《体調大丈夫ですか》の敬語
「体調大丈夫ですか」の敬語表現
「体調大丈夫ですか」には、述語に助動詞「だ」・「である」の丁寧語「です」が含まれるため丁寧体の敬語表現です。しかし「体調」のあとに付くはずの助詞「は」が省略されているため、文法としては間違いです。そのため「体調大丈夫ですか」がそのまま使えるのは、フォーマルだが親しい関係性だと考えられます。「体調大丈夫ですか」の敬語の最上級の表現
「体調大丈夫ですか」の敬語の最上級の表現は、助詞の「は」を補って文章の体裁を整えた「体調は大丈夫ですか」を特別丁寧体に言い換えた「体調は大丈夫でございますか」という表現です。「体調大丈夫ですか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙の文章は話し言葉よりも改まるため、文法的に間違っている「体調大丈夫ですか」のままでは使用できません。親しい同僚や上司なら、助詞の「は」を補って「昨日の会議は風邪で欠席だったと聞きましたが、今日の体調は大丈夫ですか」のように使っても問題ありません。「大丈夫」は「問題ない」という意味で使われているので得意先や改まった関係の上司に対しても助詞を補って正しい文法にすれば、理論上は「先日まで入院されていたと伺いましたが、体調は大丈夫ですか」のように使えます。丁寧語は、フォーマルな場で読み手に配慮して使う敬語だからです。しかし文法や敬語の使い方が間違っていなくても、「大丈夫」を使うのはビジネスシーンでは適切ではないとされています。「体調は」という主語があるため「大丈夫」を使っても内容的な曖昧さはありませんが、「体調はいかがでしょうか」とするのが一般的です。「体調大丈夫ですか」を上司に伝える際の敬語表現
「体調大丈夫ですか」を上司に伝える際も、基本的にはメールの場合と変わりません。助詞の「は」を補って、正しい文法に直してから使います。上司に直接伝える場合は「昨日は早退されましたが、今日は体調はいかがですか」や、「暑くて毎晩眠れないそうですが、体調はいかがですか」などのように伝えます。課長に対して部長の話をする場合には「このごろ部長はお忙しいようですが、体調はいかがですか」や、「部長は前回の出張の際に車酔いをされたそうですが、今回の出張では体調はいかがですか」といった使い方が可能です。上司と気の置けない関係性の場合には「カキにあたったと聞きましたが、体調大丈夫ですか」や、「2週連続で週末はゴルフ接待ですが、体調大丈夫ですか」でも許されます。敬語は、関係性や状況によって使い分ける必要があります。「体調大丈夫ですか」の敬語での誤用表現・注意事項
「体調大丈夫ですか」は敬語としては間違っていませんが、文法として間違っているためフォーマルな場では「体調」のあとに助詞の「は」を補って使わなければなりません。ビジネスの文章なら、親しい間柄でも間違っていると認識されます。話し言葉なら「体調大丈夫ですか」でも通じますが、非常にカジュアルな印象を与えます。職場で使うなら、親しい同僚や上司に限定して使う方が無難です。敬語には尊敬語と謙譲語、丁寧語がありますが、敬語は使う対象が異なるだけで敬語の種類によって敬意の度合いが異なるわけではありません。しかし世の中には、丁寧語は敬意の度合いの低い表現だといった誤解があります。また丁寧な断定の「です」に疑問詞の「か」が付いた「ですか」よりも、「です」の未然形に推量の助動詞「う」の付いた「でしょう」に疑問詞の「か」が付いた「でしょうか」の方が丁寧だとみなされているところがあります。人によっては「体調は大丈夫ですか」を敬語ではないと誤解したり、カジュアル過ぎて失礼だと感じることもあるかもしれません。意味や敬意の度合いは同じですが、気になるようなら「体調は大丈夫でしょうか」とすると無難です。
一般的な体調の尋ね方として、「体調はいかがですか」があります。「いかが」は状態や意見などを訪ねるときに使う副詞ですが、「大丈夫」と比較して特に丁寧な言葉ではありません。とはいえ実際に言葉を使うシーンではいちいち説明できないため、相手が言葉に対して敏感な人なら「体調はいかがでしょうか」と言えば問題は起きないでしょう。
「体調大丈夫ですか」の敬語での言い換え表現
「体調大丈夫ですか」は正しい文法の「体調は大丈夫ですか」に直したあとで、「体調はいかがですか」に言い換えることができます。この場合は、「奥様が入院されていると伺いましたが、体調はいかがですか」や、「ゆうべも残業で帰りが深夜でしたが、体調はいかがですか」などという使い方をします。「体調」を言い換えて「お体の調子は大丈夫ですか」や、「お体の調子はいかがですか」などの使い方も可能です。このフレーズを使って「ここのところ出張が続いていますが、お体の調子はいかがですか」や、「退院したばかりなのにもう出社されて、お体の調子は大丈夫ですか」などと上司や同僚を気遣うこともできます。「体調」を言い換える形としては「お加減は大丈夫ですか」や、「お加減はいかがですか」があります。「おたくの◯◯くんが、今日で3日も学校を休んでいると娘が言っていましたがお加減はいかがですか」や、「経理課は数字の入力が多くて腱鞘炎になったと聞きましたが、お加減は大丈夫ですか」などの使い方が可能です。
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