大正製薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/28 01:18 UTC 版)
本社社屋 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
略称 | 大正製薬 |
本社所在地 |
日本 〒170-8633 東京都豊島区高田三丁目24番1号 |
設立 | 1912年(大正元年)10月12日 |
業種 | 医薬品 |
法人番号 | 4013301006867 |
事業内容 |
大衆薬 医薬部外品 |
代表者 |
上原明(代表取締役会長) 上原茂(代表取締役社長)[1] |
資本金 | 298億400万円 |
決算期 | 3月 |
主要株主 | 大正製薬ホールディングス:100% |
関係する人物 |
石井絹治郎(創業者・初代社長) 石井輝司(元社長) 上原正吉(元社長) 上原昭二(元社長) |
外部リンク |
www |
会社概要
概要
1912年(大正元年)10月、石井絹治郎が「大正製薬所」を設立。1928年(昭和3年)に株式会社に改組後、1948年(昭和23年)5月、現商号に変更。
1955年7月に「ワシのマーク」の社章を制定。鎮咳去痰薬「パブロン」(1927年発売)や目薬「アイリス」(1957年発売)などの市販薬、栄養ドリンクのロングセラー「リポビタンD」(1962年)や発毛剤「リアップ」(1999年発売)の製造発売元として広く知られる。一般の薬局やドラッグストアで市販される大衆薬ではトップシェアを誇る。
2001年(平成13年)9月に田辺製薬(現・田辺三菱製薬)との経営統合が発表されたが、同年12月に白紙撤回。2011年10月1日、単独株式移転により持株会社の「大正製薬ホールディングス株式会社」を設立し、当社はその子会社なった。
2012年10月をもって、創業100周年を迎えた。
経営理念
健康と美を願う生活者に納得していただける優れた医薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社会から支持される方法で創造・提供することにより、社会へ貢献する[2]。
スポーツへの協賛
- 2001年から「日本代表オフィシャルスポンサー」を、2016年から「日本代表オフィシャルパートナー」を務めラグビー日本代表チームをサポートしてきた。2020年4月1日から日本ラグビー協会 (JRFU)「ラグビー日本代表トップパートナー」に就任している[3]。
- 2020年4月1日からJリーグクラブ 浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)とパートナー契約を締結した[4]。
- 2020年6月17日、日本テニス協会(JTA)のオフィシャルスポンサー契約締結[5]。関連して全日本テニス選手権及び全国選抜高校テニス大会への特別協賛。
- ワールドラグビー女子大会「ラグビーワールドカップ2021(playing in 2022)」オフィシャルトーナメントパートナー就任[6]。
- 2022年1月1日からニュージーランドラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーに就任[7]。オールブラックスを筆頭に、15人制代表(男子・女子)、7人制代表(男子・女子)、マオリ男子15人制代表(マオリオールブラックス)、男子15人制代表セカンドチーム(オールブラックスXV)、20歳以下男子15人制代表 各チームへの協賛を行う[6]。
- ラグビーワールドカップ2023(フランス大会) オフィシャルサプライヤー就任[6]。
- 2023年9月8日、Jリーグ・ジュビロ磐田のサポーティングカンパニーになる[8]。
沿革
- 1912年(大正元年)10月 - 泰山堂薬局を経営していた石井絹治郎が「大正製薬所」を創業。
- 1928年(昭和3年)5月 - 株式会社に改組。
- 1946年(昭和21年) - 上原正吉が社長に就任。
- 1948年(昭和23年)5月 - 大正製薬株式会社に社名変更。
- 1953年(昭和28年)6月 - 皮膚病薬「ダマリン」シリーズ発売。
- 1955年(昭和30年)7月 - 「ワシのマーク」を採用、風邪薬「パブロン」シリーズ発売。
- 1957年(昭和32年)9月 - 目薬「アイリス」シリーズ発売。
- 1960年(昭和35年)10月 - 鎮痛剤「ナロン」シリーズ発売。
- 1962年(昭和37年)
- 1963年(昭和38年)
- 6月 - 一社提供番組『大正テレビ寄席』(NET → テレビ朝日)放送開始。
