2S43マルバ_152mm自走榴弾砲とは? わかりやすく解説

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2S43マルバ 152mm自走榴弾砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/03 01:08 UTC 版)

2S43マルヴァ 152mm自走榴弾砲
性能諸元
全長 13m
全幅 2.75m
全高 3.1m
重量 32t
速度 80km/h
行動距離 1,000km
主砲 47口径2A64 152mm榴弾砲
エンジン YaMZ-8424.10ディーゼル
470馬力
乗員 5名
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2S43マルヴァロシア語: 2С43 Мальва)は、ロシアの装輪式自走榴弾砲である。マルヴァはゼニアオイの意。

概要

2S43は2019年にドラフト案が公開され、2020年のアルミヤ2020によってプロトタイプが展示された。その後の2023年5月には、ロシア国防省のテストに合格したと発表がなされた。また、2022年ロシアのウクライナ侵攻に2S43の最初のバッチが投入され、既に前線に配備されているとの情報も存在する。

2S43はBAZ-6010-027 8x8トラックをベースとし、2S19ムスタ-Sと同様の47口径2A64 152mm榴弾砲が搭載されている。射程は最大24.5km、輸送が可能な砲弾は30発である。最高速度は80km/h、重量は32トンとなっており、空輸が可能となっている。また、2S43はMRSI(同時着弾)能力を備えている[1]

2S43はロシアが正式に採用した自走砲としては初の装輪式自走榴弾砲であり、2S43が登場する以前にも2S35 コアリツィヤ-SV KShがプロトタイプとして公開されていたが、十年が経過した今も採用には至っていない[2]

2S44 ギアツィント-K

ギアツィント(手前2両)とマルヴァ(後方)

2S44 ギアツィント-K(ロシア語: 2С44 Гиацинт-К)は、マルヴァの発展改良型で、車体は共通で外見上の相違はあまりないが、2A36 152mm榴弾砲を搭載し長射程化を実現している。

開発は2024年に始まり、2025年2月にはウクライナで実戦投入される様子が国営テレビで放送された。また、同年5月の独ソ戦戦勝記念パレードでは赤の広場をマルヴァとともに行進している。ギアツィントの名は2S5ギアツィントに次いで2代目の採用である。

火砲諸元・性能

出典: https://mil.in.ua/en/news/russian-federation-completed-the-test-of-the-2s43-malva-self-propelled-guns/

諸元

作動機構

性能

  • 俯仰角: -3~+70°
  • 旋回角: 左右30°まで
  • 最大射程: 24.5km
  • 発射速度: 7発/分

砲弾・装薬

装輪型自走榴弾砲の比較
19式 アーチャー カエサル ATMOS ダナ ノーラ B-52 G6-52 2S22 RCH 155 マルヴァ
画像
全長 11.21m 14.1m 10.0m 9.5m(本体) 11.1m 11.0m 10.4m ? 10.4m 13.0m
全幅 2.5m 3.0m 2.55m 2.55m(本体) 3.0m 2.95m 3.5m ? 2.99m 2.75m
全高 3.4m 3.3-3.9m 3.7m ? 2.85m 3.45m 3.4m ? 3.6m 3.1m
重量 25t以下 33.5t 17.7t 22t(参考) 29t 34t(K-I)
25t(K2)
46.5t 28t 39t以下 32t
最高速度 90km/h 65km/h 100km/h 80km/h(道路上)
30km/h(不整地)
80km/h 90km/h(道路上)
25km/h(砂利道)
15km/h(不整地)
85km/h ? 100km/h(道路上) 80km/h
乗員数 5名 3-4名 5名
(緊急時3名)
4-6名 5名 3-5名 3-5名 5名 ? 5名
主砲 52口径155mm 36.6口径152mm 52口径155mm
(砲室23L
または25L)
52口径155mm 47口径152mm
副武装 RWS×1 7.62mm機銃
または
7.62mm/
12.7mm RCWS
最大射程 不明 60km[注 1] 50km[注 2] 41km[注 3] 28km[注 3] 58km[注 4]
67km[注 5]
67km[注 6][注 7] 35-40km 40km 24.5km
発射速度 不明 8-9発/分 6-8発/分 4-9発/分 5発/分 6-12発/分 4発/分 4-8発/分 不明 7発/分
装填装置 自動アシスト 自動[注 8] 自動アシスト[注 9] 自動アシスト 自動 自動アシスト 自動 自動アシスト
装甲 不明 [注 10] [注 11]
備考 [注 12] [注 13] [注 14] [注 15] [注 16] [注 17]

採用国

脚注

注釈

  1. ^ M982弾
  2. ^ RAP弾
  3. ^ a b ベースブリード弾
  4. ^ HE ERFB/RA-BB弾
  5. ^ HE V-LAP弾
  6. ^ 数値実験では73kmも記録
  7. ^ M9703A1弾
  8. ^ 射撃準備・撤去は各30秒、8分で全弾給弾可能、全自動で装填・射撃可能
  9. ^ 装薬は手動装填
  10. ^ 数値キャビンのみ
  11. ^ 数値完全防護はK-I,K2のみ
  12. ^ 舗装面でも射撃可能
  13. ^ タッチパネル照準装置
  14. ^ 6x6や8x8のトラックを自由に選択可能
  15. ^ 世界初の装輪式自走榴弾砲、砲塔は225°旋回可
  16. ^ 砲塔は360°旋回可、背面には水平射撃可、対戦車誘導砲弾あり
  17. ^ ボクサー装輪装甲車のミッション・モジュールとして砲システムを交換可能

出典

外部リンク




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