1967 - 1973年
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「プリムス・ヴァリアント」の記事における「1967 - 1973年」の解説
1967年モデルでヴァリアントは外観を全く新たにされ、ステーションワゴンとコンバーチブルは廃止された。2ドアと4ドアのセダンは新しい108 in (2,700 mm) のホイールベースになった。スタイリングは真っすぐな直線的なものとなり、ボディ側面は下側がホイールに向かって広がる柔らかな彫刻的な線を描いており、新しいフェンダーは垂直に切り立ったスラブ・ルック(slab look)を作り出していた。グリルは2分割にされ、左右各々のグリル内で更に水平に2分割されていた。区切られた縦型のテールライトは車体を大きく見せていた。170 cu in (2.8 L) のスラント-6 エンジンの出力は、1965年モデルの225エンジンに導入された多少大きなカムシャフト、以前の170エンジンに使用されていた小型の1.5625 in (39.69 mm) 口径のスロットルに代わってカーター・BBSや以前は225エンジン用に採用されていた大型の1.6875 in (42.86 mm) 口径のホーリー・1920を装着することにより101 bhp (75.3 kW) から 115 bhp (85.8 kW) に向上した。 1968年モデルではグリルから水平の分割バーが外され、左右に分割された細かな水平線で構成されたグリルが各々クロームで囲われていた。モデル名のプレートが後部フェンダーから前部フェンダーへ移された。318 cu in (5.2 L)、230 bhp (171.5 kW) のV8エンジンがヴァリアントに初めてオプション設定された。 1969年モデルでは新しく横幅いっぱいに広がった一体型グリルになり、新しいテールライトとトリムが備わった。標準エンジンに変更は無かったが、クライスラーの「クリーンエア・システム」(正式には「クリーンエア・パッケージ」)の改善により6気筒エンジンは経済性を増した。ブレーキ調整の改善、パワーステアリング・ポンプの高効率化とオプションのシュアグリップ・デフの改善も目玉であった。 1970年モデルは1969年モデルの金属製から新しく黒いプラスチック製の彫刻的なグリルに変更されると共に細かな変更が加えられた以外は前年モデルとほぼ同一の車であった。ボンネットの中央が前方に張り出す一方でグリルの位置は変わらずボディ先端より引っ込むこととなった。新しいダスター クーペの導入により2ドア・セダンが廃止された。輸出仕様以外の全てのヴァリアントのベース・モデルは170から新しい198 cu in (3.2 L) 版のスラント-6エンジンに変更された。このエンジンは170エンジンよりも高性能で、225エンジンと同じシリンダーブロックを使用していたため安価に製造することができた。1971年モデルのヴァリアントは、グリル中央のエンブレムが外されグリル周りの飾りが新しくなった以外の実質的な変更点は無かった。グリルはそれまでの銀色のものから黒いものに変えられた。1970年モデルと1971年モデルでの内装と外装の変更は僅かであったが、機構面では操縦性の向上、遮音性の改善、環境負荷の低減といった変更が施されていた。環境負荷軽減への対応は、新たに設立されたアメリカ合衆国環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)が施行するEGR バルブや活性炭フィルターといった装備搭載の必須規制に対応したものであった。1971年モデルのヴァリアントは1971年内までで25万6,930台を販売したことで1972年モデルの変更は消極的なものとなった。1972年モデルではテールライトとグリルの細部が変更され、ボディ側面のマーカーライトが以前の埋め込み式からより安価な表面貼り付け式に新しくされた。 1971年モデルの初めに「ヴァリアント・スキャンプ」と呼ばれるホイールベース111 in (2,800 mm) のダッジ・ダート スウィンガー(Dodge Dart Swinger)のバッジエンジニアリング版が追加された。この車はダート スウィンガー 2ドア・ハードトップのボディにヴァリアントの顔付きと1970年モデルのダッジ・ダートから引き継いだ2連テールライトを備えていた。 1972年モデルではヴァリアントは33万373台という過去最高の販売台数を記録した。 1973年モデルで「スキャンプ」の三角窓が廃止され、全てのモデルに新しいグリル、5 mph (8.0 km/h) での衝突に耐えられる前部バンパーと米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の規制により必須となった側面衝突に対応したドア内部のサイド・インパクトバーを装備した。サイド・インパクトバー、新しいバンパーと車体の骨格部に取り付けられた伸縮式の衝撃吸収バンパー基部によりヴァリアントの車体重量は増加していた。同時にますます厳しくなる環境対策に対応するためにエンジン出力は格段に減少していた。 1970年代初めを通してヴァリアントはプリムス全体の販売数の40%以上を占めていた。ヴァリアントは国外市場でも相当な成功を収めた。世界中でクライスラー社の支社や代理店では、コンプリート・ノックダウン キットから組み立てた米国製やカナダ製のヴァリアントを販売し、同様に現地でのデザイン/エンジニアリングを取り入れたヴァリアントや北米/現地設計の部品を取り混ぜて使用したヴァリアントを基本とした車も販売した。
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