- 9月 - 東京証券取引所第2部上場。
- 1965年(昭和40年)2月 - アンプル入りかぜ薬事件により、アンプル入りかぜ薬「強力パブロン」販売終了。
- 1972年(昭和47年)4月 - 三菱グループ及び住友グループと業務提携。
- 1974年(昭和49年)
- 7月 - 総合研究所竣工。
- 10月 - 温感鎮痛プラスター剤「カプシプラスト」発売。
- 1976年(昭和51年)
- 3月 - 「ワシのマークの大正のゴキブリゾロゾロ・ローキャッチ」発売。長いネーミングと、滝口順平の独特のナレーションによるTV-CMが話題に。
- 4月 - 「ワシのマーク」の正章と略章を廃止し、肉太に修正した「統一章」を制定し使用開始。
- 1966年(昭和41年)8月 - 東京証券取引所第1部上場。
- 1977年(昭和52年)4月 - 本社新社屋竣工。
- 1978年(昭和53年)
- 長年使用してきた殺虫剤ブランド「ワイパア」を「大正」ブランドに変更。これを皮切りに「ダマリン(皮膚病薬)」「パレン(胃腸薬)」なども、「大正」ブランドに切替(以降1980年(昭和55年)後半まで、新商品名に「大正」を冠けることが多くなる)。
- 6月 - 一社提供番組『大正テレビ寄席』放送終了。
- 8月 - 「大正漢方胃腸薬」「大正胃腸薬」発売。
- 10月 - 一社提供番組『演歌の花道』(東京12チャンネル→テレビ東京)放送開始。
- 1983年(昭和58年)3月12日 - 上原正吉名誉会長死去。
- 1987年(昭和62年)
- 9月 - スイッチOTC[注釈 2]かぜ薬「パブロンS錠」(基準外成分2種配合)発売。
- 11月 - 痔疾治療薬「プリザS」(静止型坐剤)発売。
- 1988年(昭和63年)1月 - スイッチOTC[注釈 2]水虫薬「ダマリン液」「ダマリン」発売。
- 1989年(平成元年)3月 - ゴキブリ用誘引駆除剤「コンバット」発売。
- 1990年(平成2年)10月 - スイッチOTC[注釈 2]解熱鎮痛薬「ナロンエース」発売。
- 1991年(平成3年)6月 - 抗生物質「クラリス錠200」発売。
- 1992年(平成4年)12月 - ミニドリンク剤「ゼナ」発売[注釈 3]。
- 1997年(平成9年) - P&Gヘルスケアグループから便秘薬「コーラック」の日本国内の製造販売権を譲受。
- 1998年(平成10年)7月 - 当社の物流サービス部を分社化し、株式会社大正製薬物流サービスを設立。
- 1999年(平成11年)4月 - 規制緩和に伴いコンビニエンスストアなどでリポビタンD(医薬部外品)の販売開始。ジェネリック医薬品の販売を行うメドウェル大正株式会社を設立。
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)9月 - 田辺製薬(現・田辺三菱製薬)と株式移転により共同持株会社「大正田辺ファルマグループ」を設立し、経営統合すると発表。しかし、医薬品事業の主導権をめぐり両社間で争いとなり、同年12月に経営統合を見送った(事実上の破談)。
- 2002年(平成14年)
- 5月 - P&Gから日本国内で販売している口腔咽喉薬「ヴイックス メディケイテッド ドロップ」の無期限使用権を取得。卸経由での販売を経て、2003年(平成15年)1月から自社ブランドとなる。
- 9月 - 富山化学工業の第三者割当増資を当社が引き受け、持分法適用関連会社化。同年10月に当社の医療用医薬品の販売を同社と共同出資により設立した大正富山医薬品株式会社へ移管。
- 2003年(平成15年)
- 7月 - 当社保有の不動産の一部を現物出資し、完全子会社の目白不動産株式会社を設立。
- 10月 - P&Gと「ヴイックス ヴェポラッブ」の販売総代理店契約を締結。2004年(平成16年)1月から販売を開始。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)4月 - 株式取得により養命酒製造を持分法適用関連会社化。
- 2008年(平成20年)
- 1月 - 大正ビジネス総研を吸収合併。
- 3月 - ビオフェルミン製薬を株式公開買い付けにより連結子会社化。
- 10月 -
- 富士フイルム、大正製薬及び富山化学による戦略的資本・業務提携で基本合意[10]。
- 富士フイルムホールディングスが所有する富山化学工業の株式の一部を譲受。富山化学工業は大正製薬と富士フイルムホールディングスの共同出資会社となる(合弁会社化)。
- 2009年(平成21年)
