《お休みなさい》の敬語
「お休みなさい」の敬語表現
「お休みなさい」の敬語表現は、「お先に失礼いたします」「お先に休ませていただきます」です。「お休みなさい」は丁寧な言葉ですが、親しい間柄で用いる言葉なので目上の人に用いてはいけません。そのため敬語として用いる場合には、「お先に休ませていただきます」のような謙譲語にして用いるのが良いでしょう。謙譲語とは、目上の人に対して敬意を示すために、自分自身の行為をへりくだって表現する言葉なので、目上に人に対する敬語として使っても問題ありません。「お休みなさい」とは、「お休み」と「なさい」という2つの言葉が組み合わされた言葉です。「なさい」という言葉は、命令語もしくは指示語なので、敬語として用いると相手に失礼になります。
ただしホテルや旅館などのサービス業においては、「お休みなさい」を用いても相手に失礼にはなりません。接客業である場合はお客様に用いる慣用語として問題なく用いる事が可能です。「お休みなさい」の前に「ごゆっくりと」「どうぞ」、語尾に「ませ」と付けると丁寧な印象を与える事ができます。同様の意味として「ゆっくりとお寛ぎ下さいませ」という表現を用いても良いでしょう。
親せきや知人などの間柄の場合でも、「お休みなさい」または「お休みなさいませ」を用いても失礼には当たりません。尊敬の意味を強めたい時には「それではどうぞお休みなさいませ」と表現すると良いでしょう。さらに文頭に「遅くまでお付き合いいただきありがとうございました」などの言葉を付けるとより丁寧な印象を与える事ができます。
「お休みなさい」という言葉は、基本的に身近な人や家族に対して用いる言葉なので、相手との距離感を伝える事ができる言葉でもあります。そのためビジネスシーンで用いることは不適切ですが、家庭的な感覚を持てる相手に対して用いることは失礼には当たらないのです。
「お休みなさい」の敬語の最上級の表現
「お休みなさい」の敬語の最上級の表現は、「お先に失礼いたします」「お先に休ませていただきます」の前後に、「遅くまでありがとうございました。」や「お声をかけていただきありがとうございます。」などの言葉を添えると良いでしょう。これらの言葉を付け足すことで、相手をより敬う意味合い、もしくは相手を高める意味合いが強調されます。文末に「○○様もどうぞゆっくりとお休みになってください」と付け加えても、敬語としての表現を強める事ができます。又、よりきちんとした印象を与えたいときには、「お先に休ませていただきます」の後に「それでは失礼いたします」と添えると良いでしょう。
「お休みなさい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「お休みなさい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文は、「拝復夜分遅くに失礼いたします。○○の用件を確かに承りました。私にまでお知らせいただきましたことを深く御礼申し上げます。明日には○○の件を進めていきたいと思っておりますので、○○様もどうぞご自愛ください。それでは、お先に失礼いたします。」となります。ビジネスメールや手紙の内容によっては、「夜遅くまでありがとうございました、お先に失礼いたします。また明日もどうぞよろしくお願いいたします。」のように簡易に用いても良いでしょう。
ビジネスメールの際には、もし相手が「今から寝ます」と伝えてきたときでも、決して「お休みなさい」と返信してはいけません。相手に敬意を示すためにも、必ず「お先に失礼いたします」という謙譲語を用いてください。
「お休みなさい」を上司に伝える際の敬語表現
「お休みなさい」を上司に伝える際の敬語表現も、尊敬語と同様に「お先に失礼いたします」「お先に休ませていただきます」のような謙譲語に直して用います。言葉の前に「それでは」と付けると、より上司に対して用いる言葉としては適切になります。「お休みなさい」を上司に伝える際の敬語表現としては、「お疲れ様でした」もよく用いられる言葉です。ただし基本的には、目上の人に対してねぎらいの言葉はかけません。そのため「お疲れ様でした」という言葉自体を、敬語として用いることには賛否両論があるので「お先に失礼いたします」という表現を用いるほうが間違いないでしょう。
「今夜は冷え込むようですので、くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください 」などを言葉の最後に添えると、より相手を尊重する印象を与える事ができます。
「お休みなさい」の敬語での誤用表現・注意事項
「お休みなさい」の敬語での誤用表現・注意事項は、「ご苦労様」です。「ご苦労様」という言葉は目下に言う言葉なので、決して敬語ではありません。たとえ語尾に「です」や「でした」、または「でございました」という言葉を添えたとしても、尊敬語として用いてはいけない表現です。「お休みなさい」の敬語での言い換え表現
「お休みなさい」の敬語での言い換え表現は、「ゆっくりとお休みになってください」「どうぞお休みください」です。ビジネスシーンでは、「遅くまでありがとうございました」や「○○様もお体をご無理なさらぬようにしてください」のように相手を慮る言葉を用いると、適度な距離感を保ちながらも相手によい印象を与える事ができます。《お休みなさい》の敬語
「お休みなさい」の敬語表現
「お休みなさい」を直接的な敬語表現にする場合、「お休みなさいませ」という形になります。「お休みなさい」は命令形の言葉で、相手に休むことを促しています。そして、敬語の要素が含まれていないため、「ませ」を付け足して敬語にします。そうすると、丁寧な対応が必要な場面でも問題なく使用することができます。ただ、「お休みなさいませ」の「なさい」の部分には、命令の意味合いが残っています。そのため、目上の人に対して使用する敬語としては望ましくありません。したがって、「お休みください」という形に変えた方が無難です。そうすれば、謙譲の意味を持った敬語となり、誰に対して使用しても特に問題はなくなります。また、「お休みくださいませ」という形にすると、より丁寧な表現となります。「お休みなさい」の敬語での誤用表現・注意事項
「お休みなさい」は子どもが親に使用する言葉でもあるため、目上の人に対して使っても良いという誤解を持たれがちです。しかし、「お休みなさい」はまず、敬語ではないということを覚えておきましょう。そして、敬語表現をするさいには、状況に合わせて「お休みなさいませ」と「お休みください」を使い分けることが大切です。自身と対等あるいは目下の人が相手の場合は「お休みなさいませ」、目上に対しては「お休みください」を使用するのが基本です。ただ、「お休みなさいませ」と「お休みください」はいずれも、形式的な表現として受け取られがちです。そのため、場合によっては、全く異なる言い換えをした方が良いかもしれません。「お休みなさい」の敬語での言い換え表現
「お休みなさい」は基本的に、夜遅くまで会話のやり取りをしていた状況で、別れの挨拶として使用します。そのため、他の挨拶表現として言い換えることができます。代表的なのは「お疲れ様でした」で、言葉こそ異なりますが、夜に使用するのであれば、意味としては「お休みなさい」と大差はありません。「お疲れ様でした」は目上と目下のどちらに使用しても問題ないため、幅広い状況に対応できます。ただ、あくまでも身内に対して使用する言葉なので、ビジネス相手などに使用するのは望ましくありません。ビジネスシーンなど、より丁寧な対応が必要な場合で「お休みなさい」と同じ意味を伝えたいのであれば、「失礼いたします」「ありがとうございました」などを使用すれば問題はありません。いずれもやり取りの締めくくりで、別れの挨拶として用いることができます。そして、使用する時間帯が夜であれば、「お休みなさい」とほぼ同義となります。そもそも「お休みなさい」は、休むことを促す意味合いはそこまで強くはありません。したがって、全く異なる表現に置き換えることが可能です。- 《お休みなさい》の敬語のページへのリンク