クレマチスの花言葉
クレマチスは花の色も豊富で、種類も多いが、花の色や種類に応じて固有の花言葉が設定されているわけではない。
クレマチス花言葉の由来
クレマチスは原種だけでも300種ほどあり、日本や中国、アメリカ、ヨーロッパなど世界の国々で見ることができる。花の色も形も多種多様で、その分だけ花言葉も多種多様である。#クレマチスの見た目から花言葉を付けられたという説
クレマチスは、つる植物の一種で人気が高い。つるは細くしなやかなイメージがあり美しいため「つる植物の女王」とも呼ばれている。また細いつるからは想像ができないほどの大きく鮮やかな花を咲かせるのも特徴の一つだ。クレマチスのつるは細いが非常に丈夫であり、花をたくさん咲かせる生命力あふれる花である。細いつるは一見繊細ではかなく見えるが、なかなか切れない強靭さを持ち合わせている。多くの花をつけ、咲き誇る姿も凛々しさを感じさせる。このように、力強さと美しさが感じられる花の見た目から、芯の強いイメージがあり、そこから「精神の美」という花言葉が連想されてつけられたと言われている。
#旅人への思いやりからつけられたという説
ヨーロッパではクレマチスは「乙女の木陰の休息所」という別名も持っている。これは聖母マリアがエジプトへ渡る際、赤ん坊のイエスを抱いてクレマチスの木陰で休んだという逸話からきている。この逸話を受けて、クレマチスには旅人に安らぎを与えるというイメージが持たれているのがポイントだ。このイメージがあるため、ヨーロッパの宿屋では旅人が快適な旅ができるようにと宿屋の玄関にクレマチスを植えたという。宿屋のクレマチスには旅につかれた旅人がゆっくりと休息を取れるようにという願いが込められているわけである。その昔、聖母マリアが旅の疲れを癒したというクレマチス。そのクレマチスを植えることが、宿屋から旅人へ向けられた思いやりの表れだったと言える。長旅の途中で宿屋の玄関にクレマチスを見つけた旅人は、宿屋の気づかいに心からの喜びを覚えたという。このことからクレマチスには「旅人の喜び」という花言葉を持つという説もある。
#クレマチスの別名「乞食草」から付けられたという説
クレマチスにはフランス語で「乞食草」という呼び方もある。クレマチスの美しい見た目からは、かけ離れたように感じる別名だ。なぜこのような別名があるのかというと、フランスでは物乞いがクレマチスを悪だくみに利用していたという逸話があるからだ。このエピソードにちなみ、クレマチスには「策略」という花言葉が付けられたという説がある。
#凛々しい花姿から付けられたという説
クレマチスは花色も種類も多いが、大きく堂々とした花を咲かせるものが多い。また咲いた花が星型の物もあり、きりっとしたシャープな印象を受ける種類もある。真夏の日差しの下でも大きな花を美しく咲かせるクレマチスの姿から「高潔」という花言葉が付けられたと言われている。
クレマチスの英語の花言葉
クレマチスの花言葉を英語で表すと「精神の美」は「mental beauty」となる。その他にも「旅人の喜び」は「Traveller's joy」、「策略」は「artifice」と表現される。「高潔」は「Integrity」や「nobility」、「aristocracy」などと表記されることも多い。クレマチス色別の花言葉の解説
クレマチスは色別の花言葉はない。明確な色別の花言葉は存在しないが、色の持つイメージに近い花言葉と結びつけて花色を選ぶのが一般的だ。クレマチスは花色が多彩で、白・赤色・青色・黄色・桃色・茶色・黒っぽい色など多数ある。その中でも白色のクレマチスは色のイメージから「精神の美」や「高潔」といった花言葉で選ばれる。純粋で気品を感じられる色のクレマチスが「精神の美」や「高潔」の花言葉にふさわしいと考えられている。安らぎを感じさせる青色系の花を咲かせるクレマチスの場合には「旅人の喜び」という花言葉がマッチしている。暗い色味の茶色や黒色の花のクレマチスは「策略」といった花言葉と結びつけられることが多い。クレマチスは明確に色ごとの花言葉が決まっていないので、このように花の色のイメージで連想できる花言葉を組み合わせるケースが主流だ。クレマチスを人にプレゼントする際には、花色と花言葉を慎重に選ぶ必要がある。
クレマチス本数別の花言葉の解説
クレマチスには、本数別の花言葉はないのが特徴だ。なぜクレマチスには本数別の花言葉が存在しないのかというと、もともと切り花や花束にするよりも鉢植えで楽しむのが主流な花の鉢植え、もしくは地植えと言って庭に植えて楽しむのが一般的である。クレマチスは多年草のため、一度花の時期が終わっても、次の年も花を楽しむことが可能だ。種類によっては春と秋の年2回、花を咲かせるものもある。このように、何度も花を楽しむことができる花のため切り花で贈ることは稀である。そのため花の本数ごとの花言葉は存在しない。クレマチスの怖い花言葉
クレマチスはいくつかの花言葉を持っているため、人に贈る際には特に注意したい。クレマチスの花言葉で注意したいのが「縛り付ける」「束縛」「甘い束縛」といった花言葉を持っているという勘違いだ。クレマチスは種類も多いため、クレマチスの中の他の品種の花言葉もクレマチスの花言葉として間違った認識をされることがある。「縛り付ける」「束縛」「甘い束縛」といった花言葉は、正確にはクレマチスのものではない。これらはクレマチスの原種の一つであるテッセンという花のものだ。このテッセンの花言葉がクレマチスと混同されてしまったため誤解が生まれているので気を付けたい。クレマチスの花言葉の中で怖い意味を持つのは「策略」だ。花が好きな人は知っている人も多いが、クレマチスが毒を持っていることを知らない人もいる。クレマチスはプロトアネモニンとサポニンという二つの有毒成分を持っている。プロトアネモニンはキンポウゲ科の植物に良くみられる毒である。プロトアネモニンは肌や粘膜に対しての刺激が強い。サポニンはサボンソウなど多くの植物に見られる毒性だ。これらの有毒成分はクレマチスの葉や茎に含まれている。葉を傷つけたり茎を折ったりした際に出てくる汁が肌につくとかぶれたり水泡ができたりする危険がある。炎症などのリスクを避けるためにも取り扱いの際には軍手などが必要だ。
あやまってクレマチスを大量に摂取すると胃や腸などの消化器がただれたり傷ついたりすることもある。クレマチスのこのような毒性を利用したのがフランスの物乞いだ。物乞いは通行人に同情をかけてもらうために、クレマチスをわざと肌にこすりつけたと言われている。クレマチスの毒性によって、肌が炎症を起こしたり水泡ができたりすることで、みすぼらしい見た目を演出することができるのだ。クレマチスの毒は本物なので演出と言っても本当に肌はただれるのだが、そうまでしても物乞いは施しが欲しかったのだ。物乞いの執念を感じさせるこの策略は恐ろしいほどである。もともと「策略」という言葉自体がネガティブな意味を持っているので、人に贈る際にはこの花言葉だけをピックアップされないように気を付けたい。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
- クレマチスの花言葉のページへのリンク