大月隆寛
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「つくる会」への入会と除名
「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)には1996年の創会時に漫画家の小林よしのりへの共感から入会し[9]、1998年2月には2代目の事務局長になったが、その翌年、会長の西尾幹二から解任される。神経症が原因での活動休止を経て療養した直後の脱退(除名勧告)であった。
大月は「つくる会」の活動が完全な右寄りになることを問題視しており、「つくる会」のシンポジウムにおいて「と学会からトンデモ史研究者(原田実)を呼ぶ」「イベントとして餅まきを行う」など、会側のイデオロギーからずれた活動を続けたことが問題視されたようである[10]。
札幌国際大学の懲戒解雇問題
2007年から札幌国際大学で教授として教鞭を執っていたが、2020年6月29日に懲戒解雇処分を受けた[11][12]。
大月自身の説明によると、同大学では2019年度から日本語能力が十分でない留学生の不適切な受け入れが指摘されていたが[13]、前学長の城後豊や大月などが是正を求めて執行部と対立していたという[14][15][16]。
大月によれば、留学生の受け入れに主導的な役割を果たした嶋貫和男[17]は、文部科学省で前川喜平の側近であった[18]。
大月は懲戒解雇処分は不当だとして札幌国際大学を相手取り教授としての地位の確認などを求めて提訴した。2023年2月16日、札幌地方裁判所は「解雇は合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない」として、大月の請求を全面的に認めた[19]。同年12月27日、札幌高等裁判所で和解が成立した。和解内容は明らかにされていない[20][21]。
人物
- 阪神競馬場が自宅の近所にあったため、小学生時代から競馬好きとなった[22]。
- 田口ランディが金井美恵子『ページをめくる指』(2000年9月、河出書房新社)の書評を『週刊文春』に書くと、『サンデー毎日』12月17日号の「大月隆寛のハナマル書評通信簿」にて「皆の衆、よっく聞け。本日ただいま、田口ランディも速攻で金井美恵子の軍門に降った(笑)」「ネットから生れた新世代の才能、てなところがウリの田口ランディなるオバハン(でいいよな)は、何のこたあない、つまりは金井美恵子に代表される程度のいまどきのブンガクに速攻でシッポふりまくる、ヘタレでイナカモンで根性なしの古典的俗物」と論じた。
注釈
出典
- ^ 『ネット界の暴力デブ太郎とひろゆきが語る「2ちゃんねる」の功罪』、正論2003年6月号
- ^ 山田五郎対談集『20世紀少年白書』世界文化社より。
- ^ “越境と抵抗新評論”. 新評論. 2021年8月4日閲覧。
- ^ 村山恒夫 (2022年4月16日). “やってきた2冊の本から吹いてくる風”. しらさぎだより(33). 新宿書房. 2022年8月10日閲覧。
- ^ TomoMachi (1078066800). “■”. 映画評論家町山智浩アメリカ日記. 2021年8月4日閲覧。
- ^ 小谷野敦との対談「だから大学ってダメなんだよ」『論座』2000年9月
- ^ 弁護士ドットコム. “懲戒解雇された大月隆寛元教授、札幌国際大に勝訴”. www.bengo4.com. www.bengo4.com. 2024年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月17日閲覧。
- ^ 大月隆寛ほか. “BSマンガ夜話ニューウェーブセレクション”. ci.nii.ac.jp. ci.nii.ac.jp. 2024年1月18日閲覧。
- ^ “「新しい歴史教科書をつくる会」にも一時参加。”. www.zakzak.co.jp. www.zakzak.co.jp. 2024年1月18日閲覧。
- ^ 『あたしの民主主義』毎日新聞出版、2000年2月。
- ^ 札幌国際大、大月隆寛教授を懲戒解雇 運営法人批判の会見に同席 毎日新聞2020年6月30日
- ^ king-biscuit [@kingbiscuitSIU] (2020年6月29日). "ワレ懲戒解雇手交サルヽ(゚∀゚)ノ". X(旧Twitter)より2020年6月30日閲覧。
- ^ 留学生急増で混乱 日本語能力に問題/入学後育てる 札幌国際大、一部教員反発毎日新聞2020年3月31日
- ^ king-biscuit [@kingbiscuitSIU] (2020年6月29日). "昨年来外国人留学生の入試を不適切なやり方で実施し「N2」(日本語能力の基準)に足りない若い衆を見境なしに入れて定員水増しやっとったのに前学長らが気づき対処しようとしていたのに法人側が学長を解雇しようと策動、前学長致し方なく外部関係部署に通報&報道にも暴露したという概略の次第ひとまず。". X(旧Twitter)より2020年6月29日閲覧。
- ^ king-biscuit [@kingbiscuitSIU] (2020年6月29日). "しかし、前学長は任期満了で解任に追い込まれ退職慰労金も剥奪、4月からは全部法人側言いなりの理事や学内体制になり事実上法人独裁、文科省以下外部もその後何も言ってこないから大丈夫、と多寡をくくったのか懲りもせず9月入学の外国人入試を実施している真っ最中。". X(旧Twitter)より2020年6月30日閲覧。
- ^ king-biscuit [@kingbiscuitSIU] (2020年6月29日). "以上、ワレ交戦中、ノ背景概略ナリ。 残留戦力中堂々ノ被害担当艦トシテ勇戦敢闘シアルナリ。". X(旧Twitter)より2020年6月30日閲覧。
- ^ “「懲戒解雇」以後――嶋貫和男という「盾」”. 大月隆寛. 2021年5月14日閲覧。
- ^ 「かくて私は教授を『クビ』になった」大月隆寛、地方大学の窮状を語る(2/2)ニューズウィーク日本版2020年7月9日
- ^ “札幌国際大教授の懲戒解雇「無効」の判決 学長の告発会見同席めぐり”. 朝日新聞. (2023年2月16日) 2023年2月19日閲覧。
- ^ “札幌国際大教授解雇訴訟、札幌高裁で和解成立”. 北海道新聞. (2023年12月27日) 2024年1月7日閲覧。
- ^ “札幌国際大の解雇無効訴訟が和解”. 共同通信. (2023年12月27日) 2024年1月7日閲覧。
- ^ 山田五郎対談集『20世紀少年白書』世界文化社より。
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