《大字》の正しい読み方
「大字」の正しい読み方
大字には「おおあざ」「だいじ」「だいのじ」の3通りの読み方がある。読み方によって意味が異なるため、どのような文脈で使用されているのかで判断する。「おおあざ」は地名、「だいじ」は数字に関する意味があるため判断しやすい。「大字」の意味解説
「おおあざ」と読む場合は、市町村などと同様に地域の区画を表している。明治時代に町村を合併した際、以前の名を残すために使用された。大字は村の次に小さな規模の区画であり、さらに小さな区画として小字(こあざ)がある。市町村が「○○市」「○○町」と地域名の後につくのに対し、大字は「大字○○」と地域名の前につく。「だいじ」という読みの場合は、漢数字「一、二、三…」の代わりに用いる「壱、弐、参…」といった文字のことを指す。単純な漢数字の場合、例えば「一」に後から線を加えて「二」や「十」に改ざんが可能である。そのような不正を防ぐため、契約書、請求書などの重要書類で使用されてきた。また、単純に「大きな文字」という意味の場合もある。「だいのじ」と読む場合には「大」という文字そのものを示している。「大」という文字の形を表すこともあり、特に人間が手足を広げて寝る形をいう。また京都の「五山の送り火」の一つである、大の字のかがり火を示す場合もある。なぜ「おおあざ」「だいじ」「だいのじ」と読むのか・理由
もともと「字」には「あざな」「じ」という読み方がある。そこに、「大」の「おお」「だい」が合わさって「おおあざ」「だいじ」などと読まれる。大字は明治時代の町村合併から取り入れられたものだが、地名としての「字」の歴史は古く、江戸時代以前から区画分けの単位として使用されていた。そのため、いつ「あざな」が「あざ」と短縮されるようになったのかは定かではない。「あざな」とは実名とは別につけられた名前のことで、もともとは中国で男子が成人した際につけた名に由来する。一方で「字」を「じ」と読む場合には、言葉を書き記すための記号を表す。「だいじ」「だいのじ」はどちらも文字を示すため、「あざな」ではなく「じ」と読む。「大字」の類語・用例・例文
地域名である「おおあざ」は、住所の中で目にすることが多い。例えば、愛知県名古屋市西区山田町大字富谷字沼田2-1(架空の住所)。このように町の後、番地より前の区画として使用されている。大字より小さな区画は小字であるが、ほとんどの場合「字(あざ)」が使用されている。漢数字の代用となる「だいじ」は、一から十、百、千、万にそれぞれ対応する字が存在する。しかし一般的に目にすることが多いのは「壱、弐、参、拾」である。壱万円、参拾万円といった金額を表す際に多く使用される。「だいのじ」と読む場合の例としては「疲れて布団もかぶらず大字になって寝た」「このベッドは2人で大字に寝てもまだ余裕がある」など、寝そべる様子を表現することが一般的。「大字」が手足を広げることを表しているため「手足を広げて大字になって寝る」とすると意味が重複してしまう。ただし、強調したいときや確実に伝えたいときの表現としては誤りではない。「大字」の英語用例・例文
地域名を表す「おおあざ」は、英語では「Oaza」となる。日本と英語圏とで住所の考え方が異なるため、Oazaは単純に音をアルファベットで表現したものである。ちなみに英語圏での住所の記載方法は日本と逆。つまり番地、字、町、市、県という順番である。例えば先に挙げた架空の住所、愛知県名古屋市西区山田町大字富谷字沼田2-1なら、2-1, Aza-Numata, Oaza-Tomiya, Yamada-machi, Nishi-ku, Nagoya-shi, Aichi-ken となる。市はCity、町はTownとする場合もある。「だいじ」「だいのじ」は漢数字や大という漢字にまつわる意味をもつため、対応する英単語があるわけではない。例えば「大字になって寝る」は英語では「lie at full length(with arms outstretched)」となる。「大」という漢字の形が前提にあるため「手足を広げて寝る」というそのままの表現になる。- 《大字》の正しい読み方のページへのリンク