《おやすみなさい》の敬語
「おやすみなさい」の敬語表現
「おやすみなさい」は眠る前などに使われる挨拶言葉です。敬語表現は「おやすみなさいませ」となります。「おやすみなさい」の「お」は丁寧の接頭語です。「なさい」は「する」「なす」の尊敬語である「なさる」の命令形で、「ませ」は丁寧語「ます」の命令形です。「おやすみなさい」も「おやすみなさいませ」も「休みなさい」という命令を丁寧に言い換えたものです。日本語の文法では丁寧な命令形は失礼には当たりません。例えば外出先から帰って来た人に「お帰りなさいませ」と言ったり、目上の人に何かを頼む際などに語尾に付ける「~くださいませ」と言ったりするように敬語表現として使われています。
「おやすみなさい」の敬語の最上級の表現
「おやすみ下さいませ」とすると更に敬意のこもった表現になります。「下さい」は「くれ」の敬語表現である「下さる」の命令形「下され」が口語形になったもので、やはり「休みなさい」という命令を丁寧に言い換えたものです。「なさい」も「下さい」も元は尊敬語で、敬意の度合いはほとんど同じですが、丁寧な言葉遣いとして「下さい」の方が一般的に耳に馴染んでいるため、よりかしこまった印象になります。しかし丁寧な命令形という言葉遣いが文法上で正しくとも、命令形であるところが気になるという場合もあるでしょう。そのような際は「お先に休ませて頂きます」のように言い換えることが可能です。この言い方は相手に対して「休みなさい」という意味だったのを、自分が休むという意味に置き換えています。「頂く」は自分がへりくだる謙譲語なので目上の人に対しても安心して使うことができるでしょう。
「おやすみなさい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
夜になってから仕事の内容をメールやラインでやり取りする場合も増えてきています。また遅い時間まで働いた人に「お疲れさま」という意味をこめて「おやすみなさい」とメモや短い手紙で伝えることもあるでしょう。そのような際も直接伝える時と同様の言葉遣いを用います。文の最後に挨拶として書き添えると良いでしょう。・相談にのって頂きありがとうございました。おやすみなさいませ。
・おかげさまで明日の準備を整えることができました。どうぞごゆっくりおやすみ下さいませ。
「おやすみなさい」を別な表現にすることもできます。
・遅い時間までお手数をお掛けいたしました。それでは失礼致します。
・明日もよろしくお願い致します。お先に休ませて頂きます。
なお、ビジネスでのメールやラインなどをあまり遅い時間に送るのはマナー違反に当たることもあります。多くの場合夜間はプライベートな時間であり、いくら丁寧な言葉遣いでも失礼と受け取られることがあるので送る時間帯には注意しましょう。
「おやすみなさい」を上司に伝える際の敬語表現
上司に対しても「おやすみなさいませ」「おやすみ下さいませ」と伝えて問題はありません。例えば泊りがけの出張で上司に「おやすみ」と声を掛けられたら「ごゆっくりおやすみ下さいませ」や、言い換えとして「お先に休ませて頂きます」と返しても良いでしょう。ただし、上司に「おやすみなさい」を伝える場合は注意点があります。それは「おやすみ」が慰労の言葉だということです。相手の疲れを推察して休むようにといたわる言葉は、目上の人が目下の人に対して掛けるものであって逆は本来失礼に当たります。現代では「おやすみなさい」は就寝前の一般的な挨拶言葉であり、上記のように「おやすみ下さいませ」とするなら上司に対して使っても差し支えはありませんが本来の意味も憶えておきましょう。また、余程かしこまった関係の上司に対しては「お先に休ませて頂きます」とする方が無難と言えます。
「おやすみなさい」の敬語での誤用表現・注意事項
「おやすみなさい」は一般的な挨拶の言葉であり、日常の会話に定着しています。丁寧語の「お」が付いているのでそれだけで敬語のようなイメージがあるかもしれませんが、目上の人に「おやすみ」「おやすみなさい」と言われてもそのまま「おやすみなさい」と返してしまわないように注意しましょう。「おやすみなさいませ」など、敬意の段階を上げて返すのがマナーです。また、一般的に夜寝る前に使われる「おやすみなさい」は家族や親しい関係の人同士で使うことの多い挨拶で、親しみをこめた慰労というニュアンスもあります。プライベートな性格のある言葉ですので、相手との距離感を考慮して使うようにしましょう。目上の人に対して使う際に、相手と親しいというよりは少し距離のあるかしこまった関係だという場合に「おやすみなさい」と伝えてしまうと、プライベートに踏み込んできたと感じて不快に思われる可能性があります。この場合もやはり「お先に休ませて頂きます」と言う方が適当です。
「おやすみなさい」の敬語での言い換え表現
・おやすみなさいませ・おやすみ下さいませ
・ごゆっくりおやすみ下さいませ
・どうぞごゆっくりおやすみ下さいませ
・お疲れ様でした
・それでは失礼致します
・お先に失礼致します
・お先に休ませて頂きます
・遅くまでお疲れ様でございました
・遅くまでありがとうございます。
・今日はお疲れ様でございました、ごゆっくりお休みになってください
《おやすみなさい》の敬語
おやすみなさいの敬語表現
「おやすみなさい」を敬語にすると「お疲れさまでした」「お先に失礼します」「お先に休ませていただきます」になります。体を労わってください、ゆっくり休んでくださいなどの意味が込められている言葉なので、敬語に直す際はその点を踏まえる必要があります。また、会話や行動が終わることへの挨拶として用いることもあるので、その場合は「ありがとうございました」が適切な表現です。おやすみなさいの敬語での誤用表現・注意事項
「おやすみなさい」は丁寧な言い方ですが敬語ではありません。命令文である「やすみなさい」に接頭語の「お」を組み合わせた言葉なので、目上の人に用いるのは非常に失礼です。目上の人から「おやすみ」などと挨拶された場合、丁寧に答えるつもりで「おやすみなさい」と返すのは社会人としてあるまじき行為と言っても過言ではありません。また、命令文なので家族や親しい友人相手でも使うタイミングには注意する必要があります。暮らしの中で何気なく使う挨拶なので問題はないように思えますが、実際は頭ごなしに言う命令文でもあります。使う相手を選ぶことから、安易に口にするような言葉ではありません。おやすみなさいの敬語での言い換え表現
「おやすみなさい」の言い換え表現の中では「お疲れさまでした」がもっとも無難な言葉です。おやすみなさいとお疲れさまでしたはどちらも相手の体を労わる意味があります。また、お疲れさまでしたには相手を敬う意味があるので、他人からおやすみなさいと言われた際はお疲れさまでしたと返答するのが賢明な判断です。自分から挨拶する際はお疲れさまですと言うのが正しい表現です。その場から去る意味でおやすみなさいと言いたい時は「お先に失礼します」と言い換えます。この表現は文字通り、自分から先に去る場合に使うものなので相手が先に立ち去る状況で使うことはできません。相手から挨拶された場合は「お疲れさまでした」と返すのが正しい言い方です。挨拶としておやすみなさいと言う状況で感謝の気持ちを込めつつ敬語に直す場合は「遅くまでどうもありがとうございました」が相応しい言い方です。自分のために時間を割いて対応してくれたことへの感謝の気持ちを正しく表現している言葉になります。「遅くまで」には自分のために時間を割いてくれたという意味が込められているので、実際に遅い時間までいたかどうかは関係ありません。「ありがとうございます」と現在形で表現するのも間違いではありませんが、この言い方では挨拶の後もしばらくは時間を割く状況が続くように解釈されることもあります。- 《おやすみなさい》の敬語のページへのリンク