サハリン島南部からの引き揚げとは? わかりやすく解説

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サハリン島南部(南樺太)からの引き揚げ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 05:40 UTC 版)

引き揚げ」の記事における「サハリン島南部南樺太)からの引き揚げ」の解説

1945年8月当時北緯50以南サハリン島南部住んでいた日本人は約40万人だった。1946年2月2日ソ連最高会議幹部会令により、1945年9月20日遡り南樺太千島土地・施設機関国有化決定され、翌1947年2月25日ソビエト連邦最高会議は、南樺太ソ連編入正式決定した。ソ連占領下生活することになった日本人は、技術者中心として多くそのまま職場に留まった。 ただ密航船による脱出が後を絶たず、宗谷海峡封鎖から公式引揚開始されるまでに住民4分の1近くにあたる約2万4000人が北海道へ逃れて行ったソ連は、技術者か非技術者問わず在留日本人送還には全く興味を示さなかった反面在留日本人に対してロシア人と同じ労働条件、同じ給与、同じ職場与え実生活面では大きな違いはほとんどなかった。樺太は、戦前より米の生産ができず、内地からの移入頼っていたが、ソ連編入により日本切り離され、米の移入途絶えてしまった。 その解決策として、ソ連は旧満州から大豆北朝鮮から米を移入し日本人への配給充てる一方北朝鮮から、漁業林業土木従事者等の朝鮮人労働者送られるようになった日本の敗戦からほどなくしてソ連占領した、旧満州北朝鮮サハリンでは一つ経済圏早くも生まれていた。米国が、占領地植民地在留する日本人本国送り返すことにこだわったが、ソ連逆に日本人送還に無関心であった。 しかし、サハリン千島取り残され日本人引き揚げ望み日本政府GHQに対して引揚促進働きかけた。結局満州地区からの引き揚げ開始され1946年以降サハリン北朝鮮大連ソ連占領地区からの日本人引き揚げ米ソ間で協議されるうになる11月27日には『引揚に関する米ソ暫定協定』、12月19日には『在ソ日本人捕虜引揚に関する米ソ協定』が締結されサハリン千島地区からの引き揚げ開始し1949年7月第5次引き揚げまでに292590人が引き揚げた。 しかし、朝鮮人家族のいた人やソ連足止めされた熟練労働者少なくとも約1500人がサハリンに留まった(京都大学地域研究総合情報センター中山大助教による)。 1956年日ソ国交回復により、日本人800人とその朝鮮人家族1500人が集団帰国したのをはじめ、1976年まで日本人約140人、その家族300人が個別帰国したそれでもなおサハリン残留する日本人にとり、東西冷戦影響のため、祖国は遠いものであった1965年から「サハリン墓参」が始まり、既に日本に帰国したかつての「島民」がサハリン訪ねて来るようになったサハリン残留者にとって離散した肉親消息知りうる貴重な機会になった。しかし、両者墓地等で会うことは黙認されたが、ソ連警察監視下にあり、墓参団に託され肉親からの小包手紙徹底して調べられた。1986年改革政策ペレストロイカ開始され1991年ソビエト連邦の崩壊までの一連のソ連変化により、日ソの厚い壁が崩された。1988年サハリン外国人立ち入り禁止区域解除された。1989年に「樺太同胞一時帰国促進の会」が発足し、同会が国に働きかけ結果1990年には300人を目標残留日本人一時帰国事業始まり離散家族再会実現した。 この事業により1992年までに371人が帰国した。同会は、「サハリン残留全員希望がかなうまで続けて欲しい」との要望をうけ、「日本サハリン同胞交流協会」に衣替えした。延べ3126人が一時帰国し、303人が永住帰国した。一時帰国事業2015年現在続いている。

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