角川春樹時代の評価とは? わかりやすく解説

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角川春樹時代の評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:14 UTC 版)

角川映画」の記事における「角川春樹時代の評価」の解説

1982年5月29日朝日新聞朝刊討論広場で「日本映画はどこへ行く」と題して岡田茂日本映画製作者連盟会長映画監督大島渚小栗康平映画評論家白井佳夫参加して討論会が行われた。討論会趣旨は、映画人口が最盛期1958年11億人から1981年1億5000万人割り込んだことを受け、白井が「角川春樹センセーショナルな大宣伝によってマイナーな娯楽映画大ヒットさせる商法屈服した映画業界」などを問題提起して挙げ長い討論会中、角川映画に関する言及は、角川春樹支援していた岡田茂は「角川はいま日本で、監督まずまず揃っているが、これをどうして、いつ当ててどういう宣伝をして、どうやって金を取るかと、見通し持ちながら全てのことをちゃんと支配していくプロデューサー」と評価した。しかし大島渚は「角川さんはプロデューサーとしてある意味強すぎて、監督とのバランス全部とれないあの人のところで誰が撮ったって全部角川さんの映画になって監督映画が全然出ない。これはいいプロデューサーじゃないんですね、結果的には」と評し白井佳夫は「プロデューサーというのは元々縁の下の人なんですよね。角川さんは十本以上の映画あれだけ当てた角川組んで映画をすることで有名になった監督二、三人出なきゃ嘘だし、角川によってスターになった女優男優五、六人は出なきゃ嘘なんですよね。まあ薬師丸ひろ子というスター一人出たけども、あとはみんな既成スター既成監督既成シナリオライター使って作っている」などと評した1981年の日本映画界観客動員1500万人減について、映画評論家白井佳夫大量宣伝成功する角川映画原因として決めつけた。それに対し角川春樹大量宣伝成功した角川映画は『人間の証明』1本しか存在しない反論した映画監督大島渚は、当初角川映画旧態依然とした日本映画界を覆した評価していたが、後に[いつ?]角川映画大量前売券企業購入させたことと大量宣伝批判した前売券金券ショップ安価売られ正規料金入場した観客不信感を買うこと、そして大量宣伝つられて映画を見に行ってもつまらない映画だった場合映画そのもの観客疑われるうになるというのがその主旨である。角川映画への批判中心はこの大量宣伝前売券による動員、そして作品の質が伴わないという3点であった映画監督佐藤純彌1986年斜陽日本映画にあって角川映画映画ビジネスが儲かるものであることを証明し、これに追随して異業種から映画界への資金提供者が現れたこと、久々に薬師丸ひろ子原田知世といった映画界出身アイドル誕生させたこと、従来新聞中心だった映画宣伝改変したこと、日本映画界の縦割り構図破り既成メジャーとは異質映画作り成立させたことなどを角川映画功績として挙げている。 映画評論家田山力哉は、評価できるのは『蒲田行進曲』くらいで、角川映画札束映画前売券バラまいて日本映画はひどいものとい印象与えたこき下ろした。 映画ジャーナリスト大高宏雄は、角川春樹時代角川映画映画製作本数65本、製作会社としては空前の総配給収入463億円、当時日本映画歴代配収ベスト50位の中に12番組がランクインと、20年近く日本映画興行的側面から支えてきた功績指摘している。東映東宝松竹大手3社はその恩恵を受け、自らは製作部門を分離するなか、最もリスクの多い映画の製作という役割角川映画引き受け、または、角川映画引き受けさせたとも分析している。 映画評論家の増當竜也によれば観客から支持されても映画評論家映画マスコミからは「ヒットはしても中身はない」と言われ角川映画イメージは、『人間の証明』・『野性の証明』の「証明2部作」によって決定づけられた。 マッドハウス社長であった丸山正雄は、角川アニメ子供向けではないアニメ映画制作されるきっかけになったとし、アニメーションの歴史においても大きな影響与えたとの考え述べている。また、角川春樹スタッフ自由にやらせ、古いものを壊し新し要素取り入れていったことも重要であったとしている。

※この「角川春樹時代の評価」の解説は、「角川映画」の解説の一部です。
「角川春樹時代の評価」を含む「角川映画」の記事については、「角川映画」の概要を参照ください。

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