《大丈夫ですか》の敬語
「大丈夫ですか」の敬語表現
「大丈夫ですか」は、単純にケガや病気をした相手を心配する場合や、何かに手間取っている方に声をかける時などに使用されますが、気遣って相手の状況を尋ねる場合にも使われる言葉です。そのため、相手の心身を心配して使う場合、またはお手伝いを申し出たい時などは「大丈夫ですか」だけで敬語が成り立ちます。ですが、これで良いか「はい」か「いいえ」の答えを相手に求める場合などは、「大丈夫でしょうか」または「よろしいですか」が正しい敬語表現となります。よって、「大丈夫ですか」は「大丈夫」という言葉自体が何を指しているのかによって、意味も敬語表現も異なる言葉です。「大丈夫ですか」の敬語の最上級の表現
「大丈夫でしょうか」をより丁寧にした表現としては、「よろしいですか」をさらに丁寧にした「よろしいでしょうか」が挙げられます。こちらも相手の選択や答えを伺う場合に使用しますが、「大丈夫」はフランクな表現であり、「よろしいですか」は敬語ではありますが「よろしいでしょうか」のほうがより手寧な敬語表現として成り立つ言葉です。「大丈夫ですか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスシーンで「大丈夫ですか」を使用する時は「よろしいでしょうか」を用いるのが一般的です。ビジネスメールや手紙の例文であれば「次の打ち合わせは〇日の午後でよろしいでしょうか」、「〇〇の件、承りました。後はこちらでまとめてもよろしいでしょうか」などが挙げられます。また、「資料をいただけると助かるのですが、よろしいでしょうか」や「〇〇さんにお会いしたいのですが、休日に連絡を取ってもよろしいでしょうか」なども例文となります。なお、「よろしいでしょうか」は「よろしいですか」よりも丁寧な言葉ですので、相手側に良い印象を与えることもできます。ですので、ビジネスシーンではいつでもこの言葉を使えるように身に付けておくと便利です。
「大丈夫ですか」を上司に伝える際の敬語表現
「大丈夫ですか」を上司に伝える時は「よろしいですか」、または「よろしいでしょうか」を使用するのが無難です。なお、直属の上司や肩ひじの張らない上下関係であれば「よろしいですか」でも十分敬語として通用しますが、それ以外の上司の場合は「よろしいでしょうか」を使用する方がビジネスマナーとしても妥当ですので、相手によって使い分けることも大切なこととなります。例文には、「明日の会議は午後3時でよろしいですか」や「今日は定時で帰りたいのですが、よろしでしょうか」などが挙げられます。
「大丈夫ですか」の敬語での誤用表現・注意事項
「大丈夫」という言葉は「問題ない」という意味を持っているので、例えば「明日の天気は大丈夫ですか」となると、「晴れ」か「雨」のどちらを望んでいるかによって返答は異なります。また、「あの窓、ガタガタしてますけど大丈夫ですか」など窓が割れることを心配しているのか、風が入ってくることを心配しているのか、こちらも答えがはっきりしません。ですので、答えがどっちつかずで曖昧な時に「大丈夫ですか」を使用すると相手に本意が伝わらないこともあります。ただし、気心の知れた間柄の仲間や若い世代では、ニュアンスや空気を読み取って上手く返答することや、曖昧なままでもそのまま受け流すという会話の仕方も存在するので相手によっては細かく気にする必要はありません。
なお、「大丈夫ですか」の敬語表現として「大丈夫でしたでしょうか」という言い方を使う方もいますが、こちらは「でした」と「でしょうか」の敬語が使われているため二重敬語となります。ですので、「大丈夫でしたでしょうか」という言葉は日本語としても間違っていますが、敬語表現としても正しくない言葉です。
また、「よろしいでしょうか」をさらに丁寧にしようとして「よろしかったでしょうか」と言う方も存在しますが、こちらも相手の本意を聞くには間違った敬語表現となります。「よろしかったでしょうか」は過去形のため、過去のことを尋ねる時に使用するには問題ありませんが、丁寧にしようとするあまり、正しくない敬語表現を使わないように注意をする必要があります。
「大丈夫ですか」の敬語での言い換え表現
「大丈夫ですか」の言い換え表現には「問題ありませんか」や「差し支えないでしょうか」、「いかがでしょうか」などがあります。「問題ありませんか」や「差支えないでしょうか」は、ビジネスシーンでも伺う言葉として丁寧な部類に入る表現で、相手の状況をおもんばかる様子が見て取れる敬語となっています。それらと比べると「いかがでしょうか」はややフランクですが、コンパクトにまとめられた敬語として様々なシーンで使うことができる言葉です。例文としては「このスケジュールで問題ありませんか」や「明日の午前に伺っても差し支えないでしょうか」、「こちらのケースと照らし合わせてみましたが、いかがでしょうか」などが挙げられます。
なお、「いかがでしょうか」は相手の心身の状態を心配してかける言葉の「大丈夫ですか」を、言い換える時にも使用することができます。「お加減はいかがでしょうか」や「その後、お怪我(体調)の方はいかがでしょうか」など、相手を気遣う丁寧なお見舞いの言葉の敬語表現は上司や目上の方にも使うことが可能です。
《大丈夫ですか?》の敬語
