ウルトラモンタニズムの復活とは? わかりやすく解説

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ウルトラモンタニズムの復活

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「ウルトラモンタニズムの復活」の解説

ウルトラモンタニズム」も参照 革命期のローマ教皇は、ピウス6世ピウス7世同様にフランス革命軍やナポレオン軍から屈辱的な扱い受けたフランス革命軍はドイツスペインイタリア攻め入って各地教会大打撃与えて各社会を混乱に陥れたが、ローマ教皇庁にとっては予期せぬ結果もたらした面もなくはなかった。革命以前にあってガリカニスム本拠であったフランスでは誰しも革命荒波押しとどめることができなかったため、ガリカニスムそのもの脅威教皇庁の前から消え去ったナポレオン軍ドイツ侵入してケルンをはじめラインラント領邦司教領域を俗下に置いて世俗化敢行した結果ヨハン・ニコラウス・フォン・ホントハイムによって唱えられ18世紀ドイツのカトリック界で一世を風靡したフェブロニウス主義英語版)(教会国家権威従属させようとするガリカニスム似た思想)の基盤はかえって弱まりドイツ司教たちの教皇庁対す依存度を強めたフランスでは革命にともなう社会変動により、聖職者階級絶対王政下で与えられていた社会的地位特権経済的優遇措置のすべてを失ったが、聖職者階級政治に結びつけてガリカニスム体制支えてきたすべての要因消失し世俗主義政権こそカトリック信仰前に立ちはだかる唯一最大の敵であることが、誰の目にも認識されるようになったのであるかくしてカトリック教徒のなかではウルトラモンタニズム呼ばれるローマへ回帰次第強まったウルトラモンタニズムは、世俗主義俗人主義、あるいは唯物論さらには社会主義共産主義など増大しつつある信仰への脅威対しカトリック信徒一致団結してあたらなければならないという気運から生まれた草の根的な広がりをもつ運動となったローマ教皇だけが上記のような脅威対抗しうる指導力をもっているとみなされ結果カトリック教会典礼様式規律習慣ローマ教会のそれに統一すること、ローマ教皇首位権のもとで高度に中央集権化された教会体制実現していくこと、教会社会全体救済責任と権限をもって世俗国家干渉受けないようにすることが必要であると考えられた。この運動当初低位聖職者や一信徒から湧き上がってきたものであるが、やがて19世紀中葉以降ヨーロッパ社会を動かす大きな力のひとつとなっていった。 ピウス7世幽閉から解き放たれると、1789年以降壊滅状態にあった教会再興への強い意欲示し教皇庁再建教会権威復活させるため、精力的に行動した教皇国家回復しナポレオン失脚後ウィーン会議では、各国の代表にヨーロッパ安定のために保守的王政秩序復活肝要であることを訴え1814年には解散させられていたイエズス会復興命じた国内宗教問題に対して管轄権主張していた各国政府とは政教協約締結して教会権益最低限守り外交交渉進めて時代趨勢すうせい)と折り合いをつけながら教会影響力温存した。ドイツでは、プロイセン主体ゆるやかな連邦となりつつある情勢のなか、単一政教協約を結ぶのはかえってローマへ依存低減させ、全カトリック教会統一ドイツ支配下置かれる布石になってしまうものと判断し1817年にはバイエルン1824年にはハノーファーなど、地域ごとの政府政教協約を結ぶ方針をとった。一方領内カトリック教徒服従させようとするプロテスタントプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世とも1821年政教協約結んだ

※この「ウルトラモンタニズムの復活」の解説は、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の解説の一部です。
「ウルトラモンタニズムの復活」を含む「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事については、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の概要を参照ください。

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