MMT天文台とは? わかりやすく解説

MMT 天文台

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/28 03:18 UTC 版)

MMT Observatory
運用組織 アリゾナ大学 
座標 北緯31度41分18秒 西経110度53分06秒 / 北緯31.6883度 西経110.885度 / 31.6883; -110.885座標: 北緯31度41分18秒 西経110度53分06秒 / 北緯31.6883度 西経110.885度 / 31.6883; -110.885
標高 2,616 m (8,583 ft)
形式 光学望遠鏡 
口径 6.5 m (21 ft 4 in)
架台 経緯台式架台 
ウェブサイト www.mmto.org
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MMT 天文台(MMTO)は、フレッド・ローレンス・ウィップル天文台英語版(IAU 天文台コード 696)にある天文台である。ウィップル天文台は、ツーソンの南55キロメートルにあるアリゾナ州のホプキンス山に位置する。天文台はアリゾナ大学スミソニアン協会によって運営されており、アリゾナ州アマドにビジターセンターがある。1968年から計画され、1979年に稼働開始した。

MMT天文台の望遠鏡は、かつては「マルチミラー望遠鏡 (: Multiple Mirror Telescope) 」と呼ばれ、口径1.8メートル (m) 反射望遠鏡6本を束ねて共通の架台に載せた構造をしていた(集合鏡望遠鏡#MMT天文台参照)。反射鏡の重量及びコスト削減には貢献したものの、当時の技術では光軸の調整が困難で、解像度にも難があった。マルチミラー望遠鏡は1998年まで運用された。

マルチミラー望遠鏡の完成後、ハニカム構造による大型鏡の製造法が確立されたことを受け、2000年に口径6.5 mの単一鏡大口径望遠鏡に改修されて名前も「MMT」に変更されている。なお、マルチミラー望遠鏡時代の架台などは再利用されている。2002年からは副鏡が可変形鏡英語版に換装され、補償光学に対応できるようになった。

主鏡はハニカム構造で軽量化されている。MMTは従来の天文台とはドームの形が異なる。屋根が望遠鏡と同時に移動する。冷却が素早くできるのでシーイングが向上する。

単一鏡に改修される以前のMMT (1981年撮影)

関連項目

外部リンク



MMT天文台

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:42 UTC 版)

集合鏡望遠鏡」の記事における「MMT天文台」の解説

1948年パロマー天文台に508cmのヘール望遠鏡1976年ソビエト連邦がゼレンチュクスカヤに600cmのBTA-6完成させた後、しばらくはさらに大き望遠鏡具体計画が出なかった。「大型光学望遠鏡はもう技術的限界達したではないか、また天文学空想サイエンス・フィクション占星術おちいるではないか何とかして、もっと大きな集光力望遠鏡安価に作る方法はないか」という危機感発端となり、1968年スミソニアン天体物理観測所アリゾナ大学スチュワード天文台共同で、ロバート・R・シャノンRobert R. Shannon教授総括責任者とし、集合鏡望遠鏡計画始めた。 すぐに6mをしのぐ集光力を狙わず、準備としてもう少し小型MMTから製作することとし、場所をアリゾナ州ツーソン南方63kmのホプキンス山とした。この山の標高は2,602mで、整地した後に2,591mとなった主鏡はφ183cm、焦点距離493cm、曲率半径は985.5cm±5mm、F2.7の放物面鏡であり、設計者が「エッグ・クレート構造」と呼ぶリブ入っているため1枚500kgと非常に軽量に仕上がった主鏡背面はネオプレン・テフロン製のエアバッグ支える際に摩擦小さくするため表面より少し浅い曲率半径13.46mの凸球面になっている実際に主鏡7面製作されメッキ劣化した鏡から順次メッキすることとした。副鏡は双曲面で、波長10µm遠赤外線観測用φ23.49cmと通常の光学スペクトル観測用φ26.03cmの2セット12があり、どちらも曲率半径は148.88cm、材質コーニング製の石英ガラスであった赤外線用副鏡が小さいのはノイズを減らすためであり、スペクトル用が大きいのは写野広く取るためである。カセグレン式望遠鏡1セットでの合成F値赤外線用がF31.7、スペクトル用がF27.4。この、カセグレン式望遠鏡6セットそれぞれの光軸中途平面鏡入れて光を中央集め中央にある6面平面鏡光束をひとつにまとめ、φ447cm単一鏡と同一集光力合成F値赤外線用がF13、スペクトル用がF11.2相当とした。正確にピントの合う像面は非常に狭くφ5分しかないため、惑星小さ銀河クエーサーのような角直径小さ特殊な天体しか観測できない解像力良くなく、口径23cm相当の0.5以内と言っていたが、それも困難なようでその後いつの間にか1秒に変わったという。ガイド望遠鏡カセグレン式望遠鏡で、主鏡φ76cm、副鏡φ23cm、合成T17、実視野φ1度である。コンピュータ制御される経緯台式架台搭載されガイド望遠鏡により自動日周運動補正する同時に鏡筒のたわみや大気屈折補正する結果として口径447cmの単一鏡による望遠鏡作る場合の1/3ないし1/4の費用で製作できた。しかし光軸一致させるのが困難で、当初完成予定1978年秋だったのがずれ込み1979年末にやっと観測可能となった。 「MMT 天文台」も参照

※この「MMT天文台」の解説は、「集合鏡望遠鏡」の解説の一部です。
「MMT天文台」を含む「集合鏡望遠鏡」の記事については、「集合鏡望遠鏡」の概要を参照ください。

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