イギリスでの第三の道とは? わかりやすく解説

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イギリスでの第三の道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 02:05 UTC 版)

第三の道」の記事における「イギリスでの第三の道」の解説

詳細は「サッチャリズム」および「イギリス病」を参照 マーガレット・サッチャーその後ジョン・メージャー保守党政権による新自由主義政策の下で、政府による富の集権的再配分によって積極的な福祉政策弱者救済を行うという福祉国家モデル次第解体されつつあった。保守党政権市場原理最重要視し、経済政策への政府による介入減らされ民営化規制緩和盛んに行われた結果として長く続いたイギリス病」は失業問題除き概ね克服されイギリスの経済構造大きく改革改善された。一方で高い失業率残り経済格差広がり公共サービス受けられない層が増大していた。 しかし、労働党従来産業国有化方針脱却できず、グローバリゼーションによる市場化の波には対応できないままであったブレア労働党は、保守党市場化一辺倒労働党市場化への適応不足という袋小路陥った状況乗り越える路線として、市場効率性重視しつつも国家補完による公正の確保指向するという、従来保守労働二元論とは異なもう一つ新し路線目指す主張した。これが、イギリスにおける「第三の道」である。 この第三の道における公正は、伝統的社民主義哲学提示する結果の平等ではなく教育充実などの政策立脚した上での、機会平等に重きを置いている。これにより、移民政策にも通じ多様な文化的「差異」を前提としてグローバリゼーションへの対応を指向する具体的に行われた政策としては、保守党重視してきた所得税法人税軽減などを継承する一方で、より社会下層配慮し公正を目指す就労支援公立校改革などを展開すること、また、弱者手当て(ネガティブウェルフェア,依存型福祉)するのではなく家族形成就労含めて社会参加」の動機づけを持つ者を支援(ポジティブウェルフェア,自立福祉)すること、そして、公共サービスでのPPPPublic-Private Partnership)による官民連携、さらに、サッチャーによる中央集権政策への反省から地方自治自立促す地方分権(スコットランド・ウェールズ・北アイルランド各地方地方議会設置)などがある。また、1999年には、英国では初となる最低賃金法導入した。 しかし、労働党サッチャリズム継承した事は、労働組合など従来からの労働党支持者反発離反招き、その為、労働党党員数は、1997年には407000いたものが、わずか6年後の2003年末には215000人と、約19万人も大激減し、約70年前の水準落ち込んだまた、サッチャリズム継承によって格差社会是正上手くいかなかった事は、ニューレイバーに期待して保守党から支持切り替えた新たな支持層離反招いたその結果2005年5月5日総選挙では、それらに加えイラク戦争米国追随した労働党大幅に議席数を減らし2006年5月5日にも地方統一選で惨敗喫した。 更に2009年6月5日地方選では、議席273以上も失い自由民主党 (イギリス)後塵拝し第三党転落するという大惨敗を、欧州議会選挙でも得票率16%で第三党転落1900年結成労働党全国規模選挙ここまでの低得票であるのは1910年以来初めてという、歴史的惨敗喫した結局労働党13年政権維持したが、2010年5月総選挙大敗し政権から退く事になった

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