミールなどではあるものの、古代エジプトでも栽培されていたとの説もある。そして、クレオパトラもジャスミンを愛していたと言い伝えられている。クレオパトラは世界三大美女に数えられるほどの、魅力的な女性だった。ジャスミンはクレオパトラのイメージに結び付けられ、「優美」「官能的」などの花言葉が生まれていった。
#(3)花の香りからつけられたという説
ジャスミンの香りは強く、一度嗅げば忘れられないほどの印象を残す。こうした点から、人の記憶に刻まれるとして「官能的」という花言葉が誕生したとの説もある。
#(4)古代インドの風習からつけられたという説
その香りが気分を高揚させるので、昔の人はジャスミンを媚薬に用いてきた。「肉欲」という花言葉は、ここから来ているといえるだろう。また、古代インドでは愛する人の髪の毛にジャスミンのエキスを塗り込む風習があった。ジャスミンの香りをいつでも感じられることが、パートナー同士の愛の証になっていたからだ。この風習は「あなたは私のもの」という花言葉へと派生していった。
#(5)結婚式との関連からつけられたという説
美しく、サイズも手ごろなジャスミンの花はしばしば、結婚式の衣装にも使われてきた。特に、ジャスミンの花輪をつけて式にのぞむ花嫁の姿は定番だったといえるだろう。やがて、ジャスミンそのものにも「おめでたい花」というイメージが重ねられるようになった。「あなたについていく」「幸福」といった花言葉は、結婚式からの連想でつけられたと考えられている。
ジャスミンの英語の花言葉
英語でジャスミンは「jasmine」と書く。「amiability(愛想のよさ)」「You are cheerful and graceful(あなたはほがらかで気品がある)」などが、英語圏で主に知られているジャスミンの花言葉だ。日本で知られている花言葉と大きくは変わらない。ただ、「あなたはほがらかで気品がある」という花言葉は、よりメッセージ性が強くなっている。ジャスミン色別の花言葉の解説
#白いジャスミンの場合「温順」「柔和」「好色」などが白いジャスミンの花言葉だ。このうち、「温順」や「柔和」などは、愛らしい花の見た目に由来していると考えられる。一方、「好色」はジャスミンの官能的な香りから派生した花言葉だといえるだろう。ここでいう「好色」とは普通に解釈すれば、淫らで節操のない人を指す。それとは別に、「人を惹きつける」という意味も持ち、決して批判的なニュアンスばかりとはいえない。そのため、白いジャスミンを女性への贈り物にしても大きな問題はないだろう。
#黄色いジャスミンの場合
黄色いジャスミンの花言葉は「優美」「優雅」など。また、「しとやか」「上品」などの花言葉が加わることもある。黄色いジャスミンは愛らしい花姿に加え、人目を引く色合いをしている。このことから、大人の女性の魅力を表現する花として用いられてきた。
#ピンクのジャスミンの場合
ピンクのジャスミンの花言葉は「喜び」「愛嬌」など。ピンクという色は親しみやすく、どちらかといえば少女が好む色だといえる。そのため、他の色のジャスミンよりもあどけない意味の花言葉が主になっているといえる。
#紫のジャスミンの場合
紫のジャスミンの花言葉は「浮気な人」「乙女の香り」など。紫のジャスミンには妖艶な魅力があり、花言葉の大人っぽさも増している。また、紫のジャスミンの正式な名称は「アメリカジャスミン」で、花びらの色が変わる特徴を持つ。紫にも白にもなるジャスミンの花びらと、「浮気な人」の気持ちが重ねられたといえるだろう。
ジャスミン本数別の花言葉の解説
本数によってジャスミンの花言葉は変わらない。ただ、メッセージ次第では贈り方に工夫することも大切だ。「愛らしさ」という花言葉を強調したいなら、あえて小さな鉢植えや少ない本数を選ぶのも得策である。そうすることで、ジャスミンの愛らしい花姿が際立つからだ。一方、「優雅」「官能的」なイメージを強調するには、大きな花束を用意するのもひとつの方法である。目立ちやすい黄色いジャスミンも、これらの花言葉に適している。ジャスミンの怖い花言葉
#危ない予感を示唆する花言葉まれであるが、ジャスミンは「誘惑」というメッセージを込めて扱われることがある。ジャスミンは香りが強くて、近くにあると意識せずにはいられないため、それに鮮やかな白や黄色の花弁は遠くからでも目につくためであろう。これらの要素が「強烈な美しさ」を、すなわち異性を誘惑するイメージに結びついたものと考えられる。
「誘惑」には、倫理や道徳も飛び超えて盲目的に求めてしまいかねない危険なニュアンスを伴いがちである。ジャスミンの美しさは心を狂わせる程、という認識が垣間見える。
#「官能的」という花言葉の裏側
ジャスミンの「官能的」という花言葉は一見、手放しに相手を称賛しているようだ。一方で、ジャスミンの花言葉の由来にもなったエジプトの女王、クレオパトラの運命を知ると怖い意味も浮かび上がってくる。クレオパトラはローマで起こったアントニウスとオクタウィアヌスの権力争いに介入した。そして、彼女は美貌を武器にアントニウスを魅了し、オクタウィアヌスと対立した。しかし、権力争いはオクタウィアヌスが勝利し、アントニウスは自害してしまう。アントニウスを愛していたクレオパトラはオクタウィアヌスに屈服せず、自らも死を選んだ。彼女の最期はさまざまな創作物となり、語り継がれていく。
クレオパトラが愛したジャスミンには、しばしば彼女の愛の物語が重ねられる。クレオパトラはジャスミンのように官能的な女性だったからこそ、平和に生きることができなかった。ジャスミンの「官能的」という花言葉には、美しさゆえの悲劇も背景に含まれているのだ。
#「心より同情します」の由来は?
まれに、ジャスミンには「心より同情します」とのメッセージが込められることもある。この花言葉は、ブルージャスミン(別名ルリマツリ)にのみあてはまる。ブルージャスミンの青い花びらが憂鬱やもの悲しさを誘うことから、「同情」の花言葉が生まれたと考えられてきた。さらに、クレオパトラがそうだったように、官能的で優雅な女性は悲劇的な運命をたどることも多い。しかし、彼女たちの多くは自分の魅力を役立てようと努力しただけであり、男性や世の中に翻弄された被害者だともいえる。人々が彼女たちに抱いた同情心がやがて、「心より同情します」の花言葉に変わっていったとの説もある。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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