カフカースへの流刑とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > カフカースへの流刑の意味・解説 

カフカースへの流刑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 01:22 UTC 版)

ミハイル・レールモントフ」の記事における「カフカースへの流刑」の解説

カフカース流される途上ピャチゴルスク鉱泉権力への抵抗現代社会への不満を歌った詩『商人カラーシニコフの歌』を作り上げるカフカース辿り着いたレールモントフ大自然土地山岳民族流刑服すデカブリストジョージアグルジア)の知識人出会い視野広げていった。また、独立のために戦うカフカース人間に強い共感覚えチェチェン人との戦い積極的に参加して手柄立てた現地土匪討伐従軍したレールモントフ戦闘勇気奮い周囲驚かせた。音楽にも秀でていた彼は、この期間に辺境を守るコサック老婆の子守歌聞いて、これを採譜し、ロシア語の『コサックの子守歌』を持ち帰って公開したという逸話残し、この歌は現在も日本を含む世界中で愛唱されている。 1838年2月レールモントフノヴゴロド連隊への移動命じられ、この地に着任する。しかし、2か月経たないうちに、祖母エリザベータレールモントフペテルブルク駐屯する連隊への異動取り付けたペテルブルク移ったレールモントフ小説現代の英雄』の執筆取り掛かるが、この小説レールモントフロシア散文創始者一人という名声もたらすことになる。『現代の英雄』は「余計者」ペチョーリンを巡る5つの話で構成されており、物語ところどころ自伝的な要素含んでいる。1839年1月雑誌"Otechestvennye Zapiski"を主宰するアンドレイ・クライエフスキー(英語版)は、レールモントフ自分雑誌定期的に寄稿するよう提案した。『現代の英雄』を構成する短編のうち、「ベーラ」と「運命論者」の二編が"Otechestvennye Zapiski"の第2号第4号掲載され残り三編1840年出版されると、大い人気博した後世、『現代の英雄』はロシア文学における精神的リアリズム先駆けである古典みなされるようになった1838年ペテルブルク帰還したレールモントフ文学界寵児として社交界から歓迎されたが、傲慢不遜冷淡に見え態度変えることはなかった。この時期モスクワ大学時代同窓生である批評家ベリンスキーレールモントフ長時間会話交わし、彼が偉大な芸術家であることを初めて悟る。ペテルブルクの上階級もたらす浅薄な快楽レールモントフ蝕むようになり、彼の気性の悪い面はより顕著になる女官であり、ペテルブルク流行していたサロン女主人でもあるアレクサンドラ・スミルノワはレールモントフについて、「彼はなんて贅沢な人間なのだろう。切迫した大惨事直面しているように見える。過ちに対して傲慢である。退屈で死にかけ自分自身軽薄さ苛立っているが、こうした環境から解き放たれようとはしない奇妙な男だ、……」と書いている。 レールモントフはソフィア・ステパノワとエミリア・ムシーナ=プーシキナのサロン人気集めていたが、二人気を引こう競い合っている男たちの間に反感引き起こしたフランス大使息子エルネスト・デ・バラントもそうした男達一人であり、1840年初頭レールモントフバラントをステパノワの面前侮辱したバラントレールモントフ決闘申し込みプーシキン致命傷受けたチョールナヤ・レチカとほぼ同じ場所で決闘が行われた。レールモントフ軽傷負い決闘の後に逮捕投獄された。収監されレールモントフ元にベリンスキーなどの彼の詩文崇拝者面会訪れたが、例に漏れず面会者たちもレールモントフ二面的な性格ちぐはぐ難解な気質理解するのに手を焼いていた。 バラントとの決闘事件の後レールモントフは再びカフカース追放されるペテルブルクを去る直前レールモントフ友人たちの前で書き上げたばかりの詩『雨雲』を朗読し、詩の中で延々と続く迫害自身理想から離れた過去の生活を回想し、詩を聞く人間感銘与えた軍功祖母配慮によってレールモントフは数か月休暇認められペテルブルク戻った。すでに刊行されていた詩集影響相まってレールモントフ名声はより高まっており、様々な貴族サロンから珍客として招かれるが、傲慢な異端者という周囲の評価は変わらなかった。舞踏会最中皇族敬意を示さなかったことを理由休暇取り消され、再びカフカース流された。

※この「カフカースへの流刑」の解説は、「ミハイル・レールモントフ」の解説の一部です。
「カフカースへの流刑」を含む「ミハイル・レールモントフ」の記事については、「ミハイル・レールモントフ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「カフカースへの流刑」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カフカースへの流刑」の関連用語

カフカースへの流刑のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カフカースへの流刑のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのミハイル・レールモントフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS