コストダウンを重視した設計方針とは? わかりやすく解説

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コストダウンを重視した設計方針

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 23:17 UTC 版)

福島第一原子力発電所7、8号機の増設計画の経緯」の記事における「コストダウンを重視した設計方針」の解説

1990年代国内外原子力発電建設需要伸び悩みまた、日本政府大口需要家向け電力自由化先立って電気料金引き下げ求めていた。これに対応するため東京電力7・8号機の建設費従来より削減することを決め様々な手を打って行った1995年には高額部材については東京電力直接購入してメーカー支給することとした。この背景として、当時東京電力海外製品活用に目をつけていたことがある。しかし、従来発注方式プラント一式部材調達まで含めて一括発注する方式であったため、受注企業間接的に海外製品奨励することが限度であった。しかし、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の建設に際して試験的にコンデンサーチューブを直接購入したところ従来比較し10%コスト削減達成された。分離発注方式デメリットは、これまで一括発注することによって、メーカー側部材欠陥品質トラブル対す責任取っていたのが、東京電力責任生じてくることで、東京電力品質管理能力問われることになる。それでも1995年当時分離発注方式第一弾として本発電所増設工事適用考えていた。 また、メーカーには建設費30%削減すること求めた。これに応えるため、1998年10月東芝日立建設費削減目的改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の設計標準化することで合意し受注共同実施、その第一弾として本発電所7・8機に狙い定めた両社は共にABWRメーカーであるが細部設計使用資材では異なっていた。設計共通化することで、設計期間を短縮し資材メーカー標準化コスト削減上も有利で建設管理メンテナンス効率化にもつながるからである。ただし、設計共通化だけでは30%削減達成出来ない可能性もあるため、東京電力原子炉系、蒸気タービン系など個別得意な方に割り振る方針同時に明らかにしていた。 採用炉がABWR発表され以降、本発電所での建設に当たり追加更新される具体的な技術仕様等についてはあまり明らかになっていなかったが、一部方針1999年11月17日の『日本経済新聞』で榎本聡明当時常務)が示している。ポイント上述のように建設コスト低減であるが、その方法問題だった。これに先立ち原子力建設部長夏目暢夫(1995年当時)は『日本経済新聞』の取材に対して次のように答えている。従来工法改善し設計見直して設備統合簡素化するなど資材削減してきたが夏目は「こうしたやり方限界に近づいた」と認識し今後の対応策として設計標準化挙げ柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の基本設計そのまま他の地点利用することを視野入れ始めていた。この方法はフランス電力公社1970~80年代から得意としていた手法でもあり、そこから学んだという。その後榎本柏崎刈羽6、7号機の基本設計そのまま流用する候補として本発電所7、8号機を挙げ新規技術の開発控えることを方針として明らかにした。これにより、通常1基当たり約4000億円と見積もられる設計費が約20%削減出来ると見込んだ共通化するコンポーネント下記で、設置許可申請必要な設計項目から選ばれていた。 配管ボイラータービンなど各機器レイアウト 個別機器性能熱・水バランス 災害備えた安全設計 共通設計化による課題としては岩盤の高さで、本発電所の方が柏崎刈羽比較して浅いが、基礎柏崎刈羽と同じ深度まで掘り下げて基礎構築する掘削土量は増加する総合コスト削減できる日経産業新聞2000年1月4日報じたところでは、この時期東京電力2000年3月スタート控えていた大口電力自由化強く意識し全部門でコスト切り下げ検討進めていた。当時原子力部門コスト占め割合46%で火力部門同等であり、IPP独立発電事業者)として新規参入検討していた昭和シェルは「業務用で三割以上は安い販売価格電力会社攻勢をかける」と宣言するなど、その脅威大きく評価された。一方1996年通産省当時)が可能と検討結果公表していたため、新型機の設計工夫するのみならず既存設備60年運転を積極的に進め姿勢見せていた。

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