ヨーロッパ社会とは? わかりやすく解説

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ヨーロッパ社会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 14:53 UTC 版)

吟遊詩人」の記事における「ヨーロッパ社会」の解説

欧州社会では主に中世10世紀頃から15世紀頃にかけて現れ人々を指すことが多いが、ホメロスなど古代ギリシア時代詩人多く吟遊詩人アオイドスであったまた、ゲルマン叙事詩『ベーオウルフ』成立関与した思われる、スコプと呼ばれたゲルマン系吟遊詩人たちの存在知られている。ケルト人社会では、祭司階級であるドルイドの中の専門職として、彼らの神話歴史法律などを詩歌の形で記憶し伝承する役目特化したバルドバード)と呼ばれる吟遊詩人がいた。 中世欧州文化における吟遊詩人としてのジョングルール低層階級放浪音楽師として8世紀頃からフランス記録現れる。彼らは特に中世歴史的な事件、あるいはその他の場所での史実についての物語広め伝えるために歌を歌った。またその中から特定の宮廷仕え音楽師たちも現れ、彼らをローマ時代からの伝統的な言い回し由来してミンストレルと呼ぶが、ジョングルールミンストレル当時に於いてもしばしば混同されている。また、フランスからドイツ各地掛けてゴリアール呼ばれた放浪学僧たちがいたことも知られている。さらに、イタリア北部ラウダ作り歌いながら伝道していた托鉢修道会修道士たちもまた吟遊詩人といえるであろう11世紀頃になると、南フランス宮廷からトルバドゥール呼ばれた吟遊詩人達が現れたが、彼らの出現イスラム文化圏からの影響とする説がある。トルバドゥールは、主に形式化された宮廷愛、あるいは十字軍主題とする歌を歌いながら各地宮廷遍歴した。彼らは主に城主騎士といった貴族出身の者が多かったジョングルールミンストレルなどには一般民衆出自の者も含まれており、トルバドゥールジョングルールとは地位的に明確に区別されていたようである。イタリア北部スペイン北部でも彼らの活動記録されている。この文化は後にアリエノール・ダキテーヌによって北フランスおよびイングランドへ伝播したが、こちらでは彼らはトルヴェール呼ばれ詩の内容変化していった。ドイツ・オーストリア圏では12世紀頃に、フランスの文化触発されたと思われる、主に騎士たちの中から理念風の愛「ミンネ」を歌うミンネゼンガー現れた。 13世紀以降騎士没落と共にトルバドゥールトルヴェールミンネゼンガーなどの、騎士文化背景とする吟遊詩人終わりを告げジョングルールたちもまた、裕福になった市民階級主催する町の催し活動するようになり、吟遊詩人という座から次第姿を消していった。 15世紀までには既に宮廷音楽は多声化を迎え宮廷楽師専門作曲家たちが、専門詩人たちの詩を元に音楽作る時代になり、ジョングルールたちの歌う素朴な詩歌は完全に過去のものとなっていった。一方イタリアでは、特にフィレンツェヴェネツィアナポリ中心として、16世紀頃までフロットラを歌うカンティンパンカと呼ばれた民衆吟遊詩人たちがいたことが知られている。また15世紀からはヨーロッパジプシー現れ異邦人として差別されながらも、かつてジョングルール務めていた物語伝承や辻音楽師といった姿を今に残している。

※この「ヨーロッパ社会」の解説は、「吟遊詩人」の解説の一部です。
「ヨーロッパ社会」を含む「吟遊詩人」の記事については、「吟遊詩人」の概要を参照ください。

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