Spin-RAM
別名:SpinRAM
Spin-RAMとは、スピン・トルクによる電子の反転作用によって書き込みを行う方式の不揮発性メモリーのことである。ソニーが開発したもので、2005年の国際電子デバイス会議(IEDM)で発表された。
Spin-RAMは、不揮発性メモリの技術として最も進んでいるMRAMと同様に「1」「0」の書き込みを磁気トンネル接合によって行うが、MRAMとは異なり磁気トンネル接合に外部磁界を必要としない。Spin-RAMでは電子のスピンが持つトルク作用によって反転させてデータを記憶するという「スピン注入磁化反転法」が用いられる。
MRAMでは書き込み線に流す電流が発生する磁界によって磁化反転させるため、素子を微細化して集積度を上げると書き込み電流が増大してしまうが、スピン注入磁化反転法では磁化反転に必要な電流密度が一定であるため、素子の微細化に伴って書き込みに必要な電流値は減少する。そのため、Spin-RAMはMRAMよりも高密度で、かつ消費電流も低い不揮発性メモリーを実現できるという。
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