「大丈夫ですか?」の敬語表現
「大丈夫ですか?」は、相手を心配したり気遣ったりする時に用いられる表現です。語尾が「ですか?」と丁寧な表現であるため、敬語としてビジネスシーンで使用されていることもあります。しかし、「大丈夫ですか?」は敬語ではありません。敬語表現では、「大丈夫でしょうか?」になります。ただし、「大丈夫でしょうか?」という表現は色々な意味に解釈できるため、何に対して心配しているのか分かり辛いことがあります。曖昧さを避けるためにも、「大丈夫でしょうか?」という表現は避けたほうがよいでしょう。ビジネスシーンで「大丈夫でしょうか?」という敬語表現の代わりに、「よろしいでしょうか?」や「いかがでしょうか?」などの言い換え表現が用いられるのが一般的です。「よろしいですか?」も「いかがですか?」も、「大丈夫ですか?」と同様に心配したり気遣ったりする時に用いられる表現であるため、最適な言い換え表現になります。そのほか、シーンに合わせて「問題ございませんか?」や「支障はありませんか?」などの敬語表現が用いられることもあります。
「大丈夫ですか?」の敬語の最上級の表現
「大丈夫ですか?」の敬語の最上級の表現は「大丈夫でしょうか?」になりますが、ビジネスシーンで用いるのは不適切とされることが多いため、「よろしいでしょうか?」「いかがでしょうか?」などが最上級の敬語表現となります。「大丈夫ですか?」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙では、会話の時よりも丁寧な表現を用いるのがマナーです。そのため、「大丈夫ですか?」の敬語表現として、「大丈夫でしょうか?」や「よろしいでしょうか?」などの表現を用いるのが適切になります。また、ビジネスメールや手紙では内容を明確に伝える必要があるため、「大丈夫ですか?」という曖昧な表現ではなく、「問題ございませんでしょうか?」や「差し支えございませんでしょうか?」など、具体的な表現に置き換えて書かれるのがほとんどです。ビジネスメール・手紙での例文
・お世話になっております。打合せ時間の変更の件、〇月〇日14時でいかがでしょうか? ご都合が悪い場合は、今週中にお知らせください。よろしくお願いいたします。
・この度は弊社の製品をお買い上げいただきありがとうございます。1週間ほどご使用されたと存じますが、作動状況は問題ございませんでしょうか?不明な点などございましたら、いつでもご連絡ください。
・日頃から大変お世話になっております。風邪を召されたと伺いましたが、明日の会議は予定通り行って差し支えございませんでしょうか?体調が万全でなく、延期をご希望の場合はお知らせください。
「大丈夫ですか?」を上司に伝える際の敬語表現
「大丈夫ですか?」の敬語表現は、親しい間柄の上司であれば使用しても問題ありません。ただし、丁寧な口調ではあるものの敬語ではないため、「大丈夫でしょうか?」という表現の方が好ましいでしょう。地位の高い上司には、「大丈夫でしょうか?」よりも「よろしいでしょうか」の方が適切です。「大丈夫ですか?」の敬語での誤用表現・注意事項
ビジネスシーンで「大丈夫でしょうか?」という表現を用いるのは間違いではありませんが、使い方には注意が必要です。なぜなら、「大丈夫でしょうか?」と伝えることは、相手の能力に対して疑念を持っていたり、理解しているか再確認していると威圧的に受け取られることもあるからです。特にクライアントに対して用いた場合、相手の経営能力に疑いを持ち、念押ししていると思われることもあります。誤解を生まないためにも、「よろしいでしょうか?」や「問題ございませんでしょうか?」という柔らかい印象の表現を使うのが無難です。また、ビジネスにおいて「大丈夫でしょうか?」という表現を用いる場合、「大丈夫ではない」という答えも想定して発する必要があります。大丈夫でない場合の対策もなく「大丈夫でしょうか?」と聞き、その後の対策や対処に困っては株を下げてしまいます。トラブルに対応できないという烙印を押され、その後の業務にも差しさわりが生じてしまうからです。「大丈夫でしょうか?」という表現は、気軽に用いるべきではありません。
そのほか、体調をたずねる時にも、「大丈夫でしょうか?」という表現は避けるのが無難です。相手の体調が悪いことを公言する形になり、バツの悪い思いをさせてしまいかねません。「いかがなさいましたか?」のように、相手の不調を粒立てない表現を用いるのが適切です。
「大丈夫ですか?」の敬語での言い換え表現
・大丈夫でしょうか?・よろしいですか?
・よろしいでしょうか?
・問題ないでしょうか?
・問題ありませんか?
・問題ありませんでしょうか?
・問題ございませんか?
・問題ございませんでしょうか?
・支障はありませんか?
・支障はありませんでしょうか?
・支障はございませんか?
・支障はございませんでしょうか?
・差し支えありませんか?
・差し支えありませんでしょうか?
・差し支えございませんか?
・差し支えございませんでしょうか?
・可能でしょうか?
・可能でございますか?
・いかがでしょうか?
・いかがでございますか?
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