《おかげで》の敬語
「おかげで」の敬語表現
「おかげで」は謙譲表現として認識されており、このままでも敬語として使えます。「○○さんのおかげで新しい道が開けました」のように、文中に入れることで相手を立てる表現となります。日常生活では「おかげで」よりも「おかげさまで」の方が頻繁に使われており、「おかげさまで目標を達成することができました」のように使うと、相手を立てつつ自分の成功を伝えることができます。低姿勢で感謝を示す表現であるため同等の立場の人から目上の人まで、誰に使っても失礼のない表現です。また、「おかげさまで」は文頭や文中で使える表現ですが、「おかげで」は文頭で使うことはできません。そのため、「おかげで」と「おかげさまで」は同様の意味でありながらも使い方が少し異なります。「おかげで」の敬語の最上級の表現
「おかげで」の最上級の敬語表現は「おかげさまで」です。「おかげ」に「さま」をつけた丁寧な表現となっており、最上級の謝辞を示す敬語になります。誰に使っても失礼のない敬語表現で、立場がかなり上の人にも使えます。「おかげで」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメール・手紙においては、「おかげで」や「おかげさまで」のほか、「~のご尽力により」や「~のお力添えにより」、「~のご配慮の下」などの言い換え表現も多用されています。また、ビジネスメール・手紙では口語表現よりも丁寧な表現を使うのがマナーです。#おかげさまでを使ったメール例文
「平素よりお世話になっております。おかげさまで、弊社は創立50周年を迎えることができました。これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。」
#言い換え表現を使ったメール例文
「いつもお世話になっております。新規プロジェクトの件、度重なるご配慮の下、誠に感謝申し上げます。貴社さまのご支援によりまして、成功につなげることができました。」
「お世話になっております。○○さまの並々ならぬご尽力をお受けいたしまして、感謝の極みに存じます。今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。」
「お疲れ様です。この度の昇進の件、○○部長には多大なるお力添えをいただき、誠に感謝申し上げます。今後とも、よろしくお願いいたします。」
「おかげで」を上司に伝える際の敬語表現
「おかげで」を上司に伝える際の敬語表現としては、「おかげさまで」が最も汎用性が高いでしょう。人や状況を選ばず使えるオールマイティな敬語表現で、「おかげさまで希望の部署に配属されました」、「おかげさまで新規クライアントを獲得しました」などのように使います。また、「~のお力添えにより」や「~のご指導の下」などの言い換え表現も、上司に伝える時に使われます。「〇〇課長のお力添えにより企画が通りました」や、「○○さんのご指導の下、取引先との交渉を円滑に進めることができました」などのように表現できます。「お力添え」という表現は、主に社内の人に使う表現となります。「おかげで」の敬語での誤用表現・注意事項
「おかげさまで」は文頭・文中を問わずどこにでも入れられる敬語表現ですが、文脈においての呼応関係に注意して使う必要があります。「おかげさまで、プロジェクトは頓挫いたしました」のようなネガティブな文章にすると、「頓挫したのはあなたのせいだ」と暗に相手を非難するような意味合いになります。使い方を間違えると相手に嫌味を言っていると思われるので、「おかげさまで、プロジェクトは成功を収めました」のようにポジティブな内容で使うようにしましょう。また、「おかげさまで」は文頭や文中に使える言葉ではあるものの、文末に使うことはできません。「○○さまのおかげさまです」のようなフレーズで文末を締めくくるのは誤用となります。そして、「おかげで」や「おかげさまで」は基本的に謝意を込めた敬語であるため、積極的に使うことに問題はありません。しかし、何度も繰り返し使うと形式的に聞こえてしまいます。繰り返し使う場合は、「~のご尽力により」や「~にご助言を賜りまして」など、別の表現と織り交ぜて使うのが賢明です。
「おかげで」の敬語での言い換え表現
・おかげさまで・おかげをもちまして
・~にご尽力いただき
・~のご尽力により
・~のご尽力の下
・~のご尽力をもちまして
・~のご尽力があってこそ
・~のご尽力を賜りまして
・~にご支援いただき
・~のご支援により
・~のご支援の下
・~のご支援をもちまして
・~のご支援があってこそ
・~のご支援を賜りまして
・~のご発展の賜物をいただきまして
・~にお力添えいただき
・~のお力添えにより
・~のお力添えの下
・~のお力添えをもちまして
・~のお力添えがあってこそ
・~のお力添えを賜りまして
・~にご助力いただき
・~のご助力により
・~のご助力の下
・~のご助力があってこそ
・~のご助力をもちまして
・~のご助力を賜りまして
・~にご助言いただき
・~の助言により
・~のご助言をいただき
・~のご助言があってこそ
・~のご助言を賜りまして
・~にご配慮いただき
・~のご配慮により
・~のご配慮の下
・~のご配慮をもちまして
・~のご配慮があってこそ
・~のご配慮を賜りまして
《おかげで》の敬語
おかげでの敬語表現
「おかげで」の敬語表現は、「おかげです」もしくは「おかげさまで」が該当します。「おかげ」にはもともと神仏のそば、すなわち「かげ(陰)」で守ってもらうという意味合いが含まれています。目には見えないものへの感謝の気持ちが込められた「かげ」に、尊敬・謙譲語に属する接頭辞「お」を付けたのが「おかげ」です。そのため「おかげ」は既に相手への敬意や謙譲の気持ちが含まれている語句であり、文中の使用であれば「おかげで」を単独で使っても問題ありません。ただし文末に用いるのであれば、丁寧語である「です」を付け足した方が良いです。これによって、相手への敬意や感謝の気持ちがより深まります。また会話中など話し言葉での敬語表現として、「おかげさまで」もその候補に挙げられます。敬意が含まれた「おかげ」に、丁寧表現である「さま(様)」を付けた語句です。特に上司・恩師など日頃から助力を受けている目上の人から、労いの言葉をもらった際の返答に用いられます。力添え・支援を受けたことで、災厄の回避や心願成就が果たせたことを敬意をもって相手に伝えることができます。おかげでの敬語での誤用表現・注意事項
「おかげで」の敬語表現を用いる際に注意したいのが、文中での使用頻度です。相手からの力添えに対する感謝の気持ちを、低姿勢で相手に伝える言葉です。そのため頻繁に使い過ぎると、嫌味な印象を与えてしまう可能性があるため注意しなければなりません。また「おかげ」には相手がもたらした良い結果にも、悪い影響に対しても使える言葉です。使い方を間違えてしまうと、相手への皮肉となるため慎重に取り扱う必要があります。助力・支援があったからこそ、最善の結果が得られたという文章に用いるように心がけましょう。おかげでの敬語での言い換え表現
「おかげで」の敬語の言い換え表現として、「お力添え」が挙げられます。力を貸すという意味が含まれており、「お力添えをいただき」という文言とともに感謝の気持ちを伝えることができます。後押しして手助けを行うという意味合いがある、「ご後援」も同様に言い換え表現として使用可能です。「お力添え」よりも、かしこまった文章の中で使用できる敬語表現となります。加えて同じく支えて助けるという意味を持つ、「ご支援」や「ご助力」も有用です。「おかげで」は成果が出た後に使いますが、ご後援・ご助力をはじめとした言い換え表現は協力を求める時点、すなわち結果が出る前にも使える表現となります。他にも、「お引き立て」も感謝の気持ちを伝える際に使える表現です。「引き立てる」は、「目にかける・選んで引き上げる」という意味を持つ語句です。「お引き立てにあずかり」の後に感謝の言葉を続けることで、相手に目をかけてもらったことへの謝意を伝えられます。- 《おかげで》の敬語のページへのリンク