2K6_(ミサイル)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 2K6_(ミサイル)の意味・解説 

2K6 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 05:19 UTC 版)

2K6 ルーナ
3R9ミサイルを搭載した2P16 TEL
種類 戦術弾道ミサイル
原開発国  ソビエト連邦
運用史
配備期間 1960–1982 (USSR)
開発史
開発者 NII-1 及び TsNII-58
製造期間 1960–1964
製造数 432 SPU 2P16
派生型 3R10 (核弾頭) (FROG-5), 3R9 (HE) (FROG-3)
諸元
要員数 5

最大射程 45 km (28 mi) (3R9)
弾頭 榴弾, 核弾頭

エンジン RDTT 3Zh6
誘導方式 無誘導
発射
プラットフォーム
2P16 (PT-76が原型)
テンプレートを表示

2K6 ルーナロシア語: Луна;「月」の意)は、ソビエト連邦戦術弾道ミサイルである。GRAUインデックスは、2K6が付与されている。 NATOコードネームFROG-3(3R9ミサイル搭載型)およびFROG-5(3R10ミサイル搭載型)。1965年から2K6ルーナは、より成功を収めることとなる9K52 ルーナM(NATOコード:FROG-7)に代替された。

開発史

このミサイルシステムは1953年からN. P. Mazurovの監督下でNII-1によって開発が初められた。ルーナ以前には2K1および2K4ロシア語版のようなミサイルが設計されていた。ミサイル本体についてはNII-1の担当だったが、その輸送起立発射機に関してはTsNII-58が担当した。ミサイルそのものは固体燃料ロケットであり、誘導装置はなくスピン安定のみである。当初はS-125A "Pion"と命名されていた[1]

1957年に試作車両として発射車両のSPU S-123A(オブイェクト160車体)と移動・装填車両のTZM S-124A(オブイェクト161車体)が作られ、評価には3R5ロケットが用意された。これらは1958年にカプースチン・ヤールに1959年にザバイカル軍管区に持ち込まれた。評価の結果、TZMは破棄しSPUの改良とロケット開発が決定した。ついで3R9と3R10ロケットが開発された。1959年12月2日にこれらを生産する決定がなされた。最初の5両は1960年1月に完成し同年3月に国家承認のトライアルが行われた。

1960年にルーナはソビエト連邦軍へ配備開始され1982年まで維持された[2] 。1960年から初年度だけで80輌の発射車両と365発のロケットが製造され、1964年までに432輌のSPU 2P16が製造された[1]

システム諸元

このミサイルシステムはこれらから構成される[2]

  • 発射車両 SPU 2P16 (Ob'yekt 160) PT-76の車体を元に転輪や発射レールおよびその仰俯角装置、安定ジャッキ、発動機を搭載。戦闘時重量18トン
  • ロケット 3R9 通常弾頭の3N15搭載 射程12から44.6 km
  • ロケット 3R10 重量400 kg 核弾頭 3N14 搭載 射程10 から 32.1 km
  • ミサイル輸送機 2U663  ZiL-157Vベース, ミサイル2基搭載
  • 輸送および核弾頭取付車両 2U662
  • 移動クレーン ADK K52 (MAZ-502に搭載), ADK K61 (MAZ-200に搭載) ないし 9T31 (Ural-375に搭載)
  • 整備車両 PRTB-1, 2U659 など
  • 指揮車両 PU-2
  • 訓練車両 PV-65 訓練弾 3R11 訓練弾頭 3N16

2P21Br-226-IIの名でも知られる)ZiL-134 8x8へ搭載の発射車両のバリアントもあったが実戦配備されなかった。

運用史

ルーナがソ連軍に配備されたのは1960年から1982年までである。自動車化狙撃兵師団および戦車師団はそれぞれが1個ロケット大隊(2個ロケット中隊規模)という形で2輌の2P16を装備していた[2]キューバ危機において12セットの2K6一式がキューバに置かれた[要出典]

ソ連の2K6は少なくとも3カ国のワルシャワ条約機構加盟国(ブルガリアチェコスロバキアハンガリー)の砲兵部隊に恒久的に配備されたが、しかしソ連の管理下のままであり全運用がこれらの国に任されたわけではなかった[3]

運用国

脚注

  1. ^ a b Solyankin, A.G.; Zheltov, I.G.; Kudryashov, K.N. (2010). Otechestvenniye Bronirovanniye Mashiny - XX Vek, Tom 3: 1946-1965. OOO "Tsejkhgauz". p. 530-533. ISBN 978-5-9771-0106-6
  2. ^ a b c http://military.tomsk.ru/blog/topic-189.html
  3. ^ a b c d e f g h Trade Registers”. Armstrade.sipri.org. 2013年6月20日閲覧。
  4. ^ The Military Balance 1979-1980
  5. ^ The Military Balance 2010
  6. ^ a b Steven J. Zaloga - The Scud and other Russian Ballistic Missile Vehicles - Concord Publications Company #7037 - ISBN 962-361-675-9

外部リンク


「2K6 (ミサイル)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「2K6_(ミサイル)」の関連用語

2K6_(ミサイル)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



2K6_(ミサイル)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの2K6 (ミサイル) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS