エンジェル・ハイロゥ作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 05:49 UTC 版)
「ザンスカール戦争」の記事における「エンジェル・ハイロゥ作戦」の解説
巨大サイコミュ要塞エンジェル・ハイロゥによって増幅した精神波を地球規模で地球の居住者へ向けて照射し、人類の闘争意欲を消失させることで戦乱を鎮めるのがザンスカールの作戦目的である。広範囲の生物を死に至るまで眠らせ続ける事も可能で、カガチの真の目的はそれによる地球人類の殲滅にあったという説も有力である。その場合、その事実は照射源である女王マリア(とその娘シャクティ)には伏せられていた。また、先の地球浄化作戦はこの作戦の陽動という側面があった。 宇宙世紀0153年6月、その効果を最大限に発揮するため、ザンスカールはエンジェル・ハイロゥを地球上空に降下させながら、その周囲に主力艦隊を展開して守備に当たった。これに対し、リガ・ミリティアと連邦軍ムバラク艦隊の連合艦隊は現有戦力で突破できると判断して包囲し、攻勢に出た。一方、ザンスカール側はこの期に及んで指導者層の私怨や野心が表面化して足並みが乱れ、統一した作戦行動が取れぬまま連合艦隊と各艦隊が個別に戦闘する形となった。 連合艦隊は、まずタシロに捨て駒とされて最前線を守備していたアルベオ・ピピニーデン麾下のラステオ艦隊と交戦、ウッソとの諍いの末に機体を損傷したルペ・シノが上官のピピニーデンを道連れにする形で戦死したことに乗じてこれを破る。その攻防戦の最中、戦力を温存していたタシロ・ヴァゴはギロチンにかけられたカガチへの恨みを忘れないでいた。実は助けるつもりだったというカガチの説得には耳を貸さず、血迷ったタシロは自ら拳銃を抜き、女王マリアを拉致する。だが、タシロの切り札ファラ・グリフォンは宿敵ウッソと対峙し、敗死してしまう。祈りを通じて、感受性の高いガンダムチームの子供達に真の敵は自分の近くにいることを伝えるマリア。その事を感知したタシロはマリアを問い詰め、恫喝し最後には反抗したマリアを射殺した。その事がウッソの逆鱗に触れ、直後にタシロも討たれることとなった。そしてタシロの旗艦シュバッテンを撃破した連合艦隊は勢いに乗じてタシロ艦隊を全滅させるが、エンジェル・ハイロゥの地球降下などによって戦闘は一時中断された。 大気圏内での戦闘再開後、連合艦隊は更にリーンホースJrの特攻によりクロノクル・アシャー指揮下のモトラッド艦隊をも全滅させた。また、クロノクルも艦隊指揮を放棄して自ら出撃、そしてカテジナ・ルースが見守る中、再三の因縁があるウッソとの一騎討ちに臨んで敗死している。なお、リガ・ミリティアの指導者ハンゲルグ・エヴィンはリーンホースJrの特攻直前に失踪して消息不明となり、ムバラク提督もクロノクルによって旗艦ジャンヌ・ダルクの艦橋ごと撃破されて戦死している。 最後に残ったムッターマ・ズガン配下のズガン艦隊の戦力は大きかったが、肝心のズガンが旗艦ダルマシアンごと半壊したジャンヌ・ダルクの特攻を受け、両艦は共に轟沈。その誘爆はズガン艦隊の大半を巻き込み、またダルマシアンから脱出したカガチも、錯乱しマリアの反抗をなじりながら戦火の混乱の中で死亡した。 これによって両陣営は指導者や司令官をことごとく失い、戦闘はただの殺し合いと化して無意味な人死にだけが増えていった。その混乱と修羅場のさなか、ウッソはかつての憧れの人であり、そして今は最強最悪の最後の敵となったカテジナと対峙し、これを打ち破った。一方、マリアに代わって平和を祈るシャクティの力を増幅したエンジェル・ハイロゥは、当初予定されていた性能を超えた超常的な力を発揮、エンジェル・ハイロゥのパーツが分離(一部は再結合)し、勢力の区別なく大部分のMSと艦艇を空の彼方へと連れ去り、戦闘は終結、作戦は失敗に終わった。なお、シャクティ自身は地上の仲間たちの元へ送り返され、共にカサレリアに帰郷している。 物語はそのシャクテイとウッソと仲間たちがカサレリアで暮らしているシーン(そして視力と恋人と帰るべき場所を失ったカテジナが焼け野原となっている故郷へ帰郷するシーン)で終わり、ザンスカール戦争の結末、サイド2のアメリアのザンスカール帝国の末路は作中では描かれていない。
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