母語 日本人にとっての「母語」と「母国語」

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母語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 00:35 UTC 版)

日本人にとっての「母語」と「母国語」

母語は「その人が幼少期より自然に使っている言語」であり、一方母国語のほうは「母国の国家語」である。

日本で生まれ育った日本人では、殆どの場合「母語」が「母国語」として一致しており、これは世界的には比較的珍しいことと言える。

日本人と言っても、ブラジルで暮らしている日系ブラジル人にとっては母語はさまざまである。日系ブラジル人1世にとっては母語は日本語である。だが、日系ブラジル人2世の場合は、さまざまである。ブラジルで育った日本人は、「母語が日本語とブラジルポルトガル語の2言語」という状態になる場合が多い。どちらが第一言語かは、家庭環境や、年齢にもよる。幼いころは第一言語が日本語で、青年期を越えるころには第一言語がブラジルポルトガル語になっている可能性が高い。

日本人と言っても、日系ブラジル人3世の母語は、ほぼ間違いなくブラジルポルトガル語になっている。「母語はブラジル・ポルトガル語だけ」になっている可能性も高い。日本語は、あくまで外国語でしかなく、「片言」でしか話せなくなっていることが多い。こうなると日本語はもはや母語ではない。(さらに日系4世になると、たいていは「知っている日本語単語は20~30個程度。文章も、こんにちは、ありがとうございました、など簡単な挨拶くらいしか言えない」という状態になる。漢字も全然読めず、なんとか憶えた日本語単語もひらがなを使わずアルファベットで音を覚えただけ、というような状態になる。)

在日韓国・朝鮮人の多くは日本語を「母語」としているが、日本は「母国」ではないので、日本語は「母国語」ではない[2]


  1. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典【母語】mother tongue, native language
  2. ^ 在日朝鮮人2世である徐京植は、「在日朝鮮人2世として日本で生まれ育った私にとって、母語は日本語である。朝鮮語は私の母国語であるが、母語ではない。」と述べている。徐京植母語と母国語の相克」(PDF)『人文自然科学論集』第126号、2008年11月26日、33頁、2012年2月8日閲覧 
  3. ^ 徐京植は、「「親語」といった用語をあてるべきだが、今のところ一般的に用いられる適切な代案がない」と述べている。徐京植母語と母国語の相克」(PDF)『人文自然科学論集』第126号、2008年11月26日、54頁、2012年2月8日閲覧 
  4. ^ 中島和子 (2003年). “問題提起「JHLの枠組みと課題-JSL/JFLとどう違うか」”. 母語・継承語・バイリンガル教育研究会. 2012年2月8日閲覧。


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