録音・録画の収集
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高座の模様が収録された記録メディア(レコード・カセットテープ・CD、映像を含むビデオテープ・DVDなど)が市販されており、それを購入したり、ラジオやテレビ等で落語を放送する番組をオープンリールテープやカセットテープ、MD等に録音、あるいはビデオテープやDVD・ブルーレイ等に録画(エアチェック)して収集する。 現在では入手困難な、戦前の落語家たちの名演が聞けるSPレコードを集める者もいる。特に著名なSP盤の収集家としては、のこぎり演奏家としても知られる落語家の都家歌六(8代目)と岡田則夫が挙げられる。2人が集めたSP盤は約4,000枚におよび、日本で発売された落語SPの8割にあたる。2人のコレクションの一部がデジタル化され、2006年(平成18年)には『SPレコード 復刻CD集 昭和戦前面白落語全集』として発売された。8代目都家歌六には『落語レコード八十年史』の著書がある。 レコード化されていない音源なら、演芸評論家で『落語大百科』(全5巻)の著者でもある 川戸貞吉が挙げられる。TBSラジオ「早起き名人会」のアナウンサーを務めた川戸は、学生時代から落語テープを収集し、放送等に限らず、独自に高座での口演を録音し続けた。川戸のコレクションもまた、CDボックスとして発売されている。 CDボックスセット 川戸貞吉(撰)『古典落語の巨匠たち・寄席の噺・ホールの噺』第一期・第二期(ゲオ) その他、司会者として活躍した玉置宏はNHKラジオ第1放送の「ラジオ名人寄席」で席亭(番組進行役)を務めたが、このなかで落語テープの収集家であることが明かされた。「ラジオ名人寄席」の目玉は、落語の歴史に通じた玉置が秘蔵する往年の名人の落語テープが披露され、解説が加えられることで、この企画はマニアックな演芸ファンの人気を博した。しかし、2008年(平成20年)2月10日に放送された8代目林家正蔵(林家彦六)『大仏餅』の音源が、1987年(昭和62年)にTBSラジオ「早起き名人会」で放送されたものであることが判明し、これによりNHKがTBS側に陳謝し、著作権料を支払った。さらに、このような無断使用は、番組が放送されていた12年間でNHK以外のメディアから91演目にもおよぶことがわかり、これに対する著作権料も払っていなかったため、玉置は責任を取って降板、番組も打ち切られた。 「『ラジオ名人寄席』での音源不正使用」の件で川戸とともに玉置を告発した草柳俊一は、数多くの落語録音にレコーディング・エンジニアとして従事し、現在は「極楽亭プロジェクト」なる協同蒐集活動を呼び掛けている。草柳もまた、落語テープのコレクターでとくにオープンリールにこだわった収集活動をおこなってきた。草柳が集めた落語や寄席演芸の録音は22,000点におよんでいる。草柳の著書(芸能評論家矢野誠一との共著)に以下がある。 矢野誠一・草柳俊一(共著)『落語CD&DVD名盤案内』大和書房、2006年 落語に関するありとあらゆる資料(書籍・古書・音源・刷物・グッズ・自筆物など)の個人収集家としては次の3氏が挙げられる。 4代目桂文我(落語家。) 岡田則夫(前出。演芸史研究家。SP盤はじめコレクションは多種にわたる) 前田憲司(演芸史研究家。上方演芸資料が中心)
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