- 2011年(平成23年)
- 9月 - 持株会社制移行に伴い、東京証券取引所上場廃止。
- 10月3日 - 単独株式移転により大正製薬ホールディングス株式会社を設立、持株会社制へ移行[11]。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
- 3月28日 - 当社が保有していたビオフェルミン製薬の全株式を現物配当により親会社の大正製薬ホールディングスへ移管。
- 2015年(平成27年)
- 4月7日 - エナジードリンク「RAIZIN(ライジン)」の取り扱いを開始。
- 2017年(平成29年)
- 1月25日 - ロラタジンを日本で初めてスイッチOTC[注釈 2]化したアレルギー専用鼻炎薬「クラリチンEX」を発売。
- 4月1日 - キョーリン製薬ホールディングス株式会社から同社子会社だったドクタープログラム株式会社の全株式を取得し、完全子会社化[14]。
- 10月1日 - 大正製薬ホールディングスグループのビオフェルミン製薬が製造する一般用医薬品・医薬部外品の販売を武田薬品工業から移管(同社への販売権付与から当社での直接販売に移行)し[15]、当社で「新ビオフェルミンS錠」をはじめとする「ビオフェルミン」シリーズの取り扱いを開始(直接販売への移行に伴い、既存のデザインをベースに「ワシのマーク」が付いた新デザインとなる)[16]。
- 2022年(令和4年)4月1日 - 子会社のドクタープログラム株式会社を吸収合併。スキンケアブランド「トリニティーライン」の製造・販売を引き継ぐ。
- 2024年(令和6年)3月 - 4月8日に薬局で購入可能な日本初の内臓脂肪減少薬「アライ」を販売することを発表[17]。
注釈
- ^ 1976年(昭和51年)に「大正殺虫ゾル」に変更。2000年(平成12年)に白元へ商標権を貸与した後「ワイパア」の名称が復活した。しかし、2014年(平成26年)に白元が経営破綻し、アース製薬傘下入りし発足した白元アースには継承されず生産を終了、親会社・アース製薬の方針に則り「アースジェット」に集約された。
- ^ a b c d e f g 医師の処方箋なしで購入できる一般用医薬品のこと。「Over the counter drug」カウンター越しに販売する薬品が由来
- ^ 当初、パッケージには「気・血・精ドリンク」と表示されていたが、厚生省や東京都から(漢方薬でないにもかかわらず)漢方としての効き目を謳っていると指摘されたため、1993年3月からはこの表示を外した[9]。
- ^ ただし朝日放送テレビのみ同番組はドラマL優先の編成上の都合で2022年4月以降放送日と時間が異なる。
- ^ 途中土曜21時枠ドラマ枠中断中の「ザ・サスペンス」や「日本が知りたい」を含む
- ^ 1987年10月以降は土曜22時枠へ移動し1991年4月以降は土曜22時の情報番組枠
- ^ 移動前の最終は「オールスター感謝祭2021春」で移動後の初回は「パパジャニWEST春のSP」だった(いずれも2021年春の特番提供)。現在同業者のロート製薬とTOSHIBAに交代した。
- ^ 2006年10月からはブルボンとUCC上島珈琲(〜2008年3月)→ 第一三共株式会社(2008年4月〜2009年9月) →同業者の小林製薬(2009年10月〜同年12月) → KEIRIN(2010年1月〜同年9月) → あいおいニッセイ同和損害保険(2010年10月〜2012年3月) →KDDI(2012年4月〜2023年3月)→ テンプスタッフ(2023年4月~)に交代。
- ^ 現在はマツダに交代。
- ^ 現在は同業者のロート製薬とTOSHIBAに交代。
- ^ 現在はマクドナルドに交代。
- ^ a b c d e f g h 町村合併の年月日については杉戸町#歴史を参照されたい。
- ^ ただし、明治製薬は明治期の創業ではなく、昭和に入ってからの創業である。
出典
- ^ “ご挨拶”. 大正製薬株式会社. 2020年4月21日閲覧。
- ^ “経営理念”. 大正製薬株式会社. 2020年4月21日閲覧。
- ^ “ラグビー日本代表トップパートナーに就任”. 株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー (2020年4月1日). 2020年4月21日閲覧。
- ^ “【浦和】大正製薬とパートナー契約締結 クラブとコラボしたリポビタンD販売へ”. スポーツ報知. (2020年3月31日) 2020年4月22日閲覧。
