西日本旅客鉄道(JR西日本)および関西の私鉄事業者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 07:54 UTC 版)
「川島令三」の記事における「西日本旅客鉄道(JR西日本)および関西の私鉄事業者」の解説
『全国鉄道事情大研究』各巻での関西の事業者、特にJR西日本への評価は最近までは比較的高く、アーバンネットワーク内の高速化や高速・高頻度運転、パターンダイヤ、転換クロスシートなど、会社間の競争によって質が高められたケースが多かった(しかし、並行路線がない路線においては質的向上が今ひとつだったとも語っている)として、旧国鉄・私鉄とも総じて質が高かったと述べている。 JR西日本については、国鉄時代の車両を競合私鉄並みに性能の良い車両に置き換えた上で最高速度も引き上げた結果、サービスが向上したと賞賛している。ただし当時103系が残っていた大阪環状線などの路線では、延命工事が施された後も加速度が低いままの103系を加速度の高い新型車両(特に207系)へ置き換えるべきだとしていた。なお、207系の導入こそされなかったものの、その後国鉄設計の201系が導入された後、2016年よりようやくJR設計の323系が同線に導入されている。 そのJR西日本についても、京阪神地区以外は評価が厳しく、「岡山・広島地区の山陽本線は年々ダイヤが廃れている」と述べているほか、ローカル線の経費削減のために行う日中時の保線(その際は運休となり、代行バスが運行されない)や極端な徐行運転を批判している。 こうして競合私鉄に対してJRが優勢になったため、関西の大手私鉄の施策にはかなり手厳しい批判をしている。全体の所要時間を伸ばしてでも優等列車の停車駅を増やすなど、JRとの競争において守りの姿勢でいるからとしており、特に阪急電鉄(阪急)や京阪電気鉄道(京阪)、近畿日本鉄道(近鉄)への批評は「あれだけの設備があるのに、なぜ積極的なスピードアップをしないのか」「神戸線では待避駅が少ない」「京都線の特急は停車駅を増やして遅くなった」(阪急)、「京阪本線の急行の停車駅が多すぎる」(京阪)、「緩急結合運転を意識していない」(近鉄)と厳しい。同様に神戸の私鉄を東西につなぐ神戸高速鉄道についても、線内での運賃設定や速度制限がJRとの競争力を減じるとして厳しい評価を下している。一方で上述のとおり阪神ファンであることから、阪神電車についての辛口評価は少ない、 こうした私鉄各社の方策に対しては、速達列車の停車駅を増やさずに所要時間を短く抑え、緩急接続を密に行うことで途中駅の利便性の確保も図るべきであると主張すると同時に、関西私鉄同士(路線によってJRも含む)の直通運転をもっと増やすべきだと主張し、スイッチバックや連絡線の敷設といった大がかりな空想も随所で行っている。 なお、大阪市交通局に対しては、市営モンロー主義と呼ばれる他事業者に対する排他的な交通政策をはじめとして、一貫して批判的な評価を下していた。ただし市営モンロー主義政策は2011年12月の市長交代で終焉となった後、2018年3月末日をもって交通局自体も廃止されている。
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