エム‐ラム【MRAM】
読み方:えむらむ
MRAM(えむらむ)(Magnetic Random Access Memory)
集積回路 (IC) に情報を記録するさい、磁気の向きでデータを表現する方式を採用した半導体メモリーのこと。次世代の技術として最も期待されている。
現在、半導体メモリーとして主流のものは、DRAM やフラッシュメモリーなどがある。パソコンや携帯電話をはじめ、身の回りの「記憶」を必要とする電子機器には必ず組み込まれている。
これら従来の半導体メモリーが電気的に情報を記憶するのに対して、磁気方式を使う MRAM では省電力の設計となる。ノートパソコンや携帯電話などに組み込めば、長時間の利用が可能となって、充電の回数が少なくて済むというメリットが生まれる。
また、フラッシュメモリーと同様に電源を入れておかなくても情報を記録できるが、MRAM では大容量のデータを高速に読み書きできるところが大きな強みだ。
東芝と NEC がMRAM の共同開発に取り組むのは、世界の半導体メモリー市場で先手を打つというねらいが大きい。低価格の製品を開発することで国際的な競争力を高め、日本の半導体メーカーとして巻き返しを図りたいようだ。
(2002.09.17更新)
MRAM
読み方:エムラム
別名:マグネティックRAM,磁気RAM,不揮発性磁気メモリ,磁気抵抗ランダムアクセスメモリ,Magnetoresistive RAM,Magnetic RAM
MRAMとは、メインメモリなどに用いられるRAM(Random Access Memory)の一種で、磁力(磁気抵抗効果)を用いてデータを記憶する仕組みをもったメモリのことである。
MRAMでは、ごく薄い強磁性体が絶縁体を挟んで3層構造となっている「磁気トンネル接合」を素子として用いている。この素子の両端の磁性体における磁界の向きが、互いに同じか、あるいは逆を向いているかによって、素子に電気を流した際の抵抗値が異なってくる。MRAMでは、磁界を制御し、抵抗値の強弱を「0」と「1」のデジタル信号として扱っている。
従来、メモリとしては主にDRAMやSRAMが利用されてきた。DRAMはコンデンサに電荷を蓄えることにより、SRAMはフリップフロップ回路の仕組みによって、データの記憶を行っている。しかし、DRAMもSRAMも、通電状態でなければ記憶が続かず、電源を切るとデータが消失してしまう(揮発性メモリである)という難点があった。
MRAMは磁気ディスクや磁気テープなどと同様に、磁気的にデータを保持するため、通電状態にかかわらずデータの保存が可能であるという利点を持っている。また、高速なデータの書き込みが可能で、書き換え回数もDRAMやSRAMと同程度まで可能であるため、不揮発性メモリとして現在使用されているフラッシュメモリが持っている読み出し速度の遅さといった難点を克服することができるとされている。
MRAMをコンピュータのメモリとして搭載できれば、PCの起動は高速化され、不意に電源が落ちてもデータが失われることがなくなるなど、これまでのコンピュータの扱いを劇的に変えることができるといわれている。2008年6月現在、半導体メーカー各社がそれぞれ量産化に向けた研究開発を進めている。
ちなみに、MRAMにスペルのよく似た「MROM」は、あらかじめデータが書き込まれた読み出し専用の記憶装置である「マスクROM」のことである。
RAM: | GDDR2 GDDR3 ハイパーページモード MRAM メモリインターリーブ メモリウェイト ノーウェイト |
磁気抵抗メモリ
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磁気抵抗メモリ(じきていこうメモリ、英: Magnetoresistive Random Access Memory、MRAM、エムラム)は、磁気トンネル接合(Magnetic tunnel junction、MTJ)を構成要素とする不揮発性メモリである。SRAMやDRAMなどの電荷を情報記憶に用いるメモリと異なり、MRAMはMTJの磁化の状態(平行/反平行)によって情報記憶を行うため電源を切ってもデータが保たれる。
MTJの磁化反転方式の違いによりMRAM、Toggle MRAM[1]、STT-MRAM(Spin Transfer Torque MRAM)、SOT-MRAM(Spin Orbit Torque MRAM)などの種類がある。
構造・動作原理
MRAMはMTJ、セルを選択するためのビット線、ワード線、そしてMTJの抵抗変化を読み出すトランジスタからなる。ビット線、ワード線はMTJを挟んで直交に走っており、両者に同時に電流を流すことで合成磁場を誘起し、メモリセルを選択することができる。
書き込み動作
データの書き込みはMTJの磁化反転により行われる。MTJは絶縁体層を上下の強磁性体層が挟み込む構造からなり、上下の磁化の向きが相対的に"平行"か"反平行"であるかによって抵抗の大きさが異なるトンネル磁気抵抗効果(Tunnel Magneto Resistance effect、TMR)を示す。
上下の強磁性体層の内の一方は保磁力が大きく磁化が一方向に固定されているピン層で、もう一方は保磁力の小さく容易に磁化が反転するフリー層である。
フリー層の磁化反転には、”古典的”には電流によって外部磁場を誘起する方法がある。ビット線とワード線の両方に電流を流すと、合成磁場が誘起されそれによりフリー層の磁化が反転する。
しかしながら微細化を進めて集積密度を高める上では、誘起された磁場が隣のセルに影響を及ぼしてしまうこと、磁化反転に必要な電流密度が増大してしまうことなどから困難が生じている。
そこで、近年ではスピン偏極した電流を注入することにより磁化反転を実現するスピン注入磁化反転方式が主流となっている。
読み出し動作
読み出し時には、上記のようにTMR効果によってMTJの抵抗の大きさが平行、反平行時(
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