角川映画株式会社製作時代
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「角川映画」の記事における「角川映画株式会社製作時代」の解説
2002年に、経営不振に陥っていた大映とその親会社である徳間書店は、過去の作品資産や調布市の大映スタジオを含めた全事業を、角川書店へ売却することで合意した。ただし、大映テレビは徳間の資本下ではなかったため、これに含まれていない。同年11月に角川書店は株式会社角川大映映画を設立し、大映の事業を同社が譲り受ける新旧分離方式による買収となった。 2004年、角川大映映画と角川本体で映画事業を行っていた角川書店エンタテイメント事業部、テレビドラマ等の映像製作会社のトスカドメインを統合させ、商号を角川映画株式会社とした。 2005年、外国映画の輸入・配給を営む日本ヘラルド映画(ヘラルドグループの中核企業)を角川グループが買収、角川映画と合併し、角川ヘラルド・ピクチャーズに名称を変更した。その後の2006年に、商号を角川ヘラルド映画株式会社とした。1年後の2007年に、同社は再び社名を「角川映画株式会社」に変更した。日本ヘラルド映画を買収したことで、アスミック・エースエンタテインメントの出資比率を下げていき、2010年に角川グループから離脱。 DVD類のビデオグラム事業に関しては、角川書店が擁する邦画(従来の角川映画)・アニメ作品に加え、大映作品・日本ヘラルドおよびアスミックがソフト発売権を有する洋画作品(2009年までアスミックが販売・発売権を有していたドリームワークス作品を含む)の発売元として角川エンタテインメントが担っていたが、2009年に角川映画に吸収合併されている。 一連のM&Aの結果、それ以前の角川書店が行ってきたゲーム・アニメ作品や小説作品の映画化に関わる制作・出資という役割に加え、大映の流れから自前のスタジオ施設・人員による邦画の製作が可能となった。また、ヘラルドの流れから海外作品の配給に積極的に取り組み、角川書店グループのバックグランドによってノベライズの刊行を盛んに行っている。その展開は一層強まっており、こうした映画・映像関連の部門は角川映画株式会社を中核とした事業体制になったことで、完全に固まったものとなっている。 なお、旧・日本ヘラルド映画は映画興行事業(シネプレックス)を行なう子会社「ヘラルド・エンタープライズ」を抱えており、この買収により、従来の角川書店・旧大映による製作部門に加え、映画館運営・ミニシアター系の配給まで一貫して手がけられることとなり、製作・配給・興行を自前で一貫して行えるメジャーの一角に食い込むようになった。ただし、配給網は既存大手3社(松竹、東宝、東映)と比べて大きいとは言えず、『沈まぬ太陽』など大作や話題作については、東宝の配給網を借りる形で劇場公開されている。2006年には新宿三丁目に所在する三和興行所有の新宿文化シネマ(同年9月閉館)を借り上げる形で同年12月に直営のミニシアター(角川シネマ新宿)を、2011年2月には旧シネカノン有楽町1丁目跡に角川シネマ有楽町をオープンし、旧ヘラルドの配給網の有効活用を模索していた。2013年3月にはかつて出資したこともあるユナイテッド・シネマの持株会社、ユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングス(UEH)と戦略的業務提携を締結、角川シネプレックス(13サイト)を譲渡し角川シネマの2サイトを除いて映画館運営から撤退したが、映画配給や周辺事業に関してUEHと協業を進めていくこととなる。 2005年11月に角川ホールディングス・チャイナが、香港の映画配給・シネコン事業の持株会社Intercontinental Group Holdings Ltd.を買収し、中国映画館市場に参入、香港6サイトと中国広東省2サイトの映画館運営をしていたが、2013年8月に小室哲哉が創業した旧Rojam Entertainmentを傘下に持つeSun Holdings Limited(Lai Sun Group)に売却。2018年現在は、KADOKAWAの持分法適用会社(香港・新華集団との合弁会社)Sun Wah Kadokawa (Hong Kong) Group Ltd.の子会社が中国での映画館事業を行っている。 2011年1月1日に、出版と映像の一体化によるメディアミックスの強化を目的として角川書店(三代目法人)と角川映画が合併し、法人としての角川映画は消滅、以後「角川映画」は角川書店・角川グループの映像事業ブランドとして存続することとなった。
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