角川映画との提携
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 08:48 UTC 版)
「セーラー服と機関銃 (映画)」の記事における「角川映画との提携」の解説
『セーラー服と機関銃』の映画化は『翔んだカップル』をやる前に相米慎二監督自らが出した企画。キティ・フィルムの伊地智啓プロデューサーに女優が見つかれば実現可能だと言ってきた。キティ・フィルムの多賀英典社長は「伊地智啓さんが薬師丸さんの『翔んだカップル』の次回作にと『セーラー服と機関銃』を僕のところへ持ってきた。原作は主婦と生活社から出ていて、他社の作品を映画化するのに薬師丸さんを出すのを渋っていた角川さんを、原作者の赤川次郎さんは絶対に当たる作家になるからと、文庫版を角川から出すということで説得しました。全部の経緯を作ったのは伊地智さんです。間違いなく伊地智さんなくしては『セーラー服と機関銃』という映画は存在しなかったでしょう」と証言している。 『翔んだカップル』が出来上がったころ、伊地智は自分の娘から当時まだ無名だった赤川次郎の小説『セーラー服と機関銃』が面白いと教えられ、その本に書いてあった赤川の住所が同じ団地だったこともあり、そのまま赤川宅に映画化の相談に訪れ、すぐに脚本作成に入った。 ところが、相米監督は自らが出した企画にもかかわらず、リアリティが無く映画化しづらい話だとも話している。 主役の星泉役に薬師丸ひろ子を使うため、薬師丸の所属する角川春樹事務所に出演交渉を行うが、事務所は薬師丸の他社映画への出演を拒絶した。そこで、伊地智は相米監督を使って、事務所を経由せずに直接薬師丸に脚本を渡し読ませた。脚本を非常に気に入った薬師丸が角川春樹を説得、予想外に早くOKの返事が来て、キティ・フィルムと角川春樹事務所が提携して映画を製作することになった。 問題は提携の具体的中身だったが、本音では角川とは組みたくなく、特に製作だけは絶対に譲りたくなかった伊地智の思惑通り、製作は完全にキティ、宣伝は角川が担当するという分担になった。角川側は金を半分出しているだけで、映画の製作過程や出来上がった作品について文句をつけることはなかった。
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