- ^ “日本テニス協会(JTA)のオフィシャルスポンサーに決定|大正製薬”. 大正製薬. 2021年12月16日閲覧。
- ^ a b c “大正製薬、ニュージーランドラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーに就任|大正製薬”. 大正製薬. 2021年12月16日閲覧。
- ^ “大正製薬がNZラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーに オールブラックスなど支援 | ラグビーリパブリック” (2021年10月8日). 2021年12月16日閲覧。
- ^ “新規クラブスポンサー契約締結のお知らせ(大正製薬株式会社)”. www.jubilo-iwata.co.jp. 2023年9月8日閲覧。
- ^ 「ミニドリンク剤CMで業界に波紋」『朝日新聞』1993年4月16日付東京夕刊、15頁。
- ^ “富士フイルム、大正製薬、および富山化学による戦略的資本・業務提携の基本合意について”. 富士フイルム富山化学株式会社 (2008年2月13日). 2020年4月21日閲覧。
- ^ 単独株式移転による持株会社の設立に関するお知らせ (PDF) - 大正製薬株式会社 プレスリリース 2011年5月13日(2020年4月22日閲覧)
- ^ 『大正製薬ホールディングス株式会社の子会社である大正製薬株式会社の簡易株式交換による株式会社トクホンの完全子会社化に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大正製薬ホールディングス株式会社、2012年4月27日 。2020年4月22日閲覧。
- ^ トクホンOTC医薬品の販売開始について - 大正製薬ホールディングス株式会社 プレスリリース 2013年6月28日(2020年04月22日閲覧。)
- ^ 『キョーリン製薬ホールディングス株式会社の連結子会社であるドクタープログラム株式会社の株式取得に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大正製薬ホールディングス株式会社、2016年12月26日 。2020年4月22日閲覧。
- ^ 『大正製薬株式会社-武田薬品工業株式会社間におけるビオフェルミン製薬株式会社 一般用医薬品・医薬部外品の販売に関する契約終了のお知らせ』(PDF)(プレスリリース)大正製薬ホールディングス株式会社、2017年1月31日 。2020年4月22日閲覧。
- ^ 『鷲のマークの「ビオフェルミンシリーズ」新登場 10月より大正製薬の直接販売へ変更』(PDF)(プレスリリース)大正製薬株式会社、2017年10月17日 。2020年4月22日閲覧。
- ^ “日本初の内臓脂肪減少薬を4月に販売”. 2024年3月5日閲覧。
- ^ (日本語) リポビタンTVCM「3つの炎」篇_30秒 2023年7月27日閲覧。
- ^ (日本語) リポビタンD『次へ向かうチカラ』篇30秒 2023年7月27日閲覧。
- ^ a b (日本語) リポビタンD 「ラグビー日本代表×ALL BLACKS」篇 90秒 2023年7月27日閲覧。
- ^ (日本語) リポビタンTVCM「ショット」篇_15秒 2023年7月27日閲覧。
- ^ (日本語) リポビタン未来応援プロジェクト2022×東北エリア 2023年7月27日閲覧。
- ^ (日本語) リポビタン未来応援プロジェクト2022×北海道エリア 2023年7月27日閲覧。
- ^ (日本語) そんなあなたにリポビタンDX「月曜&目覚め」篇 30秒(2023) 2023年7月27日閲覧。
- ^ 株式会社ジャパネットブロードキャスティング (2022年12月13日). “PGAツアー2022-2023シーズンの大会を、 BS放送BSJapanext(263ch)で全国無料放送・アプリでの同時配信決定!”. 株式会社ジャパネットホールディングス. 2023年2月4日閲覧。
- ^ “沿革”. 大正製薬株式会社. 2020年4月22日閲覧。
- ^ 「「大正製薬」ロゴマークの由来・意味」『ブランド・社名・ロゴマーク由来辞典 -β版-』 2020年4月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「1 総説 - 杉戸町 平成21年」『杉戸町ホームページ』 (PDF) 2021年8月3日閲覧。
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