G6 155mm自走榴弾砲
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2017年、ダーバンで展示されたG6
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基礎データ | |
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全長 | 10.4 m |
全幅 | 3.4 m |
全高 | 3.5 m |
重量 | 46.5 t |
乗員数 | 6 名 (G6-52は、3名~5名) |
装甲・武装 | |
主武装 | 155mm榴弾砲×1門(砲弾47発) |
副武装 | 銃眼、砲塔左側のキューポラにブローニングM2重機関銃1挺[1] |
機動力 | |
整地速度 | 85 km/h |
不整地速度 | 30 km |
エンジン | 空冷式ディーゼル 525hp |
懸架・駆動 | 6 x 6 |
行動距離 | 整地:700km 不整地:350km |
出力重量比 | hp/t |
データの出典 | “南アフリカ共和国陸軍”. 2012年7月12日閲覧。 |
概要
本車は装輪式自走砲(6×6)で、アームスコー社(元国営企業。現在のデネル社等)が開発した。1981年には試作型が完成し、1984年には生産型が完成した[2]。1987年より生産が開始され43両が生産された。
搭載されたG5榴弾砲は当初、世界最長の射程を誇っていた。砲塔は全周旋回式だが、射撃時の旋回角は左右40度が限度である[3]。
装軌式ではなく装輪式を採用したのは、アフリカの環境では機動力の点で装輪式の方が利点が多いためとされる[3]。チェコスロバキアのダナに次ぐ、152-155mm級の主力級装輪式自走榴弾砲のはしりとして知られている。
南アフリカ共和国陸軍に配備された他、1990年にはアラブ首長国連邦(G6 M1A3、78両)に、1994年にはオマーン(24両)にそれぞれ輸出されている。1988年にイランの軍事パレードで目撃されたとする情報もあるも数量は不明である[4]。
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25t(K2)
30km/h(不整地)
25km/h(砂利道)
15km/h(不整地)
(緊急時3名)
(砲室23L
または25L)
または
7.62mm/
12.7mm RCWS
67km[注 5]
型式
- G6
-
初期型。G5原型と同じ45口径砲を装備。G6-52との対比でG6-45とされる場合もある[5]。
- G6V
- 南アフリカ共和国陸軍の採用型。通称ライノ[1]。
- G6 M1A3
- アラブ首長国連邦陸軍の採用型。78両が生産された。
- G6-52
- G6の改良型。52口径155mm砲を搭載した他、FCSなど全面的に改修されている。
- G6-52L
- 薬室容量を23リットルから25リットルへ増大させ、弾種によっては最大射程70kmを超える。
- アル・マジヌーン(Al-Majnoon)
- カナダのジェラルド・ブル博士の協力を経て開発されたイラクでのライセンス生産型[6]。おそらく量産には至らず、その後、設計を発展させたアル・ファオ(Al-Fao)210mm自走榴弾砲に発展した[7]。
- G6マークスマン
- G6の車体にイギリス製のマークスマン対空砲塔を搭載した輸出向け車両[8]。
戦歴
アンゴラ内戦中の1987年に発生したクイト・クアナヴァレの戦いに投入されてアンゴラ解放人民運動(MPLA)を砲撃した[2][9]。
イエメン内戦ではアラブ首長国連邦陸軍によって投入された[10][11]。
採用国
脚注
注釈
- ^ M982弾
- ^ RAP弾
- ^ a b ベースブリード弾
- ^ HE ERFB/RA-BB弾
- ^ HE V-LAP弾
- ^ 数値実験では73kmも記録
- ^ M9703A1弾
- ^ 射撃準備・撤去は各30秒、8分で全弾給弾可能、全自動で装填・射撃可能
- ^ 装薬は手動装填
- ^ 数値キャビンのみ
- ^ 数値完全防護はK-I,K2のみ
- ^ 舗装面でも射撃可能
- ^ タッチパネル式照準装置
- ^ 6x6や8x8のトラックを自由に選択可能
- ^ 世界初の装輪式自走榴弾砲、砲塔は225°旋回可
- ^ 砲塔は360°旋回可、背面には水平射撃可、対戦車誘導砲弾あり
- ^ ボクサー装輪装甲車のミッション・モジュールとして砲システムを交換可能
出典
- ^ a b G6 155mm Self-Propelled Howitzer, South Africaarmy-technology(2012年7月12日閲覧)
- ^ a b I B Greeff (1992年6月). “SOUTH AFRICA'S MODERN LONG TOM”. Military History Journal Vol 9 No 1 - June 1992. The South African Military History Society. 2012年7月12日閲覧。
- ^ a b 上田信『戦車メカニズム図鑑』グランプリ出版、1997年3月25日、185頁。ISBN 4-87687-179-5。
- ^ 『兵器マフィア――武器秘密取引の内幕』(光文社, 1992年 ISBN 4334970680)(P68-83ページ)
- ^ G6-52デネル社(2012年7月12日閲覧)。
- ^ Ṣāyigh, Yazīd (1992). Arab Military Industry: Capability, Performance, and Impact. London: Brassey's Incorporated, Publishing House. p. 110. ISBN 978-0080417776
- ^ Chauhan, Sharad (2003). War on Iraq. New Delhi: APH Publishing Corporation. pp. 258–259. ISBN 978-8176484787
- ^ “Denel in UK gun link-up”. Flight International (Flightglobal.com) (14–20 September 2004): 10. (September 2004). ISSN 0015-3710.
- ^ Weigert, Stephen (2011). Angola: A Modern Military History. Basingstoke: Palgrave-Macmillan. pp. 87–96. ISBN 978-0230117778.
- ^ Binnie, Jeremy (7 August 2015). "Analysis: Emirati armoured brigade spearheads Aden breakout". London: Jane's Information Group.
- ^ "SA arms used to bomb civilians in Yemen". The Sunday Times. Johannesburg. 11 November 2015.
- ^ a b c “G6 155mm Self Propelled Howitzer, South Africa”. army-technology.com. 2010年1月1日閲覧。
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 346-347. ISBN 978-1-032-50895-5
関連項目
- ジェラルド・ブル博士が設立したスペースリサーチコーポレーション(SRC)設計のGC-45 155mm榴弾砲を元にアームスコー社が開発した。
外部リンク
- G6_155mm自走榴弾砲のページへのリンク