複製播種船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 14:35 UTC 版)
自己複製宇宙機の他のバリエーションとして複製播種船がある。播種船はその播種船自体を作った種を含め、故郷の惑星の多くの生命の受精卵や遺伝情報を貯蔵して宇宙を航行する。居住可能な、またはテラフォーミング可能な系外惑星を見つけると、保存された胚から、または分子ナノテクノロジーを用いて保存された遺伝情報から生命体を複製し、現地の原材料からさまざまな遺伝情報を持つ接合子の構築を行う。このようにして異星の環境で生態系を作り出す。ちなみに播種とは種を蒔くという意味である。 そのような播種船は、他の宇宙船による植民地化を準備するテラフォーミング船になるかもしれない。播種船は人の一生の間の時間では足りないほど遠い世界を植民地化する方法として、コールドスリープや、世代宇宙船に代わる適切な代替手段になる可能性がある。他のパターンとして、播種船自らが生命の種を蒔くことはせず、探査の過程で発見した生命の進化に介入し知覚種族に育て上げるといったものも存在する。
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複製播種船
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デイヴィッド・ブリンの短編小説集『 The River of Time』(1986年)収録の短編『Lungfish』はフォン・ノイマン探査機を題材としている。作中では探査機自体の概念を探求するだけでなく、探査機の異なるデザイン間の競争のアイデア、そのような競争に直面したフォン・ノイマン探査機の進化、フォン・ノイマン探査機間の生態学的な発展を間接的に探究している。作中で言及されている内の1つとして遺伝子運搬船型が登場している。 アーサー・C・クラーク『遥かなる地球の歌』(1986年)では、滅亡の危機に直面している未来の地球の人類は、居住可能な星を目指す自動播種船を建造した。着陸すると、播種船は保存された遺伝情報から新たに人間を作成し始め、搭載されたコンピューターシステムが新しい住民の最初の数世代を育て訓練する。その後、巨大な船は分解され、「子供」達によって建築材料として使用される。 ジェームズ・P・ホーガンの小説『造物主の掟』の続編『造物主の選択』(1985年)では、土星の衛星タイタンに辿り着いた自動工場宇宙船が異星人の複製播種船だったことが明かされる。同類を出しぬく知略を是とするマキャヴェリズム的な気性を持つボリジャンと呼ばれる鳥類型種族はその慎重さ故に、自動工場宇宙船による無尽蔵な資源の恩恵を手に入れるも他の星系へ植民することはなかった。母星の恒星が数年後には超新星爆発してしまうことを知った僅かなボリジャン達は、自らの人格のコピーを載せた自動工場宇宙船で母星から脱出する。しかしその自動工場宇宙船は超新星爆発の余波に巻き込まれメインプログラムは故障し、タイタンに漂着して以降もボリジャン達の人格のデータは復元されることなく100万年が経過した。そして、タイタンへとやってきた人類の科学者の1人が埋もれていたボリジャン達の人格データを発掘し復元してしまう。 スティーブン・バクスターの小説『Manifold: Space』(2000年)は太陽系内で活動している異星の自己複製機械の発見から始まる。この自己複製機械は月面都市「江戸」の日本人観測者によって発見されたため「ガイジン」と名付けられた。 『スターゲイト SG-1』75話「生態系改造計画」(2000年)では、絶滅寸前だったエンカラン人は新たな星に移住するが再び危機に直面する。人工知能によって制御された異星のテラフォーミングマシンが惑星の環境を改造しようとしたのである。 テレビドラマ『スターゲイトアトランティス』第95話「ウルージーの選択」(2008年)では、アトランティス探検隊は、既に絶滅した先進技術を持つ種族によって造られた古代の播種船を発見する。その播種船はケイ素系生物の種を再伝播するために作られていた。 『スターゲイト ユニバース』では人類の冒険者はデスティニーと呼ばれる宇宙船に住んでいる。その使命は、生命を維持することができる惑星上を先行する播種船によって配置された「スターゲイト」ネットワークに接続し、瞬間的な移動を可能にすることだった。 ゲームの『メトロイドプライム』シリーズ(2002年)に登場するフェイゾンと呼ばれる放射性物質。母星である惑星フェイザからリヴァイサン(シードコア)が定期的に射出され、他の惑星にフェイゾンを感染させ、最終的に他の惑星をフェイザのクローンに変える。このようにして自己複製プロセスを継続する。 Don Lawrenceによるコミック『Storm』第11部「The Von Neumann Machine」(1993年)を締めくくる三部作では、宇宙全体で人間社会を再構築するために使用される。すべての人間の知識の合計に基づく自己複製意識によって地球規模の災害が起こる。自己複製機械は誤動作し、新しい探査機が作成されるが、それらは母船から分離せず、最終的に月全体を吸収できるほど大きな故障した探査機の集合体になる。 『ゼノシリーズ』の人類は、播種船、バーサーカー双方の機能を持つデウスシステムを作成した。
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