《お元気ですか》の敬語
「お元気ですか」の敬語表現
「お元気ですか」はある程度の期間顔を合わせていない相手に対して、近況や健康状態などを気遣う意味で使われることが多い表現です。親しい付き合いの友人や同僚に対する挨拶としては問題ありませんが、ビジネスシーンにおいてはより丁寧な表現を使用したほうがいいでしょう。「お元気でお過ごしですか」と言えば多少かしこまった印象になります。相手が元気であることを前提として、問いかけの形にせず「お元気でお過ごしのことと存じます」としてもいいでしょう。「お元気ですか」は「いかがお過ごしですか」「お変わりありませんか」といった敬語表現に言い換えることもできます。それぞれ「日々の暮らしぶりはどうか」「以前と変化がないか」といった意味になりますが、どちらも手紙やメールの文頭において儀礼的な挨拶としてよく用いられている表現です。「いかがお過ごしですか」は時候の挨拶と併せて使われることが多く、「お変わりありませんか」は日常会話でも使いやすいフレーズです。語尾を変えて「いかがお過ごしでしょうか」や「お変わりございませんか」とすればより丁寧な印象になります。
「お元気ですか」の敬語の最上級の表現
「お元気ですか」に代わる敬語の最上級の表現としては、「ご健勝のこととお喜び申し上げます」「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」「いよいよご発展のご様子と存じます」などがあります。「健勝」は健康で元気なことを表す言葉です。「清祥」には相手の健康や幸せを喜ぶといった意味があります。「ご健勝」と「ご清祥」は人に対して用いる表現であるため、企業などの組織に向けては使えません。対して「ご発展」は、企業や団体がより一層栄える様子を指して「貴社のますますのご発展を~」のように使われます。ほかにも「ご清栄」や「ご活躍」といった表現が使われることもあります。「ますます」「いよいよ」「一段と」などの副詞と、「お慶び(お喜び)申し上げます」「存じます」「拝察しております」などの敬語表現を組み合わせることで、どれも多様な言い方ができます。
「お元気ですか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「お元気ですか」を表す敬語を取り入れた、ビジネスメールや手紙で使える例文を紹介します。・日増しに冷気加わるこの頃、○○様はお元気でお過ごしですか。
・うららかな好季節を迎え、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
・ここ数日は暖かい日が続いておりますが、いかがお過ごしですか。
・しばらくご無沙汰しておりますが、お体お変わりありませんか。
・寒さの中に春の気配を感じるころとなりましたが、ご一同様いかがお過ごしでしょうか。
・○○様におかれましては、ますますのご健勝のこととお喜び申し上げます。
・時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
・貴社におかれましてはいよいよご発展のご様子と存じます。
「お元気ですか」を上司に伝える際の敬語表現
長期出張などで久しく会っていない上司に対して、「お元気ですか」と伝えたい場合もあるかもしれません。その際の敬語表現としては「お元気でしょうか」「いかがお過ごしですか」などを使うといいでしょう。相手が上司であっても、社内メールにおいては時候の挨拶はもちろん、かしこまった書き出しは不要です。簡潔で分かりやすく、丁寧になりすぎない表現を心がけましょう。「お元気ですか」の敬語での誤用表現・注意事項
「お元気ですか」を敬語で表現する際には気を付けたほうがいい誤用や注意事項があります。「お変わりございませんか」をより丁寧に表現しようとして、「お変わりございませんでしょうか」としてしまうのは間違いです。「ございません」「でしょう」という2つの丁寧語が重なっており、二重敬語となるからです。
「お元気でお過ごしですか」や「お変わりありませんか」などは、相手と最後に会ってからある程度の期間が空いた場合に使える表現であり、頻繁に顔を合わせている相手に対して使うと不自然になります。また、当然初対面の人にも使えません。
ほかにも「ご健勝」や「ご清祥」といった言葉を、病気や怪我をしている人や、相手が喪中の場合に使うことは失礼にあたるので避けましょう。「お慶び申し上げます」も喪中の期間にはふさわしくないとされています。
「お元気ですか」の敬語での言い換え表現
「お元気ですか」は「お風邪など召されてはおりませんか」や「体調など崩されてはおりませんか」のような敬語表現で、より具体的に言い換えることもできます。夏の暑さ・冬の寒さが厳しい時期や、季節の変わり目などに使いやすい表現です。「連日猛暑が続いておりますが、体調など崩されてはおりませんか」のように、時候の挨拶に続けて使うのがいいでしょう。体調を崩して休んでいる相手などに対しては、「お加減いかがでしょうか」や「お体の具合はいかがですか」といった表現が使えます。実際に調子や健康状態を尋ねるという意味もありますが、それよりも相手を気遣い心配していることを示すために使うフレーズです。「体調を崩されているとお聞きしました。くれぐれもお大事になさってください」のような文章でも、体調を気遣うニュアンスが出ます。
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