グリーンバンク望遠鏡とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 建物・施設 > 施設 > 研究施設 > アメリカ合衆国の天文台 > グリーンバンク望遠鏡の意味・解説 

グリーンバンク望遠鏡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/26 04:59 UTC 版)

ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡

ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡(-ぼうえんきょう、Robert C. Byrd Green Bank Telescope, GBT)は、米国のグリーンバンク天文台が所有する世界最大の可動式の電波望遠鏡である。望遠鏡は、ウェストバージニア州グリーンバンクにある。上院議員のロバート・バード(Robert C. Byrd)を記念して命名された。

場所

望遠鏡は、北緯38度25分58.23秒 西経79度50分21.99秒 / 北緯38.4328417度 西経79.8394417度 / 38.4328417; -79.8394417に位置している。この場所は、国指定のナショナル・レディオ・クワイエット・ゾーン(電波規制地域)の中心にあり、望遠鏡への電波障害を防ぐために、望遠鏡の半径16キロの地域では、携帯電話も含めた電波の発信のほか、テレビのリモコン電子レンジなどの家電製品の使用が禁止または制限されている[1]

概要

グリーンバンク電波望遠鏡は、オフセット型のパラボラアンテナより成り、その開口面は、縦100メートル、横110メートルに及ぶ。放物面は、実際には、2004枚のパネルによって成り、それぞれのパネルが、アクチュエータによって正確な放物面を保つために微調整されている。パネルの材質はアルミニウムで、表面誤差は、0.003インチ(76.2マイクロメートル)RMS以下である。

この望遠鏡の反射面は、普通の軸対称の放物面よりなるパラボラとは異なり、軸対称の放物面の一部を切り取った形をしている(オフセットパラボラアンテナ)。これにより、放物面の焦点にある、受信装置とそれを支える構造物が、パラボラ面の視界を遮らないため、これらによる電波の散乱を防ぐことができる。

望遠鏡の運用はアメリカ国立電波天文台が行っていたが、2016年10月1日よりアメリカ国立電波天文台から分離・独立したグリーンバンク天文台が運用を行っている。

300フィート望遠鏡

崩壊前の300フィート電波望遠鏡
崩壊した300フィート電波望遠鏡

1962年、現在のグリーンバンク望遠鏡が設置されている敷地内に300フィート望遠鏡(口径約91m)が建設された。しかし1988年11月、アンテナ支持機構の一部が突然抜け落ちたことにより300フィート望遠鏡は崩壊した。この事故で失われた大口径電波望遠鏡を再度手に入れるために建造されたのが、現在のロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡である。

脚注

  1. ^ “電波望遠鏡の村が電磁波過敏症の人のメッカに、米国”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年11月16日). https://www.afpbb.com/articles/-/3031843 2014年11月16日閲覧。 

関連項目

外部リンク





グリーンバンク望遠鏡と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「グリーンバンク望遠鏡」の関連用語

グリーンバンク望遠鏡のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



グリーンバンク望遠鏡のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのグリーンバンク望遠鏡 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS