『ロマンシング サ・ガ』 以降に共通
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「サガシリーズ」の記事における「『ロマンシング サ・ガ』 以降に共通」の解説
『ロマンシング サ・ガ』以降(GB版のリメイク含む)では、モンスターがフィールド上を移動する姿が見えていて、それに主人公が接触すると戦闘に突入する所謂シンボルエンカウント方式を取っている(『アンリミテッド:サガ』のみ接触時以外の視認が原則不可能)。前作までも一部のダンジョンなどでシンボルエンカウントは一部に存在したが、通常はFFシリーズやドラゴンクエストシリーズなどと同様、フィールドを移動中にいつ敵に遭遇するか分からないランダムエンカウント方式を取っていた。 より大きな特徴が、戦闘回数と連動する敵の強さのシステムの導入である(『サガ フロンティア2』を除く)。地域に関係なく、敵の強さの基準を戦闘回数で決定する(次項フリーシナリオ参照)ため、序盤で行動範囲を広げても強敵に遭遇し続けることはない。ただしその反面、格下の相手と戦い安全に鍛える手法がほとんど通用しない。特に『ロマンシング サ・ガ1』『同2』では、逃げても戦闘回数に数えられるため、逃走を繰り返した挙句に初期状態のまま強力な敵が出現し、戦闘に勝利すること自体が困難あるいは不可能となり、ストーリーをある程度進めた段階でクリアが非常に困難になる「詰み」の状態になる可能性もある。それ以外の作品でも、逃げること自体にリスクが存在する。 敵シンボルが消えず逃走直後に再び戦闘になる(『ロマンシング サ・ガ1』『同2』『同3』)。 戦況に応じた交渉が必要でチャンスが限られている(『サガ フロンティア2』)。 敵シンボルは消えるがパーティー人数に応じて誰かのLP(生命力)が減る(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)。 敵シンボルが消えない上に所持金を落とすことがある(『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』) 逃げること自体不可能(『サガ フロンティア』『アンリミテッド:サガ』)。 すなわち、戦闘を避ける手段は主に敵シンボルを避けることになる。作品によっては敵の追跡が厳しいため注意を要する。 また、武器ごとに使用できる「技」や、GB・DS版サガおよび多くのRPGでの魔法にあたる「術」も欠かせない要素である。GB版の頃から武器や能力を直接選択して攻撃するスタイルはそのままだが、武器の種別や術の属性ごとに、系統立てて強い攻撃手段が段階ごとに用意され、それらを選択することでさらに強力な攻撃などを行えるようになった。武器の中には「体術(本来は柔術の異称だが、本シリーズでは素手での格闘技全般を指す)」も含まれる。使い込むことで、技や術を使うためのポイントの上限が上がり、長期戦や強い攻撃をより多く使用できる。 『ロマンシング サ・ガ』『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』では、技に関しては武器を使い込むと、熟練度が増すにつれ威力が高まるほか、それぞれの武器に秘められた技が順に解禁されていく(『サガ3時空の覇者 Shadow or Light』では魔法もこの方法でレパートリーを増やす)。武器ごとに技が異なるため、強力な武器を装備しても技の性能がそれに比例するとは限らない。術に関しては店で購入して覚える形となり、属性ごとに専用の店で代金を支払えば使えるようになる。 『ロマンシング サ・ガ2』以降は、技に関しては武器を使っていると新しい技を突然覚える「閃き」システムを導入した。これにより、武器の熟練度を上げるのではなく、より強力な敵と戦うことで強力な技を閃きやすくなるため、強敵と戦う動機に「技を覚えることでの自己強化」が加わった。また、技は「武器の種別ごとに共通で使える」ため、一度覚えてしまえば上位互換の武器でもそのまま使える。ただし、特定の装備品でしか使用できない「固有技」も存在する。術に関しては前作との大きな変更点はないが、複数の属性系統を掛け合わせ、より強い威力を発揮させる「合成術」が登場している。それに加え、敵からの攻撃を避けられる「見切り」というシステムが登場。敵の攻撃を受けた際に閃いて覚えることが可能。マヒや眠り状態など「身動きが取れない状況」以外なら必ず避けられるため、厄介な敵への強力な対処法になる。 ただし、技・術・見切りともに、一度に装備できる数が限定されているため、多くの攻撃手段を身に着けていても、一度の戦闘中にそれら全てを使えるわけではない。戦う相手によってどの攻撃手段を選ぶか、吟味する必要性も出てきた。閃いた瞬間にキャラクターの頭上に電球が光る演出は、以降の作品でおなじみとなり、戦闘システムは主に小泉今日治が担当している。 戦闘後にはHPが全回復するため、1戦ごとに全力で戦えるが、その分敵は全般的にかなり強化されている。また、HP(耐久力)以外にもLP(生命力)という概念が新たに登場したことも大きな特徴。これは『魔界塔士Sa・Ga』における「ハート(蘇生可能回数)」が元となっており、HPが0になる(戦闘不能)か、戦闘不能中に敵の攻撃を受けると減り、LPが0になると復活できなくなる(あるいはパーティーから離れる)ようになっている。特に初出の『ロマンシング サ・ガ2』ではLP回復手段が限られていたことも、戦闘の難易度上昇に拍車をかけた。 『サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY』では、連携(後述)を行うことによって、装備品などに隠された技が発動する。そのため、強力な技を使いたい場合、装備品などが持つ基本的な性能よりも、連携によって発動する技の性能が重要となる。 他にも、味方の能力を上げたり敵の能力を下げるなどを行う「補助系」の効果が全般的に高く、状態異常の種類も増えている。例えば、無差別に攻撃する「混乱」に加えて意図的な同士討ちをする「魅了」が登場したり、戦闘中に行動できない「眠り」に加えて睡眠現象自体にデメリットがある「悪夢」が登場するなど、多彩な攻撃が可能となったため、戦術の幅が広がっており、同時に高い戦略性が求められる。 戦闘に関連して、資金稼ぎが難しくなったことも特徴である。通常、敵を倒すと資金を入手できるが、(普通に魔物が金などを持っていては不自然であるとの考え方から)『ロマンシング サ・ガ』以降では入手額が少なくなり、全く金を持っていないモンスターも増えた。代わって、イベントクリアの報酬や、敵が時折落とすアイテムの換金、宝箱などの探索が大きな収入源となっている(あるいは宝箱などで入手できる武具が主力となる作品もある)。フリーシナリオの特性上、先の町に進めば強力なアイテムが売られているとは限らないため、計画的に使わないとあっという間に資金が尽きてしまう。
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