【SA-8】(えすえーはち)
旧ソ連軍が開発した全天候型自走式短射程地対空ミサイル。
本家ロシアでは9K33「Оса(オサー)(スズメバチ)」、NATOコードではSA-8「ゲッコー」と呼ばれる。
開発は1960年から開始され、1972年から量産化が開始。翌年にソ連陸軍への部隊配備が開始された。
一般公開されたのは、1975年のモスクワの赤の広場開催された年次パレードである。
SA-8は、BAZ-5937 6x6シャーシを台車としており、車両は水陸両用でNBC兵器防護対策もしている。
能力的にはそれまでの従来のソ連製自走地対空ミサイルと違い、完全な自立機能をそなえており、単独でレーダーによる索敵・追尾・交戦が出来る。
ミサイルは初期は4発・後期は6発(コンテナ入り)搭載、誘導方式は赤外線誘導で前方からの攻撃もでき、ランチャーは360°回転可能。
レーダーの索敵距離は25Kmで、ミサイルでの最大交戦距離は10kmである。なお、別車両のロング・トラック索敵レーダー搭載車や、シン・スキンB測高レーダー搭載車とリンクさせることにより索敵距離はさらに延びる。
予備弾は搭載せず、同じBAZ-5937を基に開発したTZM補給車両(ミサイル32発を搭載)を使用する。
輸出は旧ソ連をはじめ、ポーランド・アンゴラ・イラク・インド・リビア等多数の国に輸出され、最近では1992年にギリシャが12両購入している。
1998年に生産終了したが、現在でもロシア陸軍で使用されている。
実戦ではレバノン侵攻で初めて使用され、シリア軍はイスラエル軍のRF-4Eファントム2を1機撃墜し、アンゴラ軍は南アフリカ軍との紛争でAM-3を1機撃墜している。
湾岸戦争ではイラク軍がアメリカ軍のトマホーク巡航ミサイルを撃墜したと言う不確定情報も有る。
しかしECM対処能力が弱いせいか実戦で発射したミサイルは殆ど命中せず、逆に対レーダーミサイル等で多数が撃破された。
また、最近では南オセチア紛争でロシア陸軍とグルジア陸軍の双方が使用した。
性能諸元(BAZ-5937)
乗員:5名
全長:9.14m
全高:4.2m
全幅:2.8m
エンジン:5D20B-300 ディーゼルエンジン
出力:300hp
最大速度:60km/h(路上)
航続距離:500km
装甲:なし
携行弾数:6発(予備弾なし)
兵装:3連装9M33対空ミサイル発射機2基
性能諸元(ミサイル)
全長:3.15m
弾頭重量:19kg
発射重量:130kg
飛翔速度:マッハ2.4
有効迎撃高度:25~5000m
有効射程:1500~12000m
推進方式:固燃ロケットモーター
誘導方式:アクティブレーダー誘導
SA-8ゲッコーの主な種類。
N-(α-メチル-3,4-メチレンジオキシフェネチル)プロピオンアミド
SA-8
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 09:35 UTC 版)
反乱軍の対空車両。地対空ミサイルを搭載しており、山腹や山頂にあることが多い。
※この「SA-8」の解説は、「マーセナリーズ」の解説の一部です。
「SA-8」を含む「マーセナリーズ」の記事については、「マーセナリーズ」の概要を参照ください。
- SA-8のページへのリンク