MMT 天文台
MMT天文台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:42 UTC 版)
1948年パロマー天文台に508cmのヘール望遠鏡、1976年にソビエト連邦がゼレンチュクスカヤに600cmのBTA-6を完成させた後、しばらくはさらに大きい望遠鏡の具体的計画が出なかった。「大型の光学望遠鏡はもう技術的限界に達したのではないか、また天文学が空想やサイエンス・フィクションや占星術におちいるのではないか、何とかして、もっと大きな集光力の望遠鏡を安価に作る方法はないか」という危機感が発端となり、1968年、スミソニアン天体物理観測所とアリゾナ大学スチュワード天文台が共同で、ロバート・R・シャノン(Robert R. Shannon )教授を総括責任者とし、集合鏡望遠鏡の計画を始めた。 すぐに6mをしのぐ集光力を狙わず、準備としてもう少し小型のMMTから製作することとし、場所をアリゾナ州ツーソンの南方63kmのホプキンス山とした。この山の標高は2,602mで、整地した後に2,591mとなった。主鏡はφ183cm、焦点距離493cm、曲率半径は985.5cm±5mm、F2.7の放物面鏡であり、設計者が「エッグ・クレート構造」と呼ぶリブが入っているため1枚500kgと非常に軽量に仕上がった。主鏡の背面はネオプレン・テフロン製のエアバッグで支える際に摩擦を小さくするため表面より少し浅い曲率半径13.46mの凸球面になっている。実際には主鏡は7面製作され、メッキが劣化した鏡から順次再メッキすることとした。副鏡は双曲面で、波長10µm遠赤外線観測用φ23.49cmと通常の光学スペクトル観測用φ26.03cmの2セット12枚があり、どちらも曲率半径は148.88cm、材質はコーニング製の石英ガラスであった。赤外線用副鏡が小さいのはノイズを減らすためであり、スペクトル用が大きいのは写野を広く取るためである。カセグレン式望遠鏡1セットでの合成F値は赤外線用がF31.7、スペクトル用がF27.4。この、カセグレン式望遠鏡6セットのそれぞれの光軸中途に平面鏡を入れて光を中央に集め、中央にある6面平面鏡で光束をひとつにまとめ、φ447cm単一鏡と同一の集光力、合成F値赤外線用がF13、スペクトル用がF11.2相当とした。正確にピントの合う像面は非常に狭くφ5分しかないため、惑星、小さい銀河、クエーサーのような角直径の小さい特殊な天体しか観測できない。解像力は良くなく、口径23cm相当の0.5秒以内と言っていたが、それも困難なようでその後いつの間にか1秒に変わったという。ガイド望遠鏡もカセグレン式望遠鏡で、主鏡φ76cm、副鏡φ23cm、合成T17、実視野φ1度である。コンピュータ制御される経緯台式架台に搭載され、ガイド望遠鏡により自動で日周運動を補正すると同時に、鏡筒のたわみや大気の屈折も補正する。 結果として、口径447cmの単一鏡による望遠鏡を作る場合の1/3ないし1/4の費用で製作できた。しかし光軸を一致させるのが困難で、当初の完成予定1978年秋だったのがずれ込み、1979年末にやっと観測可能となった。 「MMT 天文台」も参照
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「MMT 天文台」の例文・使い方・用例・文例
- 天文台
- 天文台に行くのが好きです。
- その天文台はよい位置にある。
- 天文台.
- イギリスの旧グリニジ天文台を通る子午線を0度として,その西側180度までの間の経度
- グリニッジ天文台という天体観測施設
- 人工衛生やスペースシャトルに天体観測機器を搭載した宇宙空間にある天文台
- グリニッジ天文台という,イギリスの天文台
- パリ天文台という,フランスの天文台
- 米国カリフォルニア工科大学の天文学者,マイケル・ブラウン博士は7月29日,彼と彼のチームがパロマ天文台の望遠鏡で新しい惑星を発見したと発表した。
- 写真提供:国立天文台
- 天文台の窓から,人々は春分の日と秋分の日の日没などの天体事象を観測することができた。
- 国立天文台はすばる望遠鏡によって撮影されたかに星雲の新たな画像を公開した。
- 国立天文台によると,月は7時16分に欠け始め,半分欠けた後,10時ごろ満月に戻った。
- この月食の晩,北海道は晴天となり,およそ200人が月食を観測するため札(さっ)幌(ぽろ)市(し)天文台に向かった。
- 沖縄県の石(いし)垣(がき)島(じま)天文台が先日,珍しい自然現象である月(げっ)虹(こう)の写真撮影に成功した。
- 同天文台によると,その現象は1月7日午後7時ごろから約30分間観測された。
- しかし,同天文台は遅いシャッター速度で撮影することにより月虹の7色を再現するのに成功した。
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