BM‐27とは? わかりやすく解説

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【BM-27】(びぃーえむにじゅうなな)

ソ連/ロシア1970年代開発した自走ロケット砲愛称は「ウーラガン(暴風)」。

ZiL-1358トラック荷台チューブ状16連装220mmロケット発射機搭載しランチャー俯仰角0~55度、旋回角は左右30度である。
また、NBC防護装置装備されており、車外から出ず発射準備をすることが可能。
ロケット弾頭には、破砕弾頭化学兵器弾頭、PFM-1対人地雷散布弾頭などを装備することができる。

1973年から部隊配備開始されロシア陸軍親衛自動車化狙撃機械化歩兵師団戦車師団自走ロケット砲連隊配備されており、9K58スメルチと共に運用されている。
ロシア以外ではシリアにも供与されている。

スペックデータ

乗員:4名
全長:10.8m
全幅:2.8m
全高:3.2m(移動時)
戦闘重量:20t
エンジン:ZIL-375 4ストロークV型8気筒液冷ガソリンエンジン出力177hp)2基
最大速度:65km/h(路上)
航続距離:570km
携行弾数16
兵装16連装220mmロケット砲1基
連射速度16発/8秒(一斉射撃時)・2発/秒(単発射撃時)


BM‐27

分子式C20H32N4O3S
その他の名称N-(Cycloheptylaminocarbonyl)-4-(cycloheptylamino)-3-pyridinesulfonamide、1-[[4-(Cycloheptylamino)-3-pyridyl]sulfonyl]-3-cycloheptylurea、BM-27
体系名:1-[[4-[シクロヘプチルアミノ]ピリジン-3-イル]スルホニル]-3-シクロヘプチル尿素、4-(シクロヘプチルアミノ)-N-(シクロヘプチルアミノカルボニル)-3-ピリジンスルホンアミド、N-(シクロヘプチルアミノカルボニル)-4-(シクロヘプチルアミノ)-3-ピリジンスルホンアミド、1-[[4-(シクロヘプチルアミノ)-3-ピリジル]スルホニル]-3-シクロヘプチル尿素


BM-27

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 06:38 UTC 版)

BM-27 Uragan 自走式16連装220mmロケットランチャー

BM-27「ウラガン」ロシア語:БМ-27 «Ураган»ベーエーム・ドヴァーッツァチ・スィェーミ・ウラガーン)は、1970年代ソビエト連邦軍が開発した自走式多連装ロケットランチャーである。ソビエト連邦の崩壊後はロシア連邦軍[1]などにより運用されており、GRAUインデックスは9P1409П140)。誤ってBM-22と呼ばれている時期もあった。

なお、「ウラガーン」はロシア語で「暴風・疾風」を意味する。

概要

BM-27は16連装220mmロケットランチャーを8輪式のZIL-135大型軍用トラックに搭載している。このトラックはBTR-60BTR-70と同様に2つのガソリンエンジンを装備し、それぞれのエンジンが4つずつの車輪に動力を伝達しており、これが20tの貨物を搭載しつつ65km/hもの最高速度を生み出す要因である。なお、燃料無補給での最大航続距離は500kmである。ZIL-135を使用した発射としての形式名は9P140である。

また、この車両はNBC(核兵器生物兵器化学兵器)防護機能が備わっており、4名の乗員は車外に出ることなく停車から3分以内に発射準備を整えることが可能である。また、車体のキャビンにはロケット弾の発射炎を防ぐブラストシールドも備わっている。

ロケット弾

BM-27が使用する220mmロケット弾は一斉発射した場合、16発のロケット弾は20秒で撃ち尽す。ロケット弾は総重量280.4kg、弾頭重量90 - 100kg、最大射程35kmの性能を有し、弾頭は破砕性弾頭化学兵器弾頭、PFM-1対人地雷散布弾頭などが存在し、これらは電気式時限信管により発火する。

9T452弾薬運搬車

9T452弾薬運搬車

BM-27が順調にロケット弾の斉射を行うために必要不可欠なのが9T452弾薬運搬車である。9T452はBM-27と同様にZIL-135トラックを基にした弾薬運搬車であり、搭載している予備のロケット弾を同車に装備されたクレーンを使用してロケット弾の再装填を行い、20分ほどで再装填を完了できる。

運用国

形式・派生型

9P140
ZIL-135トラックに架装された標準型の発射機の形式名。
9T452
ZIL-135トラックに架装された標準型の弾薬運搬車の形式名。
9K512 ウラガン1Mロシア語版
2007年に提案された改良派生型。KAMAZ-6350ロシア語版 8輪トラックにロケット弾発射機を搭載したもので、同じ車両にBM-30 スメーチと同じ300mm多連装ロケット砲を搭載する事も可能である。
9A53 ウラガン-U
2009年に提案された改良派生型。MZKT-7930 8輪トラックに15連装×2基の発射機を搭載。モジュール化された発射機の組み換えによりBM-30 スメーチおよびBM-21 グラートのロケット弾を使用可能。
9P140MB ウラガン-M
ベラルーシで開発された改良派生型[15]。車体をベラルーシ製のMAZ-631705 6輪トラックに変更し、ベラルーシ製の通信機器・航法装置・自動化された射撃管制システムを装備している[15][16]。2021年に国家試験が開始され、5年以内にベラルーシ軍のウラガンを全台改修する計画とされている[16]
バスティオン-03
ウクライナAvtoKrAZで2010年に試作された改良派生型。6×6輪駆動のKrAZ-63221RAトラックに発射機を搭載したシステム。

実戦投入

特に、上記のPMF-1対人地雷散布弾頭は接近する敵歩兵部隊を足止めするのに効果的であったことから、アフガニスタンに派兵されたソ連軍により多用された。

2022年ロシアのウクライナ侵攻にも投入され、ロシア軍が遺棄し、ウクライナ軍により鹵獲された例もある[1]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b ウクライナ軍、南部ヘルソン州で露軍の多連装ロケットシステムを鹵獲ウクルインフォルム(2022年10月12日)2022年10月15日閲覧
  2. ^ a b c d Prenatt & Hook 2016, p. 37.
  3. ^ Military Balance 2016, p. 182.
  4. ^ The Military Balance 2021, p. 464.
  5. ^ The Military Balance 2021, p. 470.
  6. ^ BM-27 (Uragan ) / 9P140” (英語). militaryfactory.com. 2021年3月5日閲覧。
  7. ^ Military Balance 2016, p. 185.
  8. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 181. ISBN 978-1-032-50895-5 
  9. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 182. ISBN 978-1-032-50895-5 
  10. ^ Military Balance 2016, p. 190.
  11. ^ Military Balance 2016, p. 354.
  12. ^ IISS 2024, pp. 208–209.
  13. ^ Military Balance 2016, p. 205.
  14. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 205. ISBN 978-1-032-50895-5 
  15. ^ a b Dmitry Fediushko (2019年5月22日). “MILEX 2019: Belarus upgrades mid-range MRL inventory”. janes.com. 2024年10月31日閲覧。
  16. ^ a b The Combat Vehicle Prototype of the Upgraded Uragan-M MLRS Passed State Tests”. State Authority for Military Industry of the Republic of Belarus (2021年10月12日). 2024年10月31日閲覧。

参考文献

  • The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7 

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