原動機付自転車 法規制

原動機付自転車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/12 10:25 UTC 版)

法規制

道路交通法上の原動機付自転車(前述)を公道上で運転するため、必要な運転免許証原動機付自転車免許で、16歳から取得が可能である。試験は学科試験の筆記試験のみで、技能試験は必要ないが、事前または事後に運転免許試験場、警察署、指定自動車教習所などが主催する技能講習を受けなければ、運転免許証が与えられない。事前に技能講習を受講しなければ学科試験の申し込みができない地域もある。なお、小型特殊免許以外の運転免許を受けている場合も、原動機付自転車を運転できる[2]

道路交通法では二輪車で排気量が50cc超のものは自動二輪車(普通自動二輪車一種)として扱われるため、50cc超125cc以下の第二種原動機付自転車は、原動機付自転車免許をはじめ、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかの運転免許を受けているだけでは「無免許運転」となり、運転できない。

他の自動車と比べた場合の主な違いは、政令で定める最高速度が30km/hで[注 2]、交通整理が行われている交差点で法が定める条件[注 3]に該当する場合に『二段階右折』が義務づけられる点である[3]

道路運送車両法等による、登録の必要がないリヤカーを牽引して走行することが認められているが、積載量や車両寸法、最高速度に制限があるほか、条例により、運行に条件がつく場合がある。

ヘルメット着用は、1986年(昭和61年)より義務づけられた。1970年代後半から、ヘルメット着用義務のない手軽な乗り物としてスクーターを中心に急速に普及したが、それに伴い交通事故が増えたことにより、ヘルメット着用が義務づけられることとなった。

保安基準

自動車に準じて道路運送車両の保安基準が定められている。タイヤ、ブレーキ、エンジン装置、消音器等は自動二輪車のミニチュア版の性能が求められているほか、保安基準に適合する前照灯、番号灯、後部反射器、警音器後写鏡を備えなければならない。なお、最高速度[注 4]が20km/h以上の原動機付自転車については、尾灯、制動灯、方向指示器速度計を備えなければならない[4]また、輸入車を含めて排気ガス規制をクリアしなければならない[5]

電動の小型車両等に対する規制

エンジンやモーターなど動力を用いる車両は、原則としてその出力(上述の排気量、定格出力など)により自動車または原動機付自転車に分類されるため、セグウェイや軽量の電動自転車(フル電動のもの)など、一見オートバイやスクーターに見えない車両であっても、道路を運転する場合には、前述の法規制のほか、以下の重い規制と違反行為に対する罰則が適用される。

例外

エンジンやモーターなど動力を用いる車両で、前述の自動車または原動機付自転車扱いとならないものは、以下に列挙するものであって、以下の基準を完全に満たすものに限られている。

法規に対する意見

スクータータイプのものに関して、幹線道路において30km/hの法定速度を守って走ると、かえって危険であるとして、原動機付自転車の法定速度を引き上げる要請や[7]、小型二輪免許を現行よりも簡略化して、原付二種(50ccを超え125cc以下のオートバイ。ただし、側車のない場合)の普及を促進する提案がある[8]

あるいは原動機付自転車免許を、簡略化した普通自動二輪車免許(小型限定)と統合して、小型の二輪車の売り上げの回復を計る提言もある[9]。さらに別の意見として、原付一種も原付二種も運転としては変わらないので、原動機付自転車免許と普通自動二輪車免許(小型限定)を統合した上で、普通自動車・準中型自動車・中型自動車・大型自動車・大型特殊自動車の付帯免許として、売上の回復を図る提言もある[10]




注釈

  1. ^ 道路交通法施行規則には三輪「以上」のものとあるので、一見すると四輪以上でも該当しうるように思えるが、実務上は、四輪以上のものは「内閣総理大臣が指定する」範囲には含まれていない。
  2. ^ 道路交通法施行令第三章第十一条より。30km/hを超える最高速度が指定されている道路であっても、30km/h以下で走行しなければならない。
  3. ^ 片側(一方通行の場合は道路全体)が三車線以上で「原動機付自転車の右折方法(小回り)」の標識が無い場合、又は、車線数に関わらず「原動機付自転車の右折方法(二段階)」が設置されている場合
  4. ^ 保安基準における「最高速度」は、法規制速度の事ではなく、車両の性能上の最高速度の事である
  5. ^ 小型自動車(登録ナンバー車)格であれば、道路運送車両法違反(未登録運行罪)にも問われる。
  6. ^ 道路外出入りのための横断や、駐停車のために規定の路側帯に入る場合を除く
  7. ^ それぞれ罰則あり

出典

  1. ^ ウェブアーカイブ - 日本自動車工業会「二輪車販売台数の内訳(2012年時点)」
  2. ^ 道路交通法第八十五条
  3. ^ 道路交通法第六節第三十四条第五項
  4. ^ 道路運送車両法第四四条、および道路運送車両の保安基準第六十二条の三より。
  5. ^ 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示”. 自動車交通局 技術安全部環境課 (2012年10月1日). 2020年1月19日閲覧。
  6. ^ 『セグウェイ』は整備不良…50万円の罰金命令 - Response.jp
  7. ^ 規制改革集中受付期間/全国規模での規制改革要望に対する回答への再検討要請(様式1) (PDF) (p.4「原動機付自転車の最高速度制限の緩和」管理コードz0100070)
  8. ^ 二輪車特別委員会の調査提言書「二輪車の利用環境デザイン」 (PDF)
  9. ^ 八重洲出版 雑誌 モーターサイクリスト 2009年5月-11月号の集中連載記事「50ccはいらない?」第1回~第7回。二輪販売業関係者の提言は第5回と第6回、二輪車特別委員会委員長の免許制度の技能講習案の詳しい説明は第7回
  10. ^ 「クルマの免許で125ccバイクまで」の是非を問う
  11. ^ バイクの二人乗りの条件。原付や子供の二人乗りは禁止?高速はいつから乗れる? チューリッヒ保険
  12. ^ 自動二輪車の二人乗りで高速道路を通行できますか? 中日本高速道路株式会社
  13. ^ アキヨシ カズタカ『げんつき 相模大野女子高校原付部』株式会社KADOKAWA、2013年1月。ISBN 484014785X
  14. ^ トネ・コーケン『スーパーカブ』株式会社KADOKAWA、2015年5月。ISBN 4041